トピックス
リクルート、飲食店経営者のDXに対する興味・関心と導入状況の実態調査
デジタルツール導入に関心のある人は45.5%と微増、導入効果を何らか感じている人は8割強
リクルートが運営するグルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」および外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、全国の飲食店経営者1,085人を対象に今年3月、デジタルツールの導入への興味・関心と導入状況・導入後の効果に関するアンケート調査を実施した。
■飲食店経営において、デジタルツールを導入することへの興味・関心は前回比微増の45.5%
現在、飲食店は、コロナ禍からの立ち直りフェーズでありながら、人手不足や仕入れ価格の高騰など、別の課題にも直面しながら営業をしている。その課題解決手段の一環としてデジタルツールの導入への関心を寄せる経営者が増えてきている。今回の調査では飲食店経営者の45.5%がデジタルツールの導入に対し、興味・関心があるという回答を寄せ、前回調査(2022年3月)と比べると、その数値は2.8ポイント上昇している。
■デジタルツールの導入率は前回調査から微増、導入済みトップは「キャッシュレス決済」
提示した15のデジタルツールのいずれかを導入していると回答があった割合は、57.7%で前回調査(55.6%)から微増している。ただし、「導入済」と「検討中」の合計スコアで見ると、92.8%で前回調査の94.1%からは微減となっている。既に導入されているデジタルツールとしては、「キャッシュレス決済」(40.0%)、「自社ホームページの制作/ローカルビジネス登録サービスの活用」(25.2%)、「集客販促ツール」(22.7%)がトップ3で、前回調査と同じ項目で、それぞれ導入割合も前回調査より微増している。また、検討中の割合としては僅差ではあるが、「POSレジ」(12.1%)がトップで、次いで「オンライン発注システム」(11.4%)、「集客販促ツール」(11.3%)と続く。デジタルツールの導入が急速に進んでいるとは言い難い状況ではあるが、導入を検討するデジタルツールの多様化が進行してきていることをうかがわせている。
■現在の経営課題、「食材費の削減/最適化」が前回調査比で目立ってスコアを伸ばす
現在抱えている経営課題について尋ねた。1~3位に挙がっている課題は前回同様で、1位「売上UP」(50.4%)、2位「食材費の削減/最適化」(28.7%)。3位「顧客満足度UP」(20.9%)。前回調査からの変化に着目すると、「食材費の削減/最適化」が4.4ポイント増加で最もスコアを伸ばしており、飲食店経営にとっての課題として拡大していると言えそうだ。逆に、前回調査比で最もスコアが低下した課題は、「従業員のモチベーションUP」(8.6%)で前回比は-2.6ポイント。前回調査時に比べると行動制限や営業制限がなくなった分、従業員の就業意欲が高まったと感じている経営者が多いのかもしれない。
■デジタルツールの導入効果を感じている経営者は8割強、経営課題「売上UP」にも効果実感
いずれかのデジタルツールを導入している対象者に、その効果の実感を聞いた。何らかの「効果あり・計」は82.4%(前回調査80.6%)と高い数値であった。特に「効果あり・計」が高いツールトップ3は、サンプル数がやや少ないツールも含めてではあるが「セルフオーダー、スマホオーダー」「人材、採用、給与など人事系の管理システム」「従業員の教育システム」であった。一方で、感じている効果のトップ3は、1位「売上UP」(50.3%)、2位「顧客満足度UP」(41.1%)、「経営数値管理の強化」(28.4%)と前回同様であったが、前回比のポイント増減では、「経営数値管理の強化」(+4.0ポイント)、「QSCの向上」(+3.7ポイント)、「顧客満足度UP」(+3.5ポイント)等が伸びた。最多割合の経営課題であった「売上UP」に対して、効果面でも最も効果を感じているという回答となっており、今後もデジタルツールにかかる期待は大きそうだ。
■デジタルツールは業務効率化・顧客&従業員満足度向上・利益改善など多角的な効果を生む!
同社「ホットペッパーグルメ」プロデューサーの久保田達也氏は、『この数年で飲食店を取り巻く環境は大きく変化しました。コロナの感染症法上の分類が5類に移行され、徐々に外食需要は回復しつつありますが、まだコロナ前の売り上げには戻っていないという声も聞きます。また、人材不足、食材原価の高騰など、さまざまな課題に対応していく必要があり、こうした飲食店経営の在り方が変化した結果が、今回の調査結果にも表れているのではと思います。コロナ禍を経て、デジタルツールに興味を持つ経営者は年々増加しており、デジタルツールを導入し効果を感じている経営者も8割を超える結果となりました。「理想のお店づくり」を実現するために、それぞれのお店が抱える課題と必要なデジタルツールの役割を理解し、効果的な活用ができれば、飲食店の売り上げや利益改善を見込めるでしょう。加えて、キャッシュレス決済やモバイルオーダーは消費者の利便性も向上させ、顧客満足度向上にもつながるはずです。デジタルツールの導入により、こうした多角的な効果を生む事例が多数出てきており、デジタルツールを取り入れたお店づくりはますます重要性を増していくと考えています。』とコメントした。
【飲食店経営者のDXに対する興味・関心と導入状況の実態調査】
調査方法:インターネットによる調査
調査対象:全国47都道府県の20歳以上の飲食店経営者(マクロミル登録モニター)
調査期間:3月10日~3月14日
有効回答数:1,085件(男性815件、女性270件)
(外食.Biz)
2023年05月23日更新
最新ニュース