
帝国データバンクは、2025年5月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を行った。5月の飲食料品値上げは合計478品目となった。食品分野別では、ハム・ソーセージなど食肉加工食品が多くを占める「加工食品」(137品目)などが中心となった。また、2025年通年の累計品目数は14,409品目となり、前年実績を上回った。
5月の値上げを食品分野別に集計すると、ハム・ソーセージなど食肉加工食品が多くを占める「加工食品」(137品目)や、カレールウなど香辛料を中心とした「調味料」(192品目)が多くみられた。「酒類・飲料」(48品目)は、コーヒー飲料などが主な対象となった。
値上げ要因では、原材料の価格高騰や人手不足、流通コストに加え、近時は光熱費の上昇による値上げが再燃している。原材料などモノ由来(「原材料高」)の値上げが全体の97.9%を占めたほか、人手不足に伴う昇給・賃上げによるコスト増を背景とした「人件費」(52.0%)は、要因別の集計を開始した2023年以降で最高だった。また、特に6月以降の値上げを中心に電気・ガスなど「エネルギーコスト(光熱費)」由来の値上げが急増し、年間でも66.1%を占めるなど、2年ぶりに前年を上回る水準で推移した。トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは79.7%を占め、前月調査時(81.8%)から割合が低下した。
(外食.Biz)
2025年05月07日更新