「ダイナック編」食の楽しさをダイナミックにクリエイトする ~創業50周年を迎えるダイナック、その多業態戦略の歴史を探る~

外食企業物語 ダイナック編 食の楽しさをダイナミックにクリエイトする 創業50周年を迎えるダイナック、その多業態戦略の歴史を探る

東京タワーの完成、日清食品が世界初のインスタントラーメンを発売、そして野球界では巨人軍の長島茂雄が華々しくデビューした年である昭和33年(1958年)、「飲み、食べ、会話を楽しみ、憩う場所」の提供を通じて、より豊かな生活の実現に貢献したいという願いのもとに、大手酒造会社であるサントリー株式会社の関係会社として株式会社新宿東京会館(現株式会社ダイナック)は誕生した。

以来、日本で初めての「飲」と「食」を融合した「パブレストラン」業態の開発など、その優れた業態開発力を活かし、数々の業態を世に生み出してきた。
そして、来年、平成20年(2008年)3月11日には、人間に例えれば人生の節目の年となる、創業50周年を迎えることになる。

今回は、多業態外食企業の雄として確固たる地位を築いたダイナックに焦点をあわせて行きたいと思う。

第1回 多業態外食企業”ダイナック”その強さの源は?

第1回:多業態外食企業”ダイナック”その強さの源

日本初の本格ウィスキーを製造・販売をしたサントリー株式会社。今や(2006年12月末時点)、連結売上高1兆4,139億円、グループ会社177社を抱える日本を代表する企業である。サントリーは、「 食品カンパニー 」 「 酒類カンパニー 」 そして 「 外食・開発カンパニー 」 の3カンパニー制をとっている。株式会社ダイナックは、外食・開発カンパニーの中核を担う企業である。ちなみに外食関連に企業には、 株式会社プロントコーポレーション ファーストキッチン株式会社 日本サブウェイ株式会社 という日本を代表する外食企業の名前がみえる。

外食企業物語 ?ダイナック編? 食の楽しさをダイナミックにクリエイトする~創業50周年を迎えるダイナック、その多業態戦略の歴史を探る~昭和 33年(1958年)3月11日、株式会社新宿東京会館は、サントリーの関係会社として設立された。そして、昭和63年(1988年)9月に株式会社サントリーレストランシステムの吸収合併を機に、商号を株式会社ダイナックに変更し、現在に至っている。

設立当初より、『 「 飲み、食べ、会話を楽しみ、憩う場所 」 の提供を通じて、より豊かな生活の実現に貢献したい 』 という企業理念のもと多業態展開の志向という企業戦略であらゆる顧客の飲食ニーズに応える多様な飲食店舗の提供を目指し、多彩な飲食業態を生み出している。

特筆すべき業態は、「 パブレストラン 」 であろう。パブと呼ばれる洋酒を中心に 「 飲む 」 ことを目的にした店はあったが、外食企業物語 ?ダイナック編? 食の楽しさをダイナミックにクリエイトする~創業50周年を迎えるダイナック、その多業態戦略の歴史を探る~どちらかと言うと 「 食べる 」 ものは乾きものなど簡素なものであった。一方レストランは、「 食べる 」 ことが中心で、酒類は豊富とはいえなかった。ダイナックは、多種多様な洋酒を楽しみながらも、本格的な美味しい料理を提供する店舗をつくりあげた。これが、今では当たり前のように街中にある 「 パブレストラン 」 と呼ばれる業態である。

この様な強い業態開発力は、どこから来るのであろう。それは、企業理念から来るものである。と言うのは簡単であるが、一朝一夕に強い武器となるはずも無い。

外食企業物語 ?ダイナック編? 食の楽しさをダイナミックにクリエイトする~創業50周年を迎えるダイナック、その多業態戦略の歴史を探る~「 業態開発の基本は、現場スタッフの日々の業務を通じたマーケティング活動にあります。お客様が求めているものを見極め、それを新業態に活かしていく地道な活動が人気業態の開発につながっているのです。 」 と元代表取締役社長 高原洋氏は語る。

では、実際の業態開発の現場はどうか。ダイナックでは、店舗の開発は、営業統括本部が中心となって行う。営業統括本部の姿勢も 「 ダイナックの店舗開発は、常にお客様の声をお聞きすることから始まります。現場スタッフの日常的マーケティング活動が業態開発の源といえるでしょう。 」 と顧客ニーズの収集が必要と考えている。

外食企業物語 ?ダイナック編? 食の楽しさをダイナミックにクリエイトする~創業50周年を迎えるダイナック、その多業態戦略の歴史を探る~そして顧客ニーズの分析を行ったうえで、「 社会の大きなトレンドを把握したうえで、店舗コンセプトを立案していきます。設定されたコンセプトに基づくメニュー開発から、店舗の内外装、さらにはサービススタイルが検討され、一つの業態が形作られていくのです。 」 という。

「 出店する立地特性や想定される顧客イメージなどさまざまな要素から細部が検討され、綿密な出店計画が構築されていきます。こうした全社員一丸となった店舗開発体制による業態開発の実力、実績が大手ディベロッパーやビルのオーナーからも評価され、好立地の物件獲得につながっています。ダイナックでは、今後もお客様のニーズをいち早く捉えた業態を展開してまいります。 」 と営業統括本部のスタッフは胸を張る。



株式会社ダイナック

株式会社ダイナック

http://www.dynac.co.jp/

新しい食文化の創造
WE PRESENT VARIOUS DYNAC STYLES

私たちダイナックは、多業態企業として常に飲食トレンドをリードし、「食の楽しさをダイナミックにクリエイトする」をスローガンとして、新しい食文化の創造に大きく貢献していきます。

関東・関西を中心に約280店舗の多彩な食空間を展開
年商 40,323百万(2007年9月期)
東証二部上場

【事業内容】
■バー・レストラン事業:仏料理・伊料理・和洋各種レストラン、バー、居酒屋まで幅広く運営。
■コントラクト事業:サービスエリア等における業務受託運営。
■ゴルフクラブ&リゾートレストラン事業:全国の有名コース、リゾート施設におけるレストラン業務受託運営。
■パーティー事業:各種イベント、パーティーの企画、運営。

文:齋藤栄紀
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