「ワンダーテーブル編」目指すべき姿を可視化して、本物の強さを持った店をつくる~ワンダーテーブルの店舗・人材育成哲学を学ぶ~

目指すべき姿を可視化して、本物の強さを持った店をつくる ワンダーテーブルの店舗・人材育成哲学を学ぶ

食べ放題、和食、イタリアンなどさまざまな業態のオリジナルブランドに加え、「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」や「ユニオンスクエア」などの海外優良ブランドを誘致、多彩な展開を首都圏中心に繰り広げているのがワンダーテーブルだ。“ 感動と満足を体感できる飲食店 ” を多彩なブランドと業態で作り出している同社の独創的な戦略について、取締役・秋元巳智雄氏のインタビューを交えてお届けする。

第1回 海運業から飲食業へ、時代に合わせて改革・発展する会社

第1回 海運業から飲食業へ、時代に合わせて改革・発展する会社

株式会社ワンダーテーブル Webサイト

外食店舗の運営を主たる業務としているワンダーテーブルには2つのルーツがある。そのひとつが海運業であり、昭和 21年(1946年)に戦後の食料難に対処するため、三井船舶株式会社の水産部門として創業したのである。その後、海運業へ転進して、富士汽船株式会社という社名で東証二部上場を果たす。しかし、バブル崩壊後の90年代初頭は海運業の業績が芳しくなく、平成3年(1991年)にはヒューマックスグループが資本参入することになる。ヒューマックスは総合レジャー業のグループで、映画事業や不動産のほか、すでに飲食店を運営する会社も有していた。さまざまなエンターテイメントを扱うグループが大株主となり、上場企業の富士汽船の再生を図るという流れとなり、ふたつ目のルーツを有することになるのである。

モーモーパラダイス 店舗リスト≫ヒューマックスグループのヒューマックスハートは、その頃すでにすき焼き・しゃぶしゃぶ食べ放題の 「 モーモーパラダイス 」 など約 20店舗の飲食店を運営していた。新しく傘下に入った富士汽船は、その飲食のノウハウを活用して、新規飲食店の運営を担うことになったのである。それぞれ長い歴史を持つ2社がコンバインして、ワンダーテーブルの前身である新生・富士汽船が誕生したのである。

平成6年(1994年)に、飲食部門1号店 「 モーモーパラダイス 」 を東京都目黒区にオープンしたのを皮切りに、店舗展開を積極化していく。わずかながら海運業も続けていたが、売上の9割を飲食業が占めるようになり、飲食業が好きで入ってくる社員がほとんどであった。そのため、97年にはヒューマックスハートを買収して子会社化、さらに2000年には吸収合併して社名もワンダーテーブルに変更、飲食企業としての再生を図った。当時すでに40~50店舗を持っており、富士汽船は実質的には飲食店運営会社であったが、これによって本当の意味での飲食業の上場企業としてリスタートしたのである。

鍋ぞう飲食事業を始めてから 14年が経過、現在は約20ブランド70軒弱の店舗を運営している。飲食参入1号店である 「 モーモーパラダイス 」 と、その発展型である 「 鍋ぞう 」 というしゃぶしゃぶ・すき焼き食べ放題のパッケージがそのうちの半分を占める。その他には、イタリアンの 「 東京ベリーニカフェ 」 「 ヴェント 」 「 ニッシュ 」、和食の 「 六蔵 」 「 すみか 」 「 水の賦 」、バー業態の 「 ラヂオホール 」 「 月の兎 」 などのオリジナルブランドを展開。さらには、ニューヨークのカジュアルレストラン 「 ユニオンスクエアトウキョウ 」、ロサンゼルスで1938年に創業したプライムリブ専門店 「 ロウリーズ・ザ・プライブリブ 」、ブラジルの有名シュラスコ料理店 「 バルバッコア 」 など海外優良ブランドと提携した店舗展開も行っている。2007年11月には、フレッシュモッツァレラの専門店 「 モッツァレラバー オービカ 」、トリュフ料理専門店 「 テール・ド・トリュフ 」 を新たに誘致している。ちなみに、これら海外ブランド店を含む6ブランドで、クリスマスイベントとして以下の特別メニューが用意される予定だ。

ユニオンスクエアトウキョウ 」12月22日(月)~24日(水) 価格20,000円
ロウリーズ・ザ・プライブリブ東京 」22日(月)~24日(水) 価格13,000円
ロウリーズ・ザ・プライブリブ大阪 」23日(火)~25日(木) 価格10,000円
バルバッコア・クラシコ 丸の内店 」23日(火)~24日(水) 価格12,000円
ヴェント高輪店 」22日(月)~25日(木) 価格8,000円
ヴェント横浜ランドマークプラザ店 」19日(金)~25日(木) 価格10,000円
オービカ 」価格 8,000円予定
テール・ド・トリュフ 」価格 30,000円予定

クリスマスイベント

ヒューマックスハートが運営していた飲食店は、ワンダーテーブルがすべて改装もしくは閉店しているため、 14年間でこれら全店舗を新規オープンまたはリニューアルオープンさせたことになる。バブル崩壊後から現在まで激動ともいえる時代の中で着実に成長を続けているのである。



株式会社ワンダーテーブル

株式会社ワンダーテーブル

http://www.wondertable.com/

代表取締役社長:林 祥隆氏
本社:東京都新宿区富久町13-19

昭和21年(1946年)三井船舶株式会社の水産部門として発足、後に海運業へ転進
昭和24年(1949年)東京証券取引所市場第二部に上場
昭和28年(1953年)富士汽船株式会社に社名変更・平成 3年(1991年) ヒューマックスグループの系列会社となり、定款を変更して飲食等新規事業を開始
平成6年(1994年)飲食部門1号店 「 モーモーパラダイス 」 を東京都目黒区にオープン
平成12年(2000年)ワンダーテーブルに社名変更、海運事業より撤退

※首都圏・地方都市を中心に、20ブランド60店舗以上の飲食店を展開する

株式会社ワンダーテーブル

取材協力:株式会社ワンダーテーブル 取締役/Executive Managing Director 秋元巳智雄氏

文:貝田知明  写真(人物):トヨサキジュン
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