地方の飲食企業の現状を知る VOL.3 長崎に生まれ、長崎に貢献する ~創業65周年を迎えた長崎中華街の老舗 江山楼~

地方の飲食企業の現状を知るVOL.3 長崎に生まれ、長崎に貢献する 創業65周年を迎えた長崎中華街の老舗 江山楼

例年春節時にランタンフェスティバル(今年は2月3日~2月17日に開催)で賑わう長崎中華街。ここは横浜、神戸と並び日本三大中華街と呼ばれる。また長崎はちゃんぽんと皿うどんの発祥の地としても知られる。今回は中華街を中心にして4店舗の中国料理店と2店舗のテイクアウトショップを経営する江山楼の若き経営者の王文耀氏にお話をお伺いしました。

第2回 伝統は受け継ぎ、時代とともに進化していく

第2回 伝統は受け継ぎ、時代とともに進化していく

明治時代中期に長崎の中国料理店の店主であった陳氏によって考案されたと言われるちゃんぽん。野菜、魚介類、肉などがふんだんに使われている背景には、中国からの留学生達に対して栄養価の高い食事を食べさせるためだとも言われている。中国菜館 江山楼では、創業者である王玉官氏の “ 父の味わい ” という伝統を、江山楼の王さんのちゃんぽんとして、歴史と共に受け継いでいる。

- ” うまか ” に込められている想いについてお聞かせ下さい。

当店は中国料理店ですから幅広くメニューは取り揃えております。しかしやはりちゃんぽんにかける想いは本当に強いですね。昔を知る方からは、創業時に祖父が出していたちゃんぽんは本当に美味しかったと良くお聞きします。時代に合わせて変化していかなければならないこともありますが、基本的には先代から受け継いだちゃんぽんを守り続けて、それを進化させていくのが私どもの役割だと思っております。

地方の飲食企業の現状を知る VOL.3 長崎に生まれ、長崎に貢献する ~創業65周年を迎えた長崎中華街の老舗 江山楼~ その実現のためには様々な工夫をしています。例えばスープは時津(長崎県西彼杵郡[にしそのぎぐん]時津町)のセントラルキッチンで一貫して作っております。大きな釜に水と鶏ガラを入れて、長時間炊き込んでいくのですが。鶏ガラのスープは、最初は澄んだ透明で上品なスープになるんですね、それを更に時間をかけてじっくりと炊き込んでいくと鶏から旨みが出てきて牛乳色のようなクリーミーな白濁したスープになっていくのです。これを中国語では、白い湯と書いて白湯(パイタン)と書きます。鶏白湯(パイタン)スープという言い方の方がわかりやすいかもですね。このスープを全店舗に直送したり、テイクアウト用に袋詰めにしたりするのです。こうすることによって店舗でもテイクアウトの商品でも均一のスープを召し上がっていただくことができるのです。セントラルキッチンでは、全店舗で日々使用する大量のスープ作りをしております。

この鶏100%というのがミソで、これによってクリーミーでコクのあるスープができるのです。実は鶏100%のスープになったのもさださんが関わっているのです。さださんがある時ラジオで、「 江山楼のスープは鶏100%やっけんね。」 と話されたらしいのですよ。その当時はまだ豚骨が若干入っていたらしいのですが、「 さださんがウソつき呼ばわりされたら大変だ。」 と鶏100%に変えたと言う逸話があります(笑)。

もちろんスープだけで美味しいちゃんぽんができるわけではありません。美味しい麺や具材に、その調理法。野菜のもやしやキャベツを炒める時間やスープを入れるタイミング、これによりシャキッとした食感や旨味の深さが決まります。そして、弊社社長が長年かけて考案したオリジナルの特製醤油。スープにこの特製醤油を入れることで江山楼のちゃんぽんの味が生まれるわけです。この醤油は長崎の チョーコー醤油さんに当社のイメージのものを特別に委託し作って頂いております。もちろん中身は企業秘密で当社だけしか仕入れることができませんし、市販もされていません。ちゃんぽん用と皿うどん用の醤油をそれぞれ作って頂いています。更に、お召し上がりの際に皿うどんにかけて食べて頂く 「 特製ソー酢 」 も特別に作って頂いおります。いわゆる秘伝の醤油とソー酢というわけです。うちでは、特別な味わいを持つこのソー酢を、「 ソー酢 」 とネーミングし、お客様に皿うどんなどにかけて頂き、味の更なる変化を味わって頂いております。

- お客様に提供する時にも気を使われているとお伺いしましたが?

地方の飲食企業の現状を知る VOL.3 長崎に生まれ、長崎に貢献する ~創業65周年を迎えた長崎中華街の老舗 江山楼~ お客様にお食事をして頂く際に、熱い物は熱く・冷たい物は冷たいと、よりその商品を美味しく感じて頂けるものだと強く思っております。お料理の温度というものはとても大事な要素です。ちゃんぽんなどは、熱いどころではまだ駄目で、熱々だと言えるレベルの商品を常にお出しする。お客様に熱々の商品を、“ フーフー ” しながら “ ハフハフ ” しながらお食べ頂くことが物凄く大事だと思います。それくらい熱々の商品でないと弊社の商品としては、ぬるくて美味しくないと判断します。また、デザートは、入れる器はもちろん、お客様の手に触れる敷き皿やスプーンまで冷やして “ キンキン ” の状態でお召し上がり頂く。こういう色んな要素の積み重ねがお客様の感動を生むと考えております。熱い物は熱々で、冷たい物はキンキンでお客様にご提供するように、全社を挙げて日々意識しております。

ちゃんぽんの難しさは炒めた具材とスープを一緒に炊き込むところです。炊き込みすぎると野菜が “ クタ~っと ” してしまいますし、炊き足りないと熱々でお出しすることができない。野菜は最後まで “ シャキッっと ”、麺には味が良く浸み込んでコクのある味、そして熱々のスープが全てまとめ上げてくれる。その絶妙な調理タイミングと、味わいや食感のバランス、これが当社のちゃんぽんなのです。

お客様にハフハフしながら食べて頂き、最後の一滴まで熱々のスープを召し上がって頂く。これが理想ですよね。この理想を追い求めていくのが我々江山楼の使命の1つだと思っております。



株式会社江山楼

株式会社江山楼

http://www.kouzanrou.com/

屋号 中国菜館 江山楼
代表者 王国雄氏

店舗 長崎中華街本店、長崎中華街新館、浦上店、テイクアウトショップ アミュプラザ長崎店、テイクアウトショップ懐玉堂、その他企画店舗

王文耀氏

王文耀 氏

1973(昭和48)年 長崎市出身
1997(平成9)年 慶應義塾大学 経済学部 卒業
卒業後、中国留学、日本全土での研修
2004(平成16)年 株式会社江山楼入社
2008(平成20)年 同社専務取締役就任

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