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ポスタス、2024年の飲食業界の「ニッパチ」傾向は実際どうだったのか
クラウド型モバイルPOSレジ「POS+」、2024年における飲食店売上動向に関する分析レポート

 ポスタスは、2024年1月~12月の年間飲食店売上動向に関してPOSデータを集計し、飲食業界において2月と8月は売上が落ち込むと言われるいわゆる「ニッパチ」の実態について調査した。
 飲食業界において、2月は年末年始の出費の反動や気温の低さによる「巣ごもり需要」によって、また8月は夏休みなどに伴う帰省で首都圏を中心とした飲食店の利用が減ることによって、それぞれ売上が落ち込むと言われ、「ニッパチ」傾向と呼ばれている。一方、2024年の年間を通じた状況としては、コロナ禍の影響から抜け、海外からの旅行客によるインバウンド消費も増えた。これらの外的要因を踏まえながら、2024年は「ニッパチ」傾向を含む飲食店売上動向が実際はどうだったのか、同社の保有するマクロデータを基に分析した。
 まず、顧客単価は、年間を通じて概ね一定だったが、一番上昇したのは12月だった。これは忘年会などのイベントの影響で顧客単価が上昇したことが原因となっていると考えられる。また、業種により3月でも上昇が見られた。年間を通じ、顧客単価は概ね一定だったことより、売上の増減に大きく影響しているのは、顧客単価よりも顧客数だと推測される。

 業態別に見てみると、すべての業態で「ニッパチ」と言われる売上の落ち込みは2月のみ見られた。業態ごとに特徴はあるものの、3月・12月に加え8月にも売上増加が見られた。「食事系」の月次売上の状況を比較すると、2月に売上の落ち込みがやや見られるものの8月は売上の増加が見られた。「軽食」で比較すると、9月にたこ焼き屋でやや落ち込みが見られた。「専門料理」で比較をすると、他業態と同様に2月の落ち込みはあるものの、8月には目立った落ち込みは見られない。季節要因であるが、7月のうなぎ料理店は157.6%と上がり幅はかなり大きい。「居酒屋」では、3月と12月に売上の増加が目立つがいわゆる「ニッパチ」の傾向はみられない。「持ち帰り業態」では、2月および8月の売上の落ち込みは見られなく9月に落ち込みがみられた。
 今回の結果につながったと考えられる要因として「季節要因」「時期的な要因」「旅行者増加の要因」の3つが考えられる。3月は気温が上がりはじめ、8月は猛暑を記録するなど厳しい季節ではあったことも背景に、店内喫食の食事系業態や、沖縄料理といった季節に合わせたジャンル、お歳暮やお土産などで贈り物として利用の多い和菓子店(製造小売)などが押し上げている。季節要因としては7月のうなぎ料理店も売上が高い。また、忘年会の時期をはじめ、年末・年度末に催しが増加することによる影響がある。特に12月の忘年会シーズンはすべての業態で売上が伸びている。そして、国内旅行者の帰省を含め、8月に旅行先で外食を利用することで売上を押し上げた。また、海外からのインバウンド旅行者も増え、特に12月の売上を上昇させたと見られる。
 その結果、2月はほかの月と比べて売上が少なかったものの、8月はむしろ売上が伸びているなど、従来の通説とは異なる新たな傾向が見られた。業態を問わず同様の傾向が見られており、また3月や12月も他の月よりも売上が高い傾向が見られた。
 なお、同社では、本調査の傾向は2024年特有の傾向である可能性もあるため、引き続き継続的に傾向を追い分析していくとしている。
 

(外食.Biz)
2025年07月02日更新

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