「 トニーローマ 」 「 ハードロックカフェ 」 「 パパ・ガンプ・シュリンプ 」などの世界的なブランドと共に 「 カプリチョーザ 」 をナショナルブランドに育て上げることにより国内外に200店近くのレストランを展開する WDI 。同社の強みであるマルチブランド、海外展開力などを中心に、今後の展開について同社代表取締役 清水謙氏に話を伺った。
当社は、単にレストランの運営・展開をする企業ではありません。つまり、時間が来たら店を開けて、用意が出来たらお客様をお迎えして、オーダーを受けて料理を出す、時間が来たら片づけをして店を閉める…我々がやっているのはこういう単純なことではないのです。
我々は、お客様に 「 食文化 」 というものの喜びや楽しさをご提供する企業でありたいと考えています。「 ダイニング・カルチャー 」 とは 「 食文化 」 であり、WDIは“食文化”事業を日本だけではなく世界を舞台に行っていると自負しています。そして、我々がご提供する舞台の上で、お客様同士の出会いやお客様と我々の出会い生まれる、そんな地域社会に貢献できるような舞台を作ることが当社の理念に込めた使命であると考えています。
そして、その使命を具現化するための行動指針・ガイドラインとしてうたったものがミッションステートメンツです。
<ダイニング・カルチャー> 私たちWDIは、食文化事業を通じて、人と人をつなぎます。
<ホスピタリティ> 私たちWDIは、ホスピタリティを徹底し、楽しみます。
<本物志向> 私たちWDIは、”個性“を大切にし、”本物“を志向します。
<チャレンジ・スピリッツ> 私たちWDIは、常に”変革“に挑戦し、前進します。
<グローバル> 私たちWDIは、世界を舞台とします。
この5つのキーワードが、我々が最も大切にしたいポイントなのです。
10数年前までの当社はトップダウン型の会社でした。社長が 「 こっちに行くぞ 」 と言えば、余計なことを考えずにこっちに行く、といったような。でもそれだけではいけない。社員一人一人がちゃんと考えて工夫が出来る組織に変えなくてはいけない。そのためには、ボトムアップの流れもきちんと作っていこうと、私を中心に当時の若手幹部が一緒になって、当社の理念を整理しようということになりました。そこで、「 WDIの強み・弱みとは何か 」 「 WDIの志とは何か 」 などをOBなどにインタビューしたり、当時の会長や社長の語録を集約したり。そうして出来上がったのが現在の企業理念であり、ミッションステートメンツなのです。
社員たちが仕事をする中で、当然、迷ったり、困ったりする場面に直面することもあります。そんな時にこれらが指針・ガイドラインとなって彼らを導くものであって欲しいと思っています。もちろん、これが満額回答になっているとは思いません。もし、満額回答になっていたとしたら、それはマニュアルになってしまいます。私は、マニュアルは必要最小限に抑えたいと思っています。なぜなら、マニュアルを超えたホスピタリティこそが本物の感動を生むと考えているからなのです。
株式会社WDI
代表者:代表取締役 清水謙氏
設立:1954年4月
所在地:東京都港区六本木5-5-1 ロアビル8・9階
事業内容:レストラン経営及び運営委託、ブライダル企画・運営
代表取締役 清水謙氏プロフィール
1968年 東京出身
1992年 慶応大学法学部卒業、さくら銀行(現・三井住友銀行)入行
1998年 WDI入社
2003年 代表取締役社長に就任