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マイナビ、2025年5月度全国アルバイト・パート平均時給レポートを発表
前年同月比71円増の1,306円と初の1,300円台に、「飲食・フード」56円増の1,173円と5ヶ月連続増

 マイナビは、アルバイト・パート求人情報サイト「マイナビバイト」に掲載された求人広告データを集計した2025年5月度アルバイト・パート平均時給レポートを発表。5月の全国平均時給は、1,306円(前年同月比+71円/増減率+5.7%)と、初の1,300円台に乗った。
 職種(大分類)別では、全16職種中11職種が増加、5職種が減少した。「飲食・フード」は1,173円(前年同月比+56円/増減率+5.0%)で5ヶ月連続増となった。全国の求人件数は前月比で1.04倍、前年同月比で1.38倍となった。
■全7エリアで前月比・前年同月比ともに増、「中国・四国」は11ヶ月連続で増加し過去最高額
 エリア別平均時給をみると、2ヶ月連続して全7エリアで前月比、前年同月比ともに増加した。特に「中国・四国」は1,199円(前月比+12円/前年同月比+113円)円となり11ヶ月連続の増加、調査開始以来最高額となった。また、エリア別で最も平均時給が高い「関東」(1,364円)との差が165円となり、前月(183円差)、前年同月(220円差)から縮小傾向にあり、地域間の時給差が縮小傾向にあることがうかがえる。その他のエリアは、「関西」1,310円、「東海」1,269円、「甲信越・北陸」1,251円、「九州・沖縄」1,208円、「北海道・東北」1,209円であった。
 なお、各エリアの「飲食・フード」は、「関東」が1,236円(前年同月比+4.4%)、「関西」が1,167円(同+5.9%)、「東海」が1,156円(同+6.5%)、「北海道・東北」が1,083円(同+6.2%)、「甲信越・北陸」が1,112円(同+6.2%)、「中国・四国」が1,084円(同+6.0%)、「九州・沖縄」が1,077円(同+4.9%)であった。
■都道府県TOPIC…半導体工場が多い熊本県では、求人数が前月比1.1倍。九州エリアで最も増加
 企業の転入が活発化する九州では、平均時給が1,214円(前月比16円増、前年同月比95円増)となった。県別では九州エリアすべての県で、調査開始以来の最高額を更新している。また、半導体工場が多い「熊本県」では平均時給が1,216円となり、はじめて1,200円台となった。求人件数でも前月比1.10倍で、九州エリアで最も大きく伸びている。
■堅調なインバウンド需要や国内行楽需要の回復等により「飲食・フード」の平均時給上昇が続く
 同社キャリアリサーチラボ研究員の嘉嶋麻友氏は、『5月のアルバイト平均時給は1,306円となり、2ヶ月連続で過去最高額を更新し、はじめて1,300円台となりました。特に「飲食・フード」では、2025年に入ってから、平均時給の上昇が続いています。背景には日銀短観でも示されたように、堅調なインバウンド需要や国内行楽需要の回復があると考えられます。加えて、夏の繁忙期を前にした人手不足への懸念や、春闘による賃上げの影響も時給の上昇を後押ししている要因といえるでしょう。また、飲食業界においてはコメなど食材価格の高騰や金利上昇への警戒感が企業の人件費戦略に影響を及ぼし、人件費抑制の動きがでてくる可能性もあります。そのため今後の動向には引き続き注意が必要です。
 今回の調査ではエリア間での時給差が縮小傾向にあることが分かりました。今年10月に予定されている最低賃金の引き上げに向けた議論が進む中、地域間の賃金格差が就業者の都市部集中や地方の空洞化を招く要因の一つと考えられています。賃金格差の是正は、働き手が働く場所に左右されずに活躍できることだけではなく、地域経済の活性化にもつながっていくのではないでしょうか。』とコメントした。
 

(外食.Biz)
2025年07月01日更新

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