“フードサービス”と“ホスピタリティ”専門の展示会としては、アジア最大規模であるHOTERES JAPAN(国際ホテル・レストラン・ショー)2012が2月21日(火)~24日(金)の会期で開催される。併設の展示会(「フード・ケータリングショー」「厨房設備機器展」)と併せ、800社以上の企業が出展し、50,000人を超える来場者を迎える、外食産業に関わる大規模な展示会である。
このHOTERESでも数多くの企業が出品しているオーダーエントリーシステム(OES)。店舗オペレーションを劇的に変え、いまや店舗システムの中核をなすOESの現状を見て行きたい。
大手メーカーのなかで 株式会社寺岡精工 は OES業界の後発組である。しかし参入するやペン型セルフオーダリング、テーブルトップオーダリング(TTO)、対話型券売機、ファーストフード向けセルフオーダリングと次々と商品を発売してきた。この項では同社ホスピタリティソリューション事業部 次長 鹿野浩二氏に話を伺った。
- OES事業の取り組みについてお教え下さい
「 楽厨 」 を2006年に取扱ったのが最初となります。同年には 「Delious(デリオス)」、TTOの 「 SOT(エスオーティー)」、翌2007年にペン型セルフオーダリングの 「 DeliTouch(デリタッチ)」 2009年に大画面タッチパネル券売機の 「 Saleup(セラップ)」 そして今年の春に簡易型OESの 「 Delious isle(デリオス アイル)」 を発売する予定です。
- OES商品についてお教え下さい
当社は、「Deliousクラウド 」 というクラウド型の本部システムを中心にお客様のご利用シーンごとに店舗側のシステムを構築できます。例えばフルサービスの場合には 「 Delious 」 を、お客様に注文を取っていただく場合には 「 DeliTouch 」 や 「 SOT 」 を、前会計の場合には 「 Saleup 」 をといった形になります。これは多業態を運営されているお客様は 「 Deliousクラウド 」 をご利用いただければ各業態ごとにマッチしたOESをご導入いただけることになります。
「 Delious 」 はフルサービスの飲食店にマッチしたOESで、お客様の前でオーダーテイクできるハンディターミナル(HOT)とパントリーなどに置いてオーダーテイクする据置型オーダー端末(FOT)をお選びいただけますので、カジュアル業態、高価格業態などお店の運用に合わせた選択ができます。
「 DeliTouch 」 は、ペン型のセルフオーダリングで均一業態居酒屋さんなど人件費削減に取組まれているお客様を中心に追加注文の多い焼肉や最近ではオーダーバイキング業態のお客様にご導入いただいています。特長としては音声ガイダンスで誤操作やオーダー漏れが少なく、各テーブルに電源工事が不要になります。「 SOT 」 は大画面ながら従来のTTOのように固定する必要がなく自由に移動ができます。TTOの良さはお客様がお好きな時に簡単にオーダができますので、お客様にとってもスタッフにとってもストレスなく運用できることです。
「 Saleup 」 は大画面と音声を活かして、セットメニューやサブメニューなどをお勧めできます。従来の一点購入で終わるところを追加注文を勧めるといういわば販促機能付きの券売機です。
-最後にアピールポイントをお教え下さい
当社の強みは 「 Deliousクラウド 」 ですね。これが入っていれば、「 Delious 」 も 「 DeliTouch 」 も 「 Saleup 」 もつながりますから単一業態でも多業態でもご活用頂けます。クラウド型ですので、本部にサーバーも不要で簡単に、タイムリーに売上情報も確認できます。更にフランチャイジー、フランチャイザーが各々必要項目だけ確認できるFC管理機能も付いていますのでFC展開をされているお客様にもご活用頂けます。
もう一つが、海外展開です。現在でもシンガポールと上海にある現地法人で対応させていただいていますが、今年からはタイやマレーシアなど他の東南アジア諸国でのサポートを充実していきます。東南アジアに進出されるお客様でも日本と同じ機器で展開できますし、「 Deliousクラウド 」 で日本にいながら海外の状況を確認していただくことができるのもやはり当社の強みだと考えております。
完
株式会社寺岡精工
【会社概要】 1934年11月(昭和9年)に、「 はかり 」 メーカーとして創業、一貫して先進技術を追求する姿勢で、計量機器から情報機器へとはかりを進化させ、業界のリーディングカンパニーとなる。80年代からはスーパーなど流通業界向けのPOS事業を展開、90年代には高度情報化時代に対応すべく、POSや計量包装機、電子棚札などすべての製品をインターネットでつなぐシステムを開発するなど画期的な製品を市場に投入してきた。近年になって外食産業に参入、ASP型フードサービス統合システム 「 Delious(デリオス)」 やペン型オーダー端末など最新技術を駆使した商品やソリューションを提案している。
取材協力:ホスピタリティソリューション事業部 ソリューション営業部 次長 鹿野浩二氏
文: 齋藤栄紀