
帝国データバンクは、2025年11月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を行った。主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした11月の飲食料品値上げは143品目で、前年11月(344品目)から201品目(58.4%)減と11ヶ月ぶりに前年を下回った。1回あたりの値上げ率平均は17%となった。
値上げ要因では、原材料の価格高騰に加え、光熱費の上昇による生産コスト増、人手不足による労務費の上昇、物流費の上昇などが複合的に重なった。原材料などモノ由来(「原材料高」)の値上げが全体の96.2%を占めた他、「エネルギー(光熱費)」(63.9%)、「包装・資材」(62.8%)、「物流費」(78.7%)、「人件費」(50.4%)など、主要な値上げ要因ではいずれも半数を超えた。特に「物流費」「人件費」はともに前年から大幅に増加した。他方、「円安」を要因とする値上げ(12.4%)は前年から大幅に低下しており、飲食料品の値上げは内的要因による物価上昇にシフトしている。
足元では、豊作による小麦市況の改善や海上輸送費の減少などを背景に、政府による輸入小麦の売り渡し価格が10月以降引き下げられるといった動きもある。他方で、食料品で多く使用される基幹原材料の一つである食用油が、世界的な油脂需要の高まりに加え、バイオ燃料向け需要が急増したことで価格が急騰しているほか、原料米も価格高騰が続くなど、局所的な原材料高が鮮明となっている。メーカー各社は生産コスト削減や商品ラインアップの整理などを進めるものの、原材料高や賃上げのコスト増ペースに追いつかないと判断した場合、来年以降にもう一段の値上げに踏み切るケースも想定される。
(外食.Biz)
2025年11月07日更新