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リクルート、2024年上半期の「転職市場動向レポート」を発表_概要偏
構造的人手不足を背景にキャリア採用は活発、ミドル・シニア層に採用ターゲットが拡大
リクルートは、「リクルートエージェント」の転職データや各業界に精通したコンサルタントの知見などを基に、主要17業界の求人・求職者の最新の動きをまとめた今年度上半期の「転職市場動向レポート」を発表した。なお、本レポートは今年6月取材時の情報を基に作成している。外食ドットビズでは、このうち、概要と外食に関して掲載する。
企業の採用意欲は多くの業界で高く、人材へのニーズは高水準を維持している。人口減少による構造的な人手不足を背景に、企業は意欲的な採用活動を行っている。
従来20代~30代を中心に採用してきた業界や企業が、40代~50代以上の人を採用する事例も増えている。定年や役職定年を機とした年収の低下や裁量権の縮小を見越し、転職を検討するミドル・シニアが増加傾向にある。組織の年齢構造が逆ピラミッド型へ変わる未来は避けられない。いち早く対応する企業は、年齢に関わらずスキルや能力、成果を評価し、報酬で還元する「ペイ・フォー・パフォーマンス」の人事制度を整えている。年齢に関わらず、働く個人が専門的なスキルを発揮して活躍する職場は当たり前の光景になるだろう。ミドル・シニアが生き生きと働けるためにも、企業の組織構造と評価・報酬制度の再定義は喫緊の課題だ。
業界や年齢以外でも、垣根を越える「越境転職」の事例は増えている。境界線は「企業の成長フェーズ」「企業規模」「内資/外資」などだ。大手企業での経験を生かしてスタートアップに移るケースもあれば、原材料・部品のサプライヤー側から完成品メーカー側、あるいはその逆に移るケースも多数ある。事業変革に必要な「越境採用」を進める企業とそうでない企業の差は、求める人材像をポータブルスキル(職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのこと)のレベルまで明確に定義し、求職者に明示できているかどうかだ。さらにはターゲットとなる人材が企業に求めている要素を、仕事、待遇、働き方、将来のライフキャリアなどの観点でつかみ、自社が提供できることを伝えるアトラクト(魅力要因による引きつけ)が重要だ。特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、「自分の経験を生かしていかに社会貢献できるか」という視点で企業を選ぶ人が増えている。
採用を人事だけで進めるのではなく、経営層と配属先の上長など現場も一体となって取り組み、必要な人材の明確化を進め、求職者をアトラクトする企業が、人手不足社会・エイジング社会の人材獲得競争で優位に立つ。
(外食.Biz)
2024年08月06日更新
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