自分が興味を持って、深堀できることで勝負をする-「街を元気に!」を実践する 株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤氏

自分が興味を持って、深堀できることで勝負をする 「街を元気に!」を実践する 株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤氏

子供の時の夢を実現できる人はそう多くはない。「天下の台所」大阪をかかえる関西で生まれ育った一人の男がその夢を実現し、今繁盛店を育て上げた。一つの繁盛店を作ることにより、その街を元気にしたい。お客様に喜んでいただける料理で、その産地の人にも喜んでいただきたい。「炭火やきとりちんどん」をはじめに関西地区で積極的にチェーン展開を行っている株式会社RETOWNの松本篤社長に飲食業起業に対する熱い思いを語っていただいた。

第1回 子供の時からの夢をかなえて、起業を果たす

第1回 子供の時からの夢をかなえて、起業を果たす

「 一国一城の主になるんだ! 」。子供の頃から、将来は自分の会社を作ろうと考えていました。ただ当時は、飲食業をやろうとは考えていたのではなく、漠然と自分の会社を作りたいと思っていただけでした。

自分が興味を持って、深堀できることで勝負をする-「街を元気に!」を実践する 株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤氏大学生の時、神戸のクラブやドトールコーヒーといった飲食に係わるアルバイトをしていまして、この頃から ” 店舗展開 ” といったビジネスに興味を持ち始めました。特にクラブのアルバイトでは、毎晩多くの人が集い、売上げを順調に稼げる店舗を体験できたことから、具体的に飲食業に関心を持ち、それもFCビジネスに対する思いが強くなってきました。

とはいっても、起業するには、まだまだ知識も浅く、資金もありませんでしたので、卒業後は修行の意味も含めてサラリーマンになることにしました。

具体的にFCビジネスとターゲットを決めていましたので、当然のことながらそれに係わる会社を志望しました。けれどここで挫折を味わうことになってしまったのです。当然いけるだろうと思っていた会社に落とされてしまったのです。今思うとあたりまえなのですが、学生時代のアルバイトで少しかじっただけの底浅い知識しか持っていなかったのに、役員相手に生意気なことを言ってしまったのですね。結局最終面接で落とされてしまいました(苦笑)。

自分が興味を持って、深堀できることで勝負をする-「街を元気に!」を実践する 株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤氏それで最初に入社したのが、通信関連の商社でした。当時は携帯電話やインターネットといった通信関連が花形ビジネスだったので入社したのですが、どうしても自分の夢を捨てきれずに1年ほどで退社して、2000年の2月に、当時飲食関連のFCビジネスで急成長をしていたベンチャーリンクに入社しました。

当時のベンチャーリンクは、「 牛角 」、「 まいどおおきに食堂 」、「 とり鉄 」、「 高田屋 」 といったそうそうたるブランドの立ち上げを支援していました。このような外食業態の担当をできたことは幸運でした。それに加え、名古屋支店の立ち上げスタッフとして携わることができましたので、飲食業だけではなく幅広い業界や業務を担当することができ、FC業界にかかわる幅広い仕事ができたことで、後のぢどり亭やRETOWNの設立に活かせることができました。

その一つが、建築関連のビジネスを経験できたことです。「 ルネス工法 」 という新しい建築工法にかかわる事業で、工務店さんに対するビジネスでした。結局これが最初の会社を興す足がかりとなったのです。

自分が興味を持って、深堀できることで勝負をする-「街を元気に!」を実践する 株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤氏ベンチャーリンクに1年半ほどお世話になったのですが、25歳を機に名古屋で会社を興しました。ベンチャーリンクでの経験を活かして、工務店さん向けに住宅性能評価の申請をお手伝いする仕事でした。当時は、いわゆる姉歯事件やAPAホテル事件などで欠陥住宅が社会問題化していました。それに先立って1999年6月に公布された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づいて、住宅の品質の確からしさを第三者機関によって評価してもらう制度のお手伝いです。建築確認申請より厳しいものなので、金利の優遇などのメリットも享受できるのです。

CADメーカーさんと組んで始めたのですが、当時は住宅性能評価の歴史もまだ浅く、名前は知っていてもどうやって申請手続きを進めればよいのかわからない工務店さんが多かったため、結構繁盛しましたね。ただ、中小の工務店さんとお付き合いをさせていただいていると、申請時は問題がなくても認定時には倒産してしまって、” 貸し倒れリスク ” は常にありました。途中から申請時に半金、認定時に半金を頂くといったリスクヘッジはしましたが100%担保されるものではないので厳しかったですね。

自分が興味を持って、深堀できることで勝負をする-「街を元気に!」を実践する 株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤氏その後、地元の電力会社の子会社の方からアライアンスを組まないかというご提案を頂きました。当時、電力会社はオール電化を推進するためにマンションなどの住宅ビジネスに力を入れていました。また、私たちは大きな会社と組むことにより貸し倒れリスクを担保できるのでこのご提案に乗りました。このアライアンスも上手く行きましたが、最終的には電力会社の子会社の方から、私どもの会社を買い取りたいと言うお申し出をいただき、売却することになりました。

この時の売却益を元手に関西に戻って、飲食業に参入することにしたのです。



株式会社RETOWN

松本篤

http://www.retown.co.jp/

株式会社RETOWN 代表取締役
1975年兵庫県・神戸市出身

2007年7月に有限会社RETOWN 創業
2007年8月より有限会社焼味尽(やみつき)のコンサルティング及びフランチャイズ代行業務開始
2004年12月に直営1号店及びFCパイロット店として「焼味尽本舗・北浜店」開店
2005年6月に自社ブランド1号店となる「ちんどん・大正店」開店
2005年7月に株式会社に転換
2010年5月時点で直営・FCで33店舗出店。屋号は、「炭火焼鳥ちんどん」「WINEBAR MELA」「鉄板居酒屋天乃屋」「紀州勝浦生まぐろほんまや」「黒毛牛焼肉犇(ひしめき)屋」「HEALTHY HOT POT Mus Mus」(ベトナム)など

文:齋藤栄紀(監修:貝田知明)
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