「 トニーローマ 」 「 ハードロックカフェ 」 「 パパ・ガンプ・シュリンプ 」などの世界的なブランドと共に 「 カプリチョーザ 」 をナショナルブランドに育て上げることにより国内外に200店近くのレストランを展開する WDI 。同社の強みであるマルチブランド、海外展開力などを中心に、今後の展開について同社代表取締役 清水謙氏に話を伺った。
WDIは、カジュアルダイニング・アメリカンダイニング・ファインダイニング・オリエンタルダイニングの4つの事業部において、21のブランドを展開している。ここで主なブランドを紹介させて頂く。
1985年に展開権を取得し、多店舗展開を開始。現在、直営・FCを合わせて国内に121店、海外に18店を展開中。店舗数・売り上げともに同社№1の、柱となるブランドに成長した。南イタリア地方のトラットリアをコンセプトに、気取らずわいわい楽しんで食べて頂くスタイルを提供し、イタメシブームの火付け役となった。今年の9月には、四川省・成都に中国本土初出店を果たした。
40年前にアメリカ・フロリダに誕生した人気店で、1979年にライセンスを取得。1980年には、同社海外1号店としてハワイに出店。現在、国内外で15店舗展開。
明るく楽しくカジュアルな雰囲気の中で、アメリカで最もポピュラーな料理の一つであるバーベキュー・リブを気取らず手づかみで食べるおいしさが話題となる。スタッフのフレンドリーなアメリカン・サービスもその人気を支えている。
1971年、2人のアメリカ人青年がロンドンでオープンしたレストランの常識を破る話題店。1986年に展開権を取得。現在、国内に6店舗を展開する。
大音響のロックをバックにボリューム満点なアメリカの家庭料理を楽しむアメリカンレストラン。メニューと音楽に加えフレンドリーなサービスとエキサイティングなインテリアが世界中で話題となる。店内に併設のショップでのみ販売されるオリジナルグッズも人気。
アカデミー賞受賞映画 「 フォレスト・ガンプ 」 をテーマに、1996年にカリフォルニア・モントレーにオープン。カジュアルでユニークな雰囲気とフレンドリーなサービス、リーズナブルで高品質のシーフードが映画の魅力と結びつき大人気店となる。 2000年にFC権取得後、国内外に4店の直営店を持つ。
1974年にハワイで誕生した世界中の旅行者に人気のカジュアルレストラン。
人気のブレックファーストメニューを中心にハワイならではのフードやドリンクが楽しめる。国内2店舗の直営店をもつ。同社の新しい海外ブランド。
熱々の石盤にのせたハンバーグを目の前でスタッフがナイフを入れて焼き上げるスタイル、落ち着いて食事を楽しめるように木のぬくもりを活かした店内が人気を博し、幅広い客層を集める。現在、直営・FC合わせて国内に6店舗展開の同社オリジナルの業態。
新東名高速道路SA 「 ネオパーサ浜松(上り線)」 のフードコートに、「 はまきた食堂 」(自家製つけうどんと丼)、「 焼きスパ&カレー バルボア 」(焼きスパゲテイとカレー専門店)、「 中華の鉄人 」(陳建一氏監修の麻婆豆腐と担担麺の専門店)の3ブランドを出店。同社の新しい柱となりうる新規事業。
各事業への取り組みについて社長の清水謙氏にお伺いした。
- 「 カプリチョーザ 」 の中国出店において上海や北京ではなく、内陸の成都にした理由は?
アメリカの開拓の歴史を紐解いたとき、東から西へと開拓が進んでいった歴史があります。同様にして、中国も今後、東の湾岸から西の内陸へと開発が進んでいくと思われます。事実、湾岸側に目を向けてみると、中国も飽和状態となりつつあります。我々は、少し先取りかもしれませんが、内陸から進出を始めることは非常に意味のあることではないかと考えて成都に1号店を出店することにしました。
- ブランドを多く持つ意味、店舗数の少ない業態についてのお考えは?
もちろん、店舗数も売り上げも一番大きな 「 カプリチョーザ 」 が当社の柱であるのは間違いありません。では、店舗数の少ない業態の意味合いはというと、マルチブランドこそが当社のトータルの魅力であり、多くのブランドを持っていることが当社の誇りでもあるのです。売上の少ない事業をおざなりにしているということは決してありません。今、店舗数の少ない業態が、10年後には当社の柱となる可能性もあるのです。だからこそ、ブランドポートフォリオは大事にしていきたいと思っています。ブランドを多く持っている方が外的要因に打たれ強いという側面もあります。例えば、お肉の業態だけですとBSE問題といった外的要因につまずくことも考えられますので。
- 新規事業であるSA事業やフードコート事業へのお考え方は?
フードコート事業に関しては、買い物という日常の流れの中で単に空腹を満たすためだけに来店される方をターゲットにする形での出店は控えたいと考えています。私どもは、本物志向を貫いた個性のあるホスピタリティをご提供できるようなフードコートへの出店を目指したいと思います。
また、SA事業に関しては、旅行などレジャー中でもお食事の時間を大切にされているお客様が、移動の途中であっても、食文化満載のSAで食べよう、事前に調べてでも行ってみよう、そう思っていただけるようなお店を今後もやって行きたいと考えています。その様な考えでSA事業への取り組みを始めました。今後は同様の考えで、エキナカや空港への出店もありうると思っています。
日常の中でお腹を満たすためだけの立地への出店は、社員にとっても負担を強いることになりかねません。機械作業に追われて参ってしまう。定着率にも響くでしょう。スタッフのためにも場所や業態にはこだわっていきたいと考えています。
株式会社WDI
代表者:代表取締役 清水謙氏
設立:1954年4月
所在地:東京都港区六本木5-5-1 ロアビル8・9階
事業内容:レストラン経営及び運営委託、ブライダル企画・運営
代表取締役 清水謙氏プロフィール
1968年 東京出身
1992年 慶応大学法学部卒業、さくら銀行(現・三井住友銀行)入行
1998年 WDI入社
2003年 代表取締役社長に就任