マイナビは、アルバイト・パート求人情報サイト「マイナビバイト」に掲載された求人広告データを集計した2024年12月度アルバイト・パート平均時給レポートを発表。12月の全国平均時給は、1,278円(前年同月比+37円/増減率+3.0%)と前年同月比は28ヶ月連続の増加となったが、9ヶ月ぶりに前月(11月=1,281円)を下回った。また、2024年の年間平均時給は1,252円(前年比49円増)となった。
■「飲食・フード」は過去最高額更新ならず、「工場・倉庫・建築・土木」は1,428円で過去最高額に
職種(大分類)別では、前月比で減少する職種が多いなか、「工場・倉庫・建築・土木」は1,428円(前月比2円増)で調査開始以来最高金額を更新した。クリスマスや年末年始シーズンに対応するため食品製造や加工のアルバイトで通常より時給を上げて募集が行われたと考えられる。求人件数では「教育」が前年同月比で2.70倍となった。
前年同月比は、全16職種中12職種が増加、2職種が横ばい、2職種が減少した。「飲食・フード」は過去最高額であった前月(1,157円)より3円減少し1,154円(前年同月比+50円/4.5%)、「販売・接客・サービス」は1,181円(同+71円/6.4%)であった。
■「東海」「北海道・東北」「甲信越・北陸」「中国・四国」「九州・沖縄」で過去最高額に
エリア別平均時給をみると、全7エリア中「東海(1,204円)」「北海道・東北(1,144円)」「甲信越・北陸(1,181円)」「中国・四国(1,119円)」「九州・沖縄(1,145円)」で前月比・前年同月比ともに増加し、いずれも調査開始以来最高金額となった。ニセコをはじめ観光地のアルバイト時給上昇が話題となっている「北海道・東北」は9ヶ月連続で前年同月比50円以上増加している。「甲信越・北陸」エリアは4ヶ月連続で前月比10円以上増加した。
なお、各エリアの「飲食・フード」は、「関東」が1,217円(前年同月増減率+3.6%)、「関西」が1,146円(同+5.1%)、「東海」が1,139円(同+6.3%)、「北海道・東北」が1,054円(同+2.6%)、「甲信越・北陸」が1,094円(同+6.1%)、「中国・四国」が1,065円(同+6.2%)、「九州・沖縄」が1,059円(同+4.9%)であった。
■今月の都道府県TOPIC…震災から1年がたった「石川県」に注目
今月は令和6年能登半島地震発生から1年が経つ「石川県」に注目した。石川県の平均時給は1,145円(前年同月比56円増)。2024年の年間推移をみると、北陸応援割第一弾(3月16日~4月26日)の実施期間を含む4月に1,100円を超え、最低賃金改定があった10月に1,145円となり、その後堅調に推移している。12月は10月に並ぶ最高金額だった。震災の傷跡が残るなかで、雇用創出・時給上昇により経済を底上げする地元企業の努力がうかがえる。
同社キャリアリサーチラボ研究員の元山春香氏は、『2024年12月のアルバイト平均時給は1,278円でした。5月から続いていた時給の上昇は一旦落ち着いたものの、1,280円付近で例年より高い水準を維持しています。職種別では、食品製造・加工を含む「工場・倉庫・建築・土木」や、パン・スイーツ・食品販売を含む「販売・接客・サービス」で時給の上昇が見られました。クリスマスや年末年始シーズンに合わせた人材確保のため、時給を上げて募集する企業が多いことが考えられます。
2024年の年間平均時給は1,252円で、2023年平均より49円増加しました。背景には最低賃金の大幅な引き上げや人手不足による賃金引き上げの動きが考えられます。非正規春闘の実行委員会は2025年も10%以上の賃上げを求める方針を示しており、賃上げの機運は続くと予想されます。一方で、米国新大統領就任の影響など経済の先行き不透明感もあり、企業の対応力が試されます。物価高に対応できる時給が実現されるか、今後に注目が集まります。』とコメントした。
(外食.Biz)
2025年01月23日更新