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リクルート、コロナ後の求人回復期における飲食業界の雇用動向
求人数と求職者に需給ギャップ発生!年末年始以降の人手不足への対応策は?

 リクルートは、コロナ後の求人回復期の現在における、飲食業界の雇用動向および今後の見通し、目前に迫る年末年始以降の人手不足の対応策についてまとめた。
■求人数と求職者に需給ギャップが発生しているものの、年末年始の検索数は増加傾向
 派遣/アルバイト・パート/社員領域全てにおいて、1回目の緊急事態宣言時(20年4月)を底として、以降は明確な改善基調が続き、21年3月頃には、一部ではあるものの、感染拡大前の水準に復す職種も見られた。雇用形態において、アルバイト・パートが8割ほどを占める飲食業においては、21年4月以降、揺れを伴いつつも回復傾向にある。しかし、回復した求人数と求職者を見ると、需給ギャップが発生している。コロナ禍前と比較すると、全体の検索数は減少しているが、今年においては、年末年始に向かって増加傾向にあるという動きを見せている。
■アルバイト・パートの募集時平均時給は7ヶ月連続過去最高を更新中、人材不足感は継続
 前年度比31円と過去最大の引き上げ額となった最低賃金の影響などもあり、三大都市圏のフード系の募集時平均時給は、今年4月以降、過去最高金額を更新し続けている。しかし、平均時給としてはまだ他職種よりも低い水準にあり(10月度:職種計1,151円、フード系1,088円)、人材確保のためには今後も時給引き上げが必要になりそうだ。
■飲食業界におけるアルバイト・パートの「シフト充足率」は他業種に比べて低め
 アルバイト・パートのシフト充足率は、時期によって高低はあるものの、平均値では未充足であることが明らかになった。中でも飲食業は他業種に比べて充足率が低く、より人手不足感の強い状況で店舗運営していることが分かる。飲食店を取り巻く雇用動向は変化している。コロナ禍前は、深夜営業など営業時間が長かったこともあり、シフト人数が足りない状況だった。一方、コロナ禍においては、行動制限により営業自粛や営業時間の短縮を余儀なくされ、一時的に全体のシフト数を減らしていたという違いがある。シフト数を減らして営業は継続していたものの、一人当たりの労働時間は増加し、オーナーや社員、アウトソーシングで人手不足を補完するという状況だった。注文アプリ、自動会計システムなどのデジタルツール導入により、労働負荷が軽減されたこともあって、何とか運営できていた店舗もあるようだが、行動制限のない現在では、通常運営を行っていく上で、必要な人材を確保するためのシフト充足として捉えていくべきだ。
■コロナ禍の影響で求職者ニーズが変化。働く魅力を感じる一方、懸念は「身体負荷」
 求職者における飲食関連の検索数では、今年に入って高校生の検索数が伸びてきている。1~6月の関東地域における「タウンワーク求人検索ワード」においても高校生は検索上位3位以内にランクインしており、高校生の求職ニーズが高いことは注目。
■今年の年末年始の需要はすでに増加傾向、従来の人海戦術だけでの対応は厳しく
 11月上旬時点における飲食業界の現場状況について、全国の同社担当者からの定性情報を元にまとめた。全体的には年末年始に向けての採用意欲は継続しており、現状のスタッフ未充足の状況から、今後に向けて人材を充足させるため、人手確保を急ぐ様子が見られている。
■今後、人材確保のためには、従業員の「身体負荷」を軽減することに着目を
 コロナ禍において従業員の「身体負荷」が加速しており、現状のままではさらなる離職を促してしまう可能性がある。オンラインで働ける環境を希望する求職者も見られるため、新規採用時は感染によるリスクケア訴求なども引き続き有効。また、現在就業している従業員については、離職理由の一つに「キャリアパスがない、成長感を感じられない」の理由を挙げているため、飲食業界で働くことによって成長感を感じられ、キャリアパスも描けるようになると感じてもらうことが必要。従業員がやりたい仕事ができないと感じている労働環境においては、DXの導入を検討するなど、本来やるべき仕事に従事できる時間を捻出する環境作りに変えていくことも視野に入れていくべきだろう。今後、短期および中長期的な視点での雇用施策を考えていくことが必要。

 同社ジョブズリサーチセンター長の宇佐川邦子氏は、『年末年始の繁忙期を目前にした現在、短期的な人員充足のための取り組みはもちろん重要ですが、昨今の慢性的な人手不足の状況を考えると、人材確保の難易度はより一層上がると考えられます。コロナ禍を機に、求職者が飲食業界に求める働き方も変化し、また一部DXの導入が進んだことにより、消費者側でもモバイルオーダーなどのデジタルツールが浸透するなど、結果的に「データの利活用」を進められる土台が出来上がりつつあります。もちろんデジタルツールを導入するだけでは意味をなさず、現在の業務を可視化し、質と量に切り分けて考え、従業員の頭数ではなく、時間単位で考えたときに必要な人員を配置していく考えに切り替えていってほしいと思います。従来のような、週5日フルタイムで働ける人や、何でもできる人だけを求めるというのはもはや難しいと考えてください。現在においては、従業員の属性やニーズも多様化しており、家事や育児、介護、学業など、働ける時間の制約や、仕事以外の何かとの両立が必要なケースも少なくありません。求職者に選ばれるためには、「自分らしく働ける」「やりがいや働く喜びを感じる」ような働き方を提供していくことが必要と考えられます。この機に「人的投資」の大切さを改めて見つめ、中長期を見据えた採用・育成計画も同時に検討し、多様な人材一人ひとりが活躍できるような飲食業界へ変革していくことが今求められていることだと思います。』とまとめた。
 

(外食.Biz)
2022年12月02日更新

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