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パーソルホールディングス、全国の就業者を対象に「はたらく定点調査」を実施
ゆとりがないミドル層!時間的なゆとりは30代、心と経済的なゆとりは40代が最下位

 パーソルホールディングスは、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表した。今回は、本調査のなかから「各年代の『ゆとり・余裕』」を切り口にしたデータを紹介している。
 「はたらく定点調査」は、幅広い世代の多様なデータを通じて、はたらき方に関わる生活全般の実態と変化を可視化している。地域別、ジェンダー別、年収別、年齢別、職業・職種別、さらには価値観など、さまざまな切り口でデータを抽出することが可能だが、本データは「はたらく定点調査」のなかから、世代間を比較したデータを抜き出したものの一部だ。
 「暮らしにおける時間的なゆとり」について、ふだんの暮らしには、どの程度ゆとりがあるか聞いたところ、「ある」と答えた割合が最も高かった年代は60代で58.2%と過半数の人が時間的なゆとりを感じているよう。逆に最も少なかった年代は30代で34.4%と約3人に2人は時間的なゆとりがないと感じているようだ。その他の年代は、10代が48.7%、20代が41.4%、40代が36.3%、50代が42.3%だった。
 次に、「仕事をする際の心のゆとり」について、ふだんの暮らしには、どの程度ゆとりがあるか聞いたところ、「ある」と答えた割合が最も高かった年代はこちらも60代で51.6%とやはり過半数の人が仕事をする際に心のゆとりを感じているよう。一方、最も少なかった年代は40台で31.0%と、10人中7人近くが仕事をする際に心のゆとりを感じていないと回答した。その他の年代は、10代が41.6%、20代が34.7%、30代が31.6%、50代が34.5%だった。
 そして、「暮らしにおける経済的なゆとり」について、ふだんの暮らしには、どの程度ゆとりがあるか聞いたところ、「ある」と答えた割合が最も高かった年代は10代で35.7%と約3人に1人が経済的なゆとりがあると回答。一方、最も少なかった年代は40代で23.6%と、5人中4人近くが経済的なゆとりがないと回答した。その他の年代は、20代が26.5%、30代が26.1%、50代が24.5%、60代が31.5%だった。
 また、1ヶ月のお小遣い(自由に使えるお金)はどれくらいかという質問に対して、最も多い額を答えたのは20代の34,278円であった。なお、その他の年代は、10代が26,135円、30代が31,092円、40代が28,997円、50代が30,864円、60代が33,912円と、40代は10代を除けば最も少ない金額だった。
■結果考察…パーソル総合研究所 研究員 金本麻里氏
 世界の多くの国で、40代後半に人生の幸福度が最低水準となることが、米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授による132ヶ国への調査で判明している。この事実は、本調査データから見えてきているような、仕事をする際の時間的、精神的、経済的な“ゆとり”が、40代でいずれも低いことと無関係ではないだろう。
 仕事においては、40代ははたらき盛りと言われるように、管理職など責任あるポジションにつくことが多い。ところが昨今、労働力不足や働き方改革によって、特に管理職の負担が増加している。また、40代ではプライベート面で親の介護、子育てをしている人であれば、自宅のローンや学費などの出費もかさみ経済的なゆとりも減少する。共働き・共育て世帯が増加していることで、以前よりも一人ひとりのゆとりが減少していると考えられる。
 一定のゆとりや余裕は、人が健康で幸福な生活を送るために必要なだけでなく、仕事における能力発揮とも大きく関わる。さまざまな“ゆとり”が減少する40代をサポートする意味でも、管理職でも介護・育児と仕事の両立など、個別事情に配慮したはたらき方ができるよう、組織体制や業務設計を柔軟化していく必要があるだろう。そのような変革が、多くの人を惹き付ける組織作りにもつながっていくと考えられる。

【調査概要】
調査方法:オンライン
調査時期:2023年3月
調査対象:15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
調査人数:100,000人
 

(外食.Biz)
2024年02月06日更新

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