今回のラスベガスについても、いつもどおり準備不足というか、まったく予備知識無しにたどり着いてしまった。
しかし、ツアー主催のOFSC事務局および編集長の「完璧な」アテンドで、ほぼ強制的に「チャレンジ!メリーランドパークウェイ・炎のFF店舗視察」ツアーが組みこまれた。
表題に「ホスピタリティ」って書いている私の立場も考えてほしいが 、どうやってレポートのつじつまを合わせようかと思案するうち、ツアー参加は強制的に決定。
タクシーで向かうは、University of Nevada Las Vegas を擁する Maryland Parkway と、ラスベガスを東西に横切る Tropicana Avenue の交差点である。
ここは学生街だけに、通りを一本入るとアパートが結構建っていて、居住者が多い地域だ。
居住者地域のせいか、タバコが1~2割ほど安い。無論、ラスベガスは全てにおいて税制優遇されているのだが。
ショッピングセンターらしき建物によりそうような形で、ファーストフード店舗が立ち並ぶ。数も多い。
ここから通りを北に向かって練りあるき、日本に現存していない(撤退を含む)ファーストフード業態の実際を、できる限りレポートするつもりだ。
ここから先の出来事はより克明に記すつもりだが、先に書いておくと、
絶対にまねしないでほしい。
ホテルからタクシーで10分ほど。4866 S Maryland PkwyLas Vegas, NV 89119, USA
しかし、起き抜けの腹具合は、好調らしい。
まずは、モータリゼーション時代からの元祖ドライブスルーとして知られる 「 Jack in the BOX 」 で朝食をかねて。
店に入ると、閑散としている。われわれが店に入ったのは9:30頃だったろうか。だれも客がいないのに驚いたが、ここは歓楽街から離れており、日常的な用途で使われるのであろう。アトランタレポート≪ 福本龍太郎の速報!FS/TEC The NAFEM SHOW2007 ≫でも何度も述べたが、アメリカの朝は早い。
JACK IN THE BOX は、1951年、カリフォルニア州サンディエゴに1号店を開く。
車に乗ったまま提供するドライブスルー方式を当初から導入している。
開業当時のハンバーガー1個の値段は18セント。今では主にアメリカ西部を中心に、2100店舗を展開している。
1970年代からTVコマーシャルで積極的なプロモーションを行い、認知度が急に高まった。経営者のマーケティング活動・プロモーションのうまさは定評があったらしい。
有名なエピソードで、いわゆる「おまけ戦略」の走りだが、メインキャラクターである、「ピエロのジャック」を模したピンポン玉くらいの大きさのアンテナボール(アンテナの先にくっつけるアクセサリーか?)をドライブスルーのお客さんに無料でばら撒いたらしい。
JACKアンテナボール。※申し訳ないがすべて引用画像である。
大げさな表現だと思うが、キャンペーンから数ヶ月たつと、カリフォルニア中の車にこれがくっついていたという。
・・・現在ではありえないセンスだと思うが。
その後、このおまけはシリーズ化され、アンテナボールコレクターがやはり出現している。
さて、逃げてないで試食。私が頼んだのは、
「 Bruschetta Chicken Ciabatta Sandwich 」・・・・・のコンボ。
いや朝食ですし。がんばってみましたが・・
レシートにロトのようなクジが付いてました。ラスベガスだけかな。
ファーストフードは味のコメントが難しい。しかしながら、チキン、バンズの合性が良いのか、さくさくと口に入る。
ここのチキンはやわらかかった気がするが、バンズがやや固めの印象。ブルスケッタという言葉にだまされて頼んだが、フレッシュトマトがざく切りされていただけで、なんら特徴のあるものではない。
予想通りの始まりで、また冒頭のように、「 どおやってレポートに仕上げればよいのだろうか 」 という強烈な不安がよぎった。
すべて、日本で味わう感覚と同じなのである。
「サービスのトレードオフ」というのは言葉では単純であるが、相当覚悟がいる。
ファーストフードという業態は、ものすごく早期に、その根本的なトレードオフをやってのけた業態で、それのみが存在意義であると思う。
アメリカにおいて、「 チップを払う必要がない 」 という究極の社会通念の打破を、初めて実現した 「 サービス業 」 なのである。
このことに対する評価は、我々は恐ろしいまでに意識をめぐらせる概念が無い。
「 FFはチップを払わなくて良い 」
という言葉ですべて片付けられている。
しかしながら、「 新鮮な味 」 というものに人間はこうも弱いものだろうか。
完食である。
私 「 いやー喰いましたね 」
編集長 「 さ、次行くよ 」
私 「 ・・・・。 」
モータリゼーション活性は、アメリカにおける 「 個人 」 の創出に強い影響力をもっていただろう。半世紀前から 「 トレードオフ 」 という言葉は存在していたのである。
後から調べたが、この周辺10km圏内に JACK IN THE BOX は8店舗ある。基本的なドミナント出店を行っているが、McDonald's は同圏域に9店舗であった。
FF企業の旺盛な野心を垣間見た気がした。
私 「 いやー、で、次は 」
編集長 「 あ、ここここ。 」
私 「 ・・・・。 」
先に述べたが、「 ショッピングセンター 」 のようなものを中心に、群がるように外食店舗が出展している。4808 S Maryland Pkwy Las Vegas, NV 89119, USA
JACK IN THE BOX の隣にある、 YOSHINOYA で、編集長いわく、「 おやつ 」 である。
おなじみの和製FFなので、簡潔にまとめたい。
・・・が、店内は残念ながら撮影禁止。
言うまでも無く、「 こっそり撮る 」 作戦に変更。
ドアに、Business Hoursが記載されていた。おそらく地域によって時間帯も違うのだろう。YOSHINOYAももちろんクレジットカードで食せる。
「 だめだってよ 」 という声を尻目に 「 え?え? 」 と撮る。作戦。後姿は、後にどうしても登場していただくことになる吹上さん。(肖像権無許可)
最初に言い訳しておくが、「 こっそり撮る 」 作戦を編み出して、伝授したのはもちろん我が論説主観である。ためになりました。
店内は日本とは印象が違う。U字カウンターがなく、キャッシュアンドキャリーで、すべてテーブル席である。
明るく、清潔で、なんというか独特のあの 「 におい 」 が無いのが逆に気になった。
すでにやけになって食べてます。すべてテーブル席の店内は清潔。牛丼というイメージが無くなる。
さすがに JACK IN THE BOX の効果で、半分しか食せなかったが、何しろ久しぶりの 「 しょうゆ味 」 に感動して、上に乗っていた肉はすべて平らげることができた。味は少々濃い。
おいおい紅しょうがのトングがねーじゃねぇかよ!どおおなってんだ!と無意味なクレーム(ひとりごと)をのたまっていました。
YOSHINOYA については、日本からの 「 輸出 」 である。かつて浜松町駅(東京)近辺の、その存在を覚えている。
チキンボウルが新鮮な味であったが、そのころに食べた鶏肉もかたかったなあと思うに留まるくらいの記憶である。
YOSHINOYA にかぎらず、ハンバーガー以外のFF業態を思うに、すべての食べ物にそのトレードオフは可能性がある。「 早い 」 「 安い 」 「 うまい 」 は永遠のキャッチコピーである。
10:00amのおやつを食したわれわれは、次なる強敵、「 In-N-Out Burger 」 へ向かうのであった。
「砂漠のホスピタリティ」にそぐわない内容になりつつあるが、乞うご期待!
福本 龍太郎
国内コンピュータ販社にて流通小売業界向けSI事業部門を担当し、外食店舗店舗システムにも関わる。
現在は有限会社ノーデックス代表取締役。
ネットビジネス黎明期より各種サービスプロバイダを経験し、業務システムへのネット技術の応用・普及につとめる。
有限会社ノーデックス 代表取締役
福本龍太郎の速報!FS/TEC・The NAFEM SHOW2007