「ミスタードーナツ編」「喜びのタネまき」でお客様に喜ばれたい -フランチャイズビジネスを極め1300店の飲食店経営

外食企業物語 ミスタードーナツ編 「喜びのタネまき」でお客様に喜ばれたい フランチャイズビジネスを極め1300店の飲食店経営

“Mr.” や “Mrs.” は尊敬の念が込められた単語である。「 ミスタードーナツ 」 の “ミスター” にも 「 ドーナツをつくる人を尊敬する 」という意味が込められている。創業者ハリー・ウィノカー氏の人を大切にする心とダスキン創業者の鈴木清一氏の人を大切にする心がふれあい、日本にミスタードーナツが誕生した。外食産業創生期の1971年に誕生し、今なお成長を続けるミスタードーナツの歴史を紐解く。

第4回 教育のミスタードーナツ

第4回 教育のミスタードーナツ

現 ミスタードーナツカレッジ1971年4月にミスタードーナツ箕面ショップが国内第1号店としてオープンした。その半年後の10月にミスタードーナツトレーニングセンターができた。まだ2号店がなかった時にである。創業者の鈴木清一氏はミスタードーナツの事業を始める時から人材の育成が非常に重要であることを認識していたからである。

ミスタードーナツ ジャパントレーニングセンター【 広報担当 】 本来であれば、店をつくって、お店で教育して、ある程度の規模になってからトレーニングセンター(研修施設)の設立だと思うのですが、創業者は最初からフランチャイズでの店舗展開を考えていました。そのためには最初に人を育てるのが重要であると考えたのです。 事業の先が見えていない段階で、トレーニングセンターをつくったところにも、「 損と得とあらば損の道をゆくこと 」 とういう創業者の強い思いが出ているのではないでしょうか。

ミスタードーナツが特に重要視している店舗スタッフ教育は以下の3点である。

①ミスタードーナツの経営理念を継承する人材育成 ②ミスタードーナツ基準(Q.S.C.)の徹底 ③ショップスタッフの教育(アルバイトスタッフ教育)

この教育を実践するためにミスタードーナツカレッジの寄与するところは大きい。

外食企業物語 ミスタードーナツ編 「喜びのタネまき」でお客様に喜ばれたい -フランチャイズビジネスを極め1300店の飲食店経営【 広報担当 】 ミスタードーナツカレッジの教育は、職位別などいくつかに分かれています。そのなかでも基本となるのがアカデミーコースと呼ばれるものです。昨年までは26日間泊り込みでの研修でしたが、現在は店舗でエリアマネジャーによる教育を受けていただき、その合格者がこちらに来て、やはり2週間の泊り込み研修を受けていただきます。教育内容は、経営理念の理解、接客・製造技術、トレーニングスキル、コミュニケーションスキル、計数管理、チームマネジメント等 と多岐に渡ります。チーム単位での集合教育で、朝から晩まで勉強して、翌朝テストを受けます。不合格者が出ると居残りの補習、追試となります。ですから皆さん本当に必死ですね。全国各地から大阪に集まってきますが、夜も休日も宿泊先のホテルで勉強づけだったという話はよく聞きます(笑)。

ミスタードーナツカレッジミスタードーナツカレッジには、実際の店舗と同じ3タイプのショーケースやキッチンがあります。そこで品質管理やオペレーション教育、サービス教育、ドーナツづくりの教育等を受けることができます。

難しいのがドーナツづくりですね。室温に合わせて粉と水の温度まで計測しないとできあがった時に品質にばらつきが出るため、微調整をしなければならないことが多いのです。1店1店手づくりにこだわっていますが、本当に大変だということを実感しました。

話がずれてしまいましたが、このように厳しい教育を受けてはじめて卒業できるのです。卒業後には各店に戻って、今度はお店のスタッフの方々に教育し続けることで、ミスタードーナツの考えを継承していただくのです。



株式会社ダスキン
株式会社ダスキン
株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部 広報室 室長 喜多晃氏

株式会社ダスキン

http://www.duskin.co.jp/

大阪府吹田市
現 代表取締役社長 山村輝治氏

ミスタードーナツ
1970年 ダスキンと米国ミスタードーナツが事業提携契約調印
1971年 1号店箕面ショップオープン
1974年 100号店八代ショップオープン
1987年 500号店小野原ショップオープン
1997年 1000号店大阪ドームシティショップオープン
2001年 1500号店枚方長尾ショップオープン
2010年 創業40周年

取材協力:株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部 広報室 室長 喜多晃氏

文: 齋藤栄紀
ページのトップへ戻る