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じゃらんリサーチセンター、熱海市と「AIエージェント」による観光DXを実証
人手不足の中でも機能する、インバウンドAIマーケティングの実装モデルを提示!
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リクルートの観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター(JRC)」は、昨年度に実施した生成AI活用に関する研究の成果を踏まえ、静岡県熱海市をフィールドに、地域の持続可能な観光地経営を目指した「AIエージェント」の実装に関する実証事業を行った。
静岡県熱海市は、年間約300万人が宿泊する国内有数の観光地で、近年は、国内旅行者数が順調に推移している一方、インバウンド延べ宿泊客数は全体の約5%にとどまっており、特に平日を中心とした宿泊需要の創出や消費額の向上が課題となっていた。本実証事業では、「市・DMO(観光地域づくり法人)」「旅行者」「観光事業者」の3者が有機的に連動する循環サイクルの構築を目指し、分析・検知・情報生成・共有をAIで連鎖させる仕組みを検証した。
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その結果、「市・DMO」では、AIダッシュボードおよびAI検知アラートの活用により、従来人手で行っていたデータの抽出・分析・整理といった作業を大幅に削減した。具体的には、観光統計データやWeb行動データ、口コミ情報などを横断的に分析し、重要指標と施策振り返り指標を一体的に把握できる仕組みを構築したことで、分析業務にかかる工数が大幅に削減され、複数の施策を同時並行で検証することが可能となり、限られた人材体制の中でもインバウンド強化に向けた施策を効果的かつ効率的に推進できることが確認された。また、変化の兆しはアラートとして自動通知されるため、担当者が常にダッシュボードを確認しなくても、優先的に対応すべき課題や次の打ち手を把握しやすくなった。これにより、創出された時間を施策実行や事業者との対話、戦略検討に充てられるようになった。
旅行者向けには、AIダッシュボードで得られた分析結果を基に、検索ニーズや行動データに即した多言語情報の生成・発信を行った。単なる日本語コンテンツの翻訳ではなく、国・地域別の関心や旅マエ・旅ナカの行動特性を踏まえた情報を整備したことで、公式観光サイトへの流入が大きく拡大。その結果、Google検索における表示回数は15.3倍に増加し、平均掲載順位も大幅に向上している。また、これらの情報をQRコードリストとして観光案内所や宿泊施設で活用することで、現地滞在中の情報接触も促進された。こうした取り組みの積み重ねにより、インバウンド強化の対象国であるアメリカおよび台湾からの来訪者数は、前年比でおおむね約2倍に増加し、インバウンド強化に向けた具体的な成果が確認された。
そして、観光事業者向けには、観光案内所の来訪者データや問い合わせ内容、現場スタッフの気づきなどを統合し、AIが自動で要点を整理する「AIレポート作成ツール」を導入した。これにより、従来は作成に時間を要していたレポートが短時間で生成可能となり、データを“読む資料”ではなく、“すぐに使える支援ツール”として共有できるようになった。生成されたレポートは、観光協会や宿泊事業者、交通事業者など地域内の関係者間で共通言語として活用され、情報共有や認識のすり合わせを円滑にしている。あわせて、QRコードを活用した案内により、観光案内所における接客工数は約3割削減されるなど、現場業務の負担軽減と連携強化の両立が確認された。
(外食.Biz)
2026年03月12日更新
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