「ストロベリーコーンズ編」一期一会の精神で幸運を運ぶ ~ストロベリーコーンズの“不変”の哲学を知る~

一期一会の精神で幸運を運ぶ ストロベリーコーンズの不変の哲学を知る

昭和61年(1986年)11月、宮城県仙台市に1軒のピザ宅配の店舗が開店した。「ストロベリーコーンズ荒町通店」である。日本初の宅配ピザであるドミノピザが開店したのはその前年である。つまり、ストロベリーコーンズは日本における宅配ピザの草分けなのである。

ストロベリーコーンズの発展には、創業社長である宮下雅光氏の強力なリーダーシップとアイデア力を抜きには語れない。今回は、宮下社長の談話を交えて、同社の発展の歴史を紐解いていきたい。

第7回 ストロベリーコーンズ・宮下雅光社長の夢と目標

番外編 ストロベリーコーンズ・宮下雅光社長の夢と目標

外食企業物語のストロベリーコーンズ編は前回で終了させていただいたが、元々お約束していたインタビュー時間が過ぎても、宮下社長の興味深い話は尽きなかった。

そこで今回は、その中でお伺いした宮下社長のこれからのライフワークとなる夢に関して、番外編として特別にお届けしたいと思う。

- 真のエンジェルになりたいと思っています ~ 日本人は投資下手 ~

一期一会の精神で幸運を運ぶ ストロベリーコーンズの不変の哲学を知る【宮下社長】 “ エンジェル ” という言葉を知っていますか?天使という意味の他に 起業家に資金を提供する個人投資家という意味があるんです。でも本来は単なる投資家では無くて、起業家と夢を共有して、その事業を立上げ、成功に導く。つまり経営のプロとしての役割ですね。私はこの様な真のエンジェルになりたいと思っています。

このことに気付いたのが、ある方との出逢いからなんです。この方は、見かけは町工場の親爺なんですよ(笑)。だけどね、とんでもない技術を持っているんです。しかもとても魅力的な人なんですね、本当に惚れちゃいましたね(笑)。この人の技術を製品化して世の中に出したい。そう思ったんですよ。

高度経済成長期の日本人は、欧米のまねばかりして創造性の無い国民だと言われていましたけど、実は非常に創造性のある国民なんですよ。ただ、技術はあってもそれを世の中に出していく能力には欠けている。もっとはっきり言うと、投資能力が欠けているんですよね。

一期一会の精神で幸運を運ぶ ストロベリーコーンズの不変の哲学を知る例えば、名古屋大学で ” 窓 ” というものを作ったんですよ。ご想像の通り今で言う windows ですよ。windws の原型を作ったのは日本人ですよ。だけど、ビル・ゲイツがそれを見て 「 これだ! 」 と言うことで出資を募って作ったのが windows なんですよ。本来なら windows は Made in Japan なんですよ(笑)。ただ投資をしなかった。結局日本側の会社は CAD の会社になりましたけどね。マイクロソフトと比べるとちょっと寂しいよね。

それから、光ファイバー。これも実は東北大学で考え出されたものなんですよ。“ 光通信発祥の地 ” というのは仙台の東北大キャンパスにあるんですよ(笑)。これにも投資をしなかった。で結局特許はアメリカの会社に持っていかれてしまった。今の世の中、これだけインターネットが普及したのは光ファイバーがあるからですよ。

- “ 町工場の親爺さん ” が持っている技術 ~ 日本人は、実は創造性がある国民 ~

【宮下社長】 で、この親爺さん (笑)とどこで知り合ったかというと、フードサーバーなんですね。これが優れものなんですよ。味は落ちないし、分量も正確だし、衛生面も優れている。だけどもっと優れものがこの親爺さん(笑)。フードサーバーだけだと思っていたら色んな特許を持っていたんですよ。

例えば、廃油を燃料に変える技術。17年前くらいだったかな、天ぷら油の廃油を燃料に変えて車を動かしたんですよ。廃油から老廃物を取って気化をさせてガソリンの代わりに車を動かす。だけど関係業界や関係省庁が許してくれなかったんですね、ただで動いちゃうから(笑)。

一期一会の精神で幸運を運ぶ ストロベリーコーンズの不変の哲学を知るそれから、私の夢の実現に関係してくるんですが、海水を真水に変える技術。これはね、中東の国って井戸を掘れば石油は出てくるけど、水は出てこないじゃないですか(笑)。砂漠の国だから水は枯渇しているんですね。海に面していても海水はあるけれども淡水は無いような国々が多いんですよ。で、中東のある国にこの親爺さんが、海水を淡水化して飲み水にするというプラントを作ったんですよ。面白い特許を持っている人でしょ。

- “ 生存 ” こそ次に手がけるべき仕事 ~ 宮下社長のライフワーク ~

【宮下社長】 じゃあ、自分のこれからの夢、ライフワークは何と言うと。今まで “ 食 ” を扱ってきたじゃないですか。フードビジネスというのは、一番大切なことは ” 幸せになれる ” ” 楽しめる ” 要は “ ENJOY ” というキーワードだと思うんですね。そこから次に着目したのが、” 生きる ” “ 生存 ” つまり “ Live ” というキーワードなんです。生きるためには何が必要かというと水と塩なんです。

一期一会の精神で幸運を運ぶ ストロベリーコーンズの不変の哲学を知るお陰様で私は31年間フードビジネスをやらせていただきました。フードビジネスというものは人の口に入るものを扱っています。その前にやっていたコンピューターは口の中には入らない(笑)。私は今年で58歳になりますから、事業家人生はあと5年、最大でも7年くらいと思っています(笑)。最初は嫌いだった(笑)フードビジネスだったけれど、今振り返ると本当に楽しかったですよ、幸せだったですね。だから人の口に入る物をこれからもやって行きたいと考えています。

- 美味しい水、環境に優しい水 ~ 宮下社長の夢 ~

一期一会の精神で幸運を運ぶ ストロベリーコーンズの不変の哲学を知る【宮下社長】 それで、この海水を真水に変えるという技術なんですけど、一般的には海水を蒸発させて、それを冷やして真水にするという蒸留水型を使うんですけど、これは、RO膜という繊維に高圧をかけて真水にするという技術を使っています。何が凄いかというと1/10億のバクテリアが全部取れてしまうんですね。和歌山のカレー事件で有名になった砒素まで取れてしまうんですよ。つまり本当に安全な飲み水にすることができるのですよ。この機械をトラックに載せて、更に動力源として強力な蓄電力のあるソーラーを使うんですよ。そうする事によって環境にも優れた移動型の真水精製機ができるのです。でも、フードビジネスをやってきた私にはこれだけでは不十分なのです(笑)。やっぱり美味しい水を飲んでいただきたいじゃないですか。だからできた真水に備長炭を入れたり、チタンの触媒を入れたり、ミネラルが豊富な麦飯石を入れたり、カルシウム溶液を入れたりしてうまみを出して、ビン詰めにして美味しい水を飲んでいただくことをやって行きたい。

更に、これは移動式ですから海外にも持っていけるんですね。砂漠などの不毛の地に持っていって、ミネラルの代わりに栄養剤を入れて地面に撒く。つまり畑を作るんですよ。そこで食材となる農作物を作るそうすると食糧の確保とCO2の削減と一石二鳥ですよね(笑)。

本当に面白い人に出会っちゃったなという感じです。でも自分は元々物作り屋じゃなくて、アントレプレナーシップを持ったビジネスモデル屋だと思っていますから(笑)。やっぱり才能のある人のプロデュースをやってビジネスモデルを作ってあげたいと思っちゃうんですよね。でもこれがなかなか儲からないんですよね(ワッハッハ)。



株式会社いちごホールディングス

http://www.ichigo-net.co.jp/

昭和58年(1983年)日本シンク株式会社として設立
昭和61年(1986年)株式会社ストロベリーコーンズに商号変更
平成15年(2003年)株式会社いちごホールディングスに商号変更

本社:宮城県仙台市青葉区本町2丁目2番3号
事業内容:グループ会社の調達・物流業務及び持株会社としてグループ経営戦略の策定・管理

株式会社ストロベリーコーンズ

株式会社ストロベリーコーンズ

http://www.strawberrycones.com/

設立:平成15年(2003年)
本社:東京都港区浜松町2丁目7番16号 第3小森谷ビル6階
事業内容:フランチャイズチェーン本部事業 /ピザ等宅配事業/レストラン事業

宮下雅光氏

同社代表取締役社長 宮下雅光氏

1950年8月19日生まれ
北海道出身、 日本電子工学院 (現・日本工学院専門学校)卒業

社団法人日本フードサービス協会 副会長 兼 情報システム委員会 委員長
社団法人日本フランチャイズチェーン協会 常任理事
全日本デリバリー業安全運転協議会 副理事長

文:齋藤栄紀
ページのトップへ戻る