“Mr.” や “Mrs.” は尊敬の念が込められた単語である。「 ミスタードーナツ 」 の “ミスター” にも 「 ドーナツをつくる人を尊敬する 」という意味が込められている。創業者ハリー・ウィノカー氏の人を大切にする心とダスキン創業者の鈴木清一氏の人を大切にする心がふれあい、日本にミスタードーナツが誕生した。外食産業創生期の1971年に誕生し、今なお成長を続けるミスタードーナツの歴史を紐解く。
ミスタードーナツの店舗運営で近年もう一つの取り組みがなされている。それは、チームで問題解決を行う風土の醸成である。これは、日々店舗運営で起こる様々な問題、課題をひとりで抱え込むのではなく、社員、アルバイトを問わずにチームとして解決策を考えていくということである。
【 広報担当 】 店舗では日々何かしらの問題や課題が起こります。例えば 「 うちの店はコーヒーが売れていないよね 」 「 なんかうちのポン・デ・リングの形が悪いよね 」 などいろいろな課題があります。それを皆で話し合って一つひとつクリアしていく風土をつくっています。これも自ら考えて自ら行動する、まさにクレドに繋がるところです。問題や課題以外にも 「 この商品をこの地域で売上No.1にしよう 」 ということであれば、自分たちでセールストークを考えたりする。「 活気のあるお店にしよう 」 ということであれば、ご来店時に最初に誰かが 「 いらっしゃいませ 」 と言ったら、全員で 「 いらっしゃいませ 」 と言おうなどと、皆で考えて実践する。このように店舗スタッフ全員で改善に取組む 「 チームミーティング 」 を行っています。大会を開催して優秀なチームを選出しています。そしてNo.1のチームには表彰を行っています。
近年までは、日本のドーナツ業界はミスタードーナツがひとり旅を続けてきた感がある。そのようななかで米国から大手ブランドが参入するなどミスタードーナツを取巻く環境は変化してきている。
【 広報担当 】 ドーナツが日本のお菓子として認知され、定着してきた証拠だと思います。競合ができることによって市場自体も活性化しますし、消費者の方の目も向けられますので、とても良い状況じゃないかなと捉えています。そういう意味でも脅威という考えは全くありません。おごっているわけではありませんが、ミスタードーナツは41年間日本人の舌に合わせたドーナツをつくって参りました。
逆にコンビニスイーツやケーキ屋さんのパティシエのケーキなどがドーナツのライバルになります。そうなると市場対市場の戦いとなってきますのでドーナツを代表するミスタードーナツとしては、競合の皆さんと一緒になってがんばって行きたいですね。
株式会社ダスキン
大阪府吹田市
現 代表取締役社長 山村輝治氏
ミスタードーナツ
1970年 ダスキンと米国ミスタードーナツが事業提携契約調印
1971年 1号店箕面ショップオープン
1974年 100号店八代ショップオープン
1987年 500号店小野原ショップオープン
1997年 1000号店大阪ドームシティショップオープン
2001年 1500号店枚方長尾ショップオープン
2010年 創業40周年
取材協力:株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部 広報室 室長 喜多晃氏