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インフォマート、多大な経済損失も!「2025年の崖」とDXに関する実態調査
6割以上の企業に「レガシーシステム」が存在、約8割が事業に与える負の影響を懸念

 インフォマートは、企業または自治体に勤務するIT部門、DX推進、経営企画の担当者、経営者・役員360名を対象に、「2025年の崖」とDXに関する実態調査を5月23日~28日にインターネットリサーチで実施した。
 「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』の中で提唱された言葉。昨今、多くの企業がDX推進に取り組む一方、老朽化・複雑化・ブラックボックス化し高コスト構造の原因となっている既存システム、いわゆる「レガシーシステム」を使用している企業も多数存在する。企業の成長・競争力強化のために、「レガシーシステム」が抱える課題を解決し、いかにDXを推進していくかが課題としてあげられた。克服できない場合、2025年以降には、「レガシーシステム」が残存することによる経済損失が、年間で最大12兆円にまで増加する可能性が指摘されており、これを「2025年の崖」としている。
■6割近くが「2025年の崖」について理解が進んでいない
 まず、「2025年の崖」という言葉を知っているか聞いたところ、「内容をよく理解しており、自社への影響も把握している」(27.2%)、「言葉は知っており、概要も理解している」(14.2%)で、合算すると41.4%となった。一方、「全く知らない」(42.2%)、「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」(16.4%)で、合算すると58.6%となり、6割近くが「2025年の崖」について、理解が進んでいない状況であることが分かった。
■約8割が「2025年の崖」が事業に与える負の影響を懸念
 勤務先への影響について「分からない」との回答者以外(n=274)に、勤務先にどの程度影響を与えるか聞いたところ、「非常に大きな負の影響がある」(20.1%)、「ある程度、負の影響がある」(36.9%)、「多少は負の影響があるかもしれない」(23.4%)で、合算すると80.4%となり、8割以上が「2025年の崖」が事業に与える負の影響を懸念していることが分かった。
■6割以上の企業に「レガシーシステム」が存在
 勤務先にレガシーシステムが存在するか「分からない」との回答者以外(n=282)に、勤務先に、「レガシーシステム」と呼ばれる、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した基幹システムや業務システムが存在するかきいたところ、主要なシステムがレガシーシステムに該当すると回答したのは25.5%、一部のシステムが該当すると回答したのは37.6%で、合算すると63.1%となり、6割以上の企業にレガシーシステムが存在することが明らかとなった。
■レガシーシステム刷新の壁は「業務に手いっぱいで要員が割けない」など
 勤務先にレガシーシステムが存在すると回答した人(n=178)に、レガシーシステムを刷新する上での課題を聞いたところ、「業務に手いっぱいで十分な要員を割くことができない」(46.1%)が最も多く、次いで「既存システムへの操作性や機能へのこだわりを解消できない」「ブラックボックス化が進み、影響度が想定できない」(各42.7%)であった。
■3割以上が今後3年間のIT関連投資を増加させると回答
 全員に今後3年間、勤務先におけるIT関連投資の増減予定をきいたところ、「大幅に増加させる予定」(8.3%)、「ある程度増加させる予定」(23.3%)で、合算すると31.6%がIT関連投資を増加させる予定であることが分かった。
 今後3年間のIT関連投資を増加させると回答した人(n=114)にその理由や目的を聞いたところ、最多が「DX推進による業務効率化・生産性向上」(44.7%)で、次いで「セキュリティ対策の強化」(40.4%)、「DX推進による新規事業・新サービス開発」(38.6%)となった。
■まとめ
 今回の調査では、6割近くが「2025年の崖」について、認識・理解が進んでいない状況である一方、認知している人の約8割が、勤務先のビジネスに「2025年の崖」による影響を排除しきれないと考えていることが分かった。また、回答者の6割以上の勤務先に「2025年の崖」の克服を妨げる一つの要因となる「レガシーシステム」が残存していることが明らかとなった。レガシーシステムを刷新するにあたって、障壁となっている要因には「業務に手いっぱいで十分な要員を割くことができない」ことや「既存システムへの操作性や機能へのこだわりを解消できない」等があがった。
 昨今、組織がシステム等を導入する際に、組織の既存業務プロセスにシステムを無理に合わせるための独自追加開発を極力行わず、業務内容をそのシステムの標準機能に合わせていくアプローチ、「Fit To Standard(フィット トゥ スタンダード)」が注目されている。今回は、この「Fit To Standard」の認知度や、すでに勤務先で取り入れているかも合わせて調査した。「Fit To Standard」を「積極的に取り入れている」と回答した人のうち、「全社的な戦略に基づき、多くの部門で具体的な取り組みが成果を上げている」と回答した割合は6割近くにも上った。この結果から、クラウドサービス等の標準化されたシステムを導入し、システムに業務プロセスを合わせていく「Fit To Standard」のアプローチがDX推進に有効であることが推察できる。

【調査概要】
調査対象:企業または自治体に勤務するIT部門、DX推進、経営企画の担当者、経営者・役員
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:5月23日~5月28日
回答者:360名
※小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計した数字が100%にならない場合がある
 

(外食.Biz)
2025年07月04日更新

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