外食ドットビズ

「うまそう!!」と思わせる店頭づくり講座 販促の30%は店頭が握っている!②
飲食店を営む皆さんは、「 店頭集客 」 をどのように意識されているだろうか。店名を掲げてメニューを貼り出し、食品サンプルやポスターでアピールするのが一般的である。しかし、その店頭づくりの中に、「 集客や販売を促進する仕掛けの余地がたくさんある 」 という持論を掲げるのが、「 愛顧客理論 」 を確立し、数々の人気店の運営に携わっているなにわの集客Producer川野秀哉氏である。特別企画 「 店頭集客de繁盛 」 は、川野氏の店頭集客理論とともに、自ら運営する豚料理専門店での成果を交えながら、その発想と手法をお伝えする。
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店頭POPで売上がこう変わる
POP掲出2ヶ月で注文数3倍に!
“売り”と“価格”で納得を得る店頭に
POPによる「コンセプト強化」で売上アップ
コンセプト強化で昼と夜のギャップも埋まる!?
店頭POPで売上がこう変わる

POP掲出2ヶ月で注文数3倍に!

2005年11月にオープンした 「 豚公司 黒亭 」 は、完全なビジネス立地で、昼のとんかつは売上がいいけれど、夜の売上が全然ダメという状況が3ヶ月続いていました。翌年1月から、夜の鍋メニューが 「 豆乳しゃぶしゃぶ 」 になったのですが、1日平均で1.6人前しか出ないという状況でした。何かしなければということで、「 豆乳しゃぶしゃぶ 」 のPOPを自前の大判プリンターで制作して、2月7日から店頭に置きはじめました。それからPOPを出しつづけた1ヶ月後、2ヶ月後の売上が次の数字です。

 

POP掲示1ヶ月で1日平均数は3.1人前、2ヶ月で5.8人前も出るようになりました。日割なので、ウィークデーの暇な時は1~2人前しか出ないこともありますが、週末に20人前が一気に出るようになったのです。黒亭は、13.5坪23席という店舗規模ですから、そこそこの数字にすぐになりました。

写真左:POP設置前は、手書きメニューでPR | 写真右:POPの写真で具体的なイメージを訴求


店頭POPメニュー売上推移(2006年1月~3月)


黒亭 鍋メニュー(豆乳しゃぶしゃぶ)売上推移


“売り”と“価格”で納得を得る店頭に

大判POP設置で何が起こったのかというと、お客さんが店を信用してくれたことにより、夜の客単価に大きな変化があったのです。店頭で店の売りをしっかりアピールすることで、お客さんが 「 この店では何を食べればいいのか 」 を理解して、何の疑念もなく食べにきてくれる。そこで、味にも納得してくれたから、お財布をバーンと開けてくれたということです。

 

誰でも同じだと思いますが、信用してないお店に入ったら、「 お試し 」 の料理しか頼みませんよね。おそらく3人客の場合は、「 とりあえず2人前で 」 と、必ず人数より少ない遠慮がちな頼み方をすると思います。これが店を信用していないお客さんの心理ですよね。だとすれば、「 信用を勝ち得るためのことを早よせなアカン! 」 わけです。それが何かと言えば、まず店頭で 「 これくらいの値段の料理なんだ 」 と価格面で納得してもらうことが第一。それで食べてみて味に納得してくれたら、「 今度はもっと美味しそうな、高そうなものを食べよう 」 とさらに食欲がわいてくるわけです。「 これだけの値段で食べられるんだ 」 と信用してもらって店内に導き入れることが最初に必要なのです。

「売り」と「価格」をしっかり押さえる事が店頭POPには大切


POPによる「コンセプト強化」で売上アップ

黒亭の場合は、店頭の見た目がとんかつ屋然としているから、「 そんなところで何が食えんねん 」 と思われていたのです。今でこそ、豆乳しゃぶしゃぶ・とんかつと入口で謳っているけれど、当初は 「 とんかつ黒亭 」 という看板だけ。

 

昼のとんかつは売れても、夜の鍋は売れない。当然でしょうね。ですから、何よりも 「 豆乳しゃぶしゃぶ 」 が前に出るようにPOPを置いたのです。昼は、とんかつ目当てのお客さんがほとんどなのに、とんかつのPOPは1枚もありません。店頭だけでなく店内もすべて豆乳しゃぶしゃぶ一色です。そこまでお客さんの意識や興味を偏らせていきました。要するに、売りたいものを伝えてコンセプト強化を図ったのです。普通の飲食店プロデューサーが絶対にやらせないのは、このような “ 二毛作 ” です。二毛作は店舗コンセプトがブレてしまうからです。でも、業態を変えてでも、夜にお客さんを呼込もうと思ったら、夜の業態がどういうものであるかをお客さんに強烈にアピールせなアカンのです! そのために、昼メニューのPOPを犠牲にしてでもいいから、夜のことばかりアピールしたわけです。

 

POPの作り方は、次回以降に説明していきますが、お客さんの意識や興味を引く肝はシズル感(※)のある写真になります。それを基本にして作らないといけません。一般的な感覚を持っている人は、メニューの文字を見てヨダレは垂らしませんからね。人に行動させるきっかけは、本能に訴えかけることです。当初は、POP1枚を出しただけですが、それからPOPの数が増え、2年目以降は 「 豆乳しゃぶしゃぶ 」 ののぼりまで店頭に出してコンセプトを強化しました。その間の売上対比は自分でも驚くものでした。

写真上「豆乳しゃぶしゃぶ」POP設置前の黒亭|写真下 2006年2月にPOPを設置。好調なランチタイムに夜の業態を訴求して集客に成功


2006年11月 看板にも「豆乳しゃぶしゃぶ」の表記を追加|2007年10月のぼりも設置してコンセプトをさらに強化

コンセプト強化後の豆乳しゃぶしゃぶ推移

 

2005年から06年は鍋料理の出た数が346%、売上が130%。07年には、それぞれ567%、153%となっていたのです。繰り返しになりますが、黒亭は23席しかありません。そこで24人前出ているというのは、確実に一回転以上しているわけです。これが、自分の店の 「 売り 」 をお客さんがちゃんと理解してくれた瞬間です。

 

シズル感:シズルとは、肉などが焼ける音を語源とする英語の擬音語。転じて、写真や映像などで食品の美味しさを思い起こさせる感覚を意味する。

 



コンセプト強化で昼と夜のギャップも埋まる!?

ランチタイムも夜のメニューを掲げてギャップを埋めた黒亭昼と夜の売上の差で悩んでいる方も多いと思いますので、少し補足のお話をしておきます。初年度の黒亭は、23席トイレ無しのお店に対して、平均50~70人のお客さんがランチ時に来てくれていました。でも、夜はからっきしだめ。何故かというと、基本的にとんかつ屋は夜もとんかつ屋だからです。黒亭の昼の客単価は1000円ですが、やはり夜も1000円でした。昼の集客・売上がなぜそれだけあったのかというと、とんかつという料理の強さ、大阪というマーケット特性に起因します。「 大阪人はケチや 」 と言われますが、本当に大事にしているのはコストパフォーマンスです。1000円で得だと思うボリュームと内容であれば、「 客単価1000円になってもお客さんは来てくれはる 」 と信じて走りました。

 

なぜ1000円だったのかもお話しします。800円だったらもっとお客さんが来るんじゃないかと思いますよね。でも、たった23席しかないですから、客単価を200円下げることで生じる売上2割ダウンが大打撃になるのです。昼間のうちにせめて5万円を稼ごうと思っているのに、単価800円にしたら4万円になってしまうわけです。5~6万円を稼ぐなら1000円から下げられません。そして、1000円にこだわった一番大きな理由は、夜のことを最初から考えていたためです。昼に1000円を使う店はちょっと上等な店ですよね。そこから、夜も食事をしてみたいなと思ってもらおうとしたのです。一般的に、夜がメインの飲食店は、昼のメニューを700円~800円の定食メニューにされると思いますが、それでは 「 定食使いの店 」 にされてしまうのです。昼が700~800円の品質だったら、「 夜もこんなもんやろう 」 と思われてしまって集客に繋がらなくなってしまうのです。

 

「販促の30%は店頭が握っている!」まとめ

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  大判プリンター活用で店頭集客を実践中!「手づくり店頭POPのすすめ」
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  • 販促の30%は店頭が握っている!①
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  • 「うまそう!!」と思わせる店頭づくり講座 販促の30%は店頭が握っている!
  • 【最前線取材】手づくり店頭POPのすすめ
  • 第1回 味わいへの興味、価格の安心感を店頭で伝える
  • 第2回 現場が語るPOP内製化で“攻め”の集客
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