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第4回 飲食店の基本は、人に魅力を感じてもらうこと

いくら渋谷でもそう簡単にはお客さんを呼べませんでした。通りを歩いている人を捕まえるのは、なかなかできることじゃない。近所にいろいろと会社があって、そこから徐々にお客さんがつくようになりましたね。

インタビューオープン3ヶ月位は、1日に数人だけという状況もよくありました。 PR の仕事をしている友人がいて、その人がいろいろなところに告知してくれたのが助かりました。でも、雑誌に広告を打ったり、販促のチラシを作ったりはやらなかったですね。広告費にかける位だったら、人にお金を使いたいという考えです。

私自身がお客さんを呼ぶものではないし、ましてや雑誌で呼ぶものでもない。やはり、働く人が呼ばないといけないんです。自分が接客して自分のことを覚えてくれて、そのお客さんがまた知り合いを連れてくるということを一番大事にしたいですね。

そのうち、雑誌の取材が来たりするようになりました。広告を打つのはどうかと思いますが、雑誌に取り上げられるということは、何か求められているものがあるのだろうという気がして取材は受けるようにしています。雑誌に載ったのを見て、テレビの取材が来たこともありましたね。居酒屋の先輩達からは、「メディア王」なんてバカにされたりしますが(笑)。

お客さんが増えたのはいいんですが、20坪40席ちょっとの店なので、店の外に並んでいただいたり、2時間入れ替え制にしたりとご迷惑をお掛けしたように思います。でも、経験としては貴重でした。月300万円位の売上が最高900万円まで達したり、20坪でこれだけ売れるんだという目安になりました。それを経験させてもらえたことは、スタッフ全員の財産になって、それからの店づくりにも活かされています。

1店目のオープンから1年半後、2000年7月に同じ渋谷に「巖」を出店しました。元はテーラーだった築50年の物件で、白壁の洋館風の二階建て一軒家です。おばあさんがオーナーなんですが、取り壊すのは惜しく、なんとか活かしたいという意向があった。それで、格安の条件で借りられることになりました。

巖契約の時に家賃、保証金とも通常より半分くらいの金額。建物が今後何十年と持つように補強をする費用は、すべて負担するということで安くしていただいたんです。外装を見せるためにガラス張りにして竹を植えてと考えていたんですが、見積りが出てびっくり…。何を削るかという作業の開始ですよ。

中を解体するだけで150万円位かかりましたし、カウンターや冷蔵庫を削るわけにはいかない。結局、外観にはまるっきり手を付けられなかった。見せることができないんだったら隠そうと考えて、黒壁で被ってしまう形にしました。

入口も可能な限り小さくした。高さ50cmから80cm位にしたかったのですが、最低でも130~140cmないと人間は入れないと言われて、結局125cmになった。入るときはいいですが、お酒を飲んだ後は何十人に一人かは頭をぶつけて帰られる。それが「頭をぶつけた店」と記憶に残るんですよね。

あとは、どんな身分の方でも入るときは、お辞儀しなくちゃいけない。茶室と同じで、飲むときは皆さんを平等に扱い、最高のおもてなしをしますという意味合いです。最終的には、4000万円位掛かりましたが、1店目の売上を毎日入金していたことが実績になって、銀行から借り入れることができました。



吉﨑 英司

吉﨑 英司

1970年東京生まれ。
16才の時から家業であった居酒屋を手伝いはじめ、高校卒業と同時に社員となり、28才で独立起業したという居酒屋一筋の経歴を持つ。
起業後すぐに人気店を複数構え、海外進出の夢も実現しようとしている若手実力派。

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