楽しくなければ、起業も繁盛もない!なりたい自分の姿を常に描いて生きよう!!

起業のためのネット講義 楽しくなければ、起業も繁盛もない!なりたい自分の姿を常に描いて生きよう!!(株)杉山春樹事務所 代表取締役/杉山春樹

串特急」の多店舗展開、「りきしゃまん」の買収などで約150店舗もの飲食店を育て上げたカリスマ経営者・杉山春樹氏。「ジャズを聴きバーボン片手に焼鳥を」という名フレーズやさまざまなアイデアで繁盛店を作り出した、その独創性は、一体どこから生まれてきたのでしょうか。25年の外食経験で得たノウハウを伝えるコンサルタント業、さらにはペット事業などの新規事業にも意欲的に取り組んでいる杉山氏の考えに学んでみましょう。

第6回 自分の得意分野で、他人に必要とされながら成長するのが自然体

第六回 自分の得意分野で、他人に必要とされながら成長するのが自然体

(株)杉山春樹事務所 代表取締役 杉山春樹串特急では、毎週週末にバイトとお客さんが一緒に二次会に行くようになっていました。毎週続けるうちに、あるお客さんが 「 店長のところで二次会の店を作ってよ 」 と言うんです。それもそうだと思って、串特急から徒歩 15秒のところに12坪の 「 ザ・ナインティーズ バレンタイン 」 というバーをつくりました。私は、12時まで焼鳥を焼き、それからは蝶ネクタイを締める。バレンタインに来たお客さんが焼き鳥をくれといっても配達できました。これもいつの間にか超繁盛店になりました。それからすぐに串特急の2号店目を伊豆長岡に出店しました。ここは1年前まで喫茶店で、オーナーが何か支援してくれと言ってきたので無料でアドバイスをしました。しかし、それでも上手くいかないので、是非買い取ってほしいとお願いされた物件です。その1ヶ月後には、4店目としてスパゲあティー屋を出しましたが、わずか1ヶ月で占めました。私が伊豆長岡に行きっぱなしだったために、新しく雇った店長に売り上げを持ち逃げされてしまったのです。

自分の得意分野で、他人に必要とされながら成長するのが自然体以前から言われてきたことですが、一人では 3店を見るのが限度なんだと改めて感じました。いろいろと経験してきましたが、1社3店舗経営がベストだと思います。3店舗を経営するのが一番面白いし、仕入れも仕組みづくりでもいろいろなことができます。売上が悪ければ小さくもできるし、逆に拡大して4~5店舗以降の組織づくりもできる。私も次の出店段階から組織づくりを本格化して、多店舗展開を進めました。90年代には、12店舗を作っていて全て独立させています。自分が苦労して脱サラしたもので、社長を作ってみたかったのです。300万円程度で買った物件を100万~200万円かけて改装し、元の300万円の返済が終わると店長にあげるというものです。それから、94年にはバリ島にも出店しています。バリと日本の合弁企業で営業していたのですが、その会社に日本人がいなくなって、うまくいかなくなった日本食レストランを活性化してくれという依頼に応じたものです。

あの頃は、馬鹿なことをさんざんやってきました。一週間に2店出店した経験から1年間で何店出せるか挑戦したり、同日に 2店オープンさせて年間700店舗を出そうと意気込んだりしていました。フィリピンパブ、コンパニオン派遣業、ラーメン屋・うどん屋・カレー屋にハヤシライス屋、さらには釜飯の宅配にも手を出しました。こういうのが欲しいと言われれば、何でもやってしまう性格なんですね。

(株)杉山春樹事務所 代表取締役 杉山春樹年商11億3000万円になったときに、『 りきしゃまん 』 を買収することになりました。それからは拡大一辺倒で、年商も16億円、32億円と伸び続けました。でも、そこで、はたしてこのまま行けるのだろうかと悩みが生じました。20年足らずの間に140軒近くを手がけてきたのは、明らかに拡大のしすぎです。ハワイやニューヨークなど海外出店の話もいくつもあったので、まさに世界中を飛び回る生活をしていました。子供の病気のためにと素直な気持ちでやったのが、いつのまにか事業欲に目覚めてしまって、周囲を顧みない事業ばかりをやっていたように思います。そのツケが来たのかもしれませんが、会社を上場させようという時に、これ以上は 「 もう無理だ 」 と思って社長を降りたのです。90年代に自分で作って店長に渡した12店舗が代表的な例かもしれませんが、周りの皆さんに求められてやってきたことが、自分の成功につながったのではないかと思っています。求められて作った店を感謝しながら育てるという自然体が一番大切なことなのかもしれません。

自分の得意分野で、他人に必要とされながら成長するのが自然体現在は、去年から4社を立ち上げ、「 飲食店の直営 」、「 起業家支援業 」、「 ペットビジネス 」、「 海外に向けた日本食レストラン運営ノウハウの提供 」 を行っています。ペットビジネスは異色かもしれませんが、私は、21世紀は 『 心の時代 』 になると以前から考えてきました。そういう意味では、飲食店も犬を使ったドッグセラピーも同列だと思っています。1万頭のセラピー犬を育てて、全国の老人ホームなどに提供する拠点を作りたいと考えています。

ただ、焼鳥屋の直営は続けて行きますし、海外への出店も検討しています。実際にイギリスに出店するという具体的な話もあります。私の得意な分野は、飲食店運営と人づくりのノウハウであり、世界各国を回ってきた経験であるわけです。他の人たちができることはその人に任せて、私は自分の得意な分野で事業を行う。だから、いつまでも焼鳥のオヤジであり続けたいと思います。



杉山 春樹

杉山 春樹

1954年愛媛県生まれ。3歳から伊豆・湯ヶ島で育つ。東京電力学園に入学後、東京電力入社。一国一城の主を目指して脱サラ。京料理店の支配人として修行し、1987年に焼鳥屋「串特急」の1号店を開業。「ジャズを聴きバーボン片手に焼き鳥を」のフレーズで女性客の人気を博す。ダイエー子会社の「りきしゃまん」を買収して東京にも進出、合計で150店に近い数の飲食店を作り上げる。外食業への従事25周年を期に代表を辞任、独立を支援するコンサルタント業のほか、ペット事業・インターネット事業などの新しい挑戦を常に続けている。

株式会社杉山春樹事務所 代表取締役社長
株式会社ドリーム 代表取締役社長
株式会社リラクコーポレーション 代表取締役会長
グローバルバンク株式会社 オーナー

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