今年、創業51周年を迎えた 元気寿司 は、全国展開する大手回転寿司チェーンの中でも最古参の老舗回転寿司企業だ。そのような企業が、今なお存続しえるのは、過去を活かし、しかし過去にとらわれず、常に新しい考えを取り入れ進化し続けているからである。今回は、同社営業企画部長の相沢敏之氏に、キャッシュレスと販売促進を実現するプリペイド&ポイントカード「SushiCa」の導入について伺った。
「寿司の大衆化」を掲げ、1968(昭和43)年12月12日に栃木県宇都宮市で創業した元気寿司。時は流れ、回転寿司が人々にとって身近な存在になった今、同社は、寿司が食べたいと思った時に、真っ先に思い出してもらえるブランド「寿司の代名詞」になることを目標に掲げている。そのために、「驚きと感動をお客様へ」をキーワードに、「より一層の顧客満足度向上」「進化し続ける企業」を目指し、外食の基本であるQ・S・Cの強化に全社一丸となって取り組んでいる。
同社の強みは、基幹ブランド「魚べい」、グルメ系回転寿司「元気寿司」、高級回転寿司「千両」というコンセプトの異なる3つのブランドを有するところ。効率化を優先すると一業態で展開をする方が有利だが、来店動機を醸成するメニューの打ち出し方や、シチュエーションに応じた利便性など選択肢を提案することで、より地域に根付いた店舗運営を行っている。また、国内155店舗、海外198店舗(2019年11月時点)と海外店舗数の方が多い点も特長だ。国内は「魚べい」、海外は「元気寿司」を中心に展開している。
国内の基幹ブランドに成長した「魚べい」は、白を基調とした清潔感溢れるスタイリッシュな洗練された空間の中で、一皿100円メニューを主軸とした寿司を堪能できる。高コストパフォーマンスを実現するために数々の最新システムを導入している。看板などに掲げている「回転“しない”寿司 魚べい」(一部店舗を除く)の通り、タッチパネルで注文された商品を、基本的には回転レーンではなく、汁物も運べる三段の高速レーンで提供するオールオーダー方式を採用している。特記すべきことは、注文を受けてから席にデリバリーまでの提供スピードの速さである。ここには、同社の蓄積されたノウハウが活かされているので、混雑時でもストレスを感じることもほとんどなく、なかなか同業でも真似をすることができない。また、商品も目利きが厳選した素材を店内調理で提供するのはもちろんのこと、例えば、一般的な回転寿司店なら、来店客の口に入るまで2回冷凍したスライスされたサーモンを使うところ、魚べいではワンフローズンのみの 鮮度の良いサーモンを皮付きで仕入れ、店舗で1枚1枚丁寧に仕込むなど、とことん品質にもこだわっている。現在では国内の店舗数の約8割を占め、売上高は実に約9割を占めるまでになった。
同社の原点でもあるブランド「元気寿司」は、100円寿司からワンランク上の品質を楽しめるプレミアムメニューまで5つの価格帯で提供している。対面販売型レーンを採用している店舗もあり、その日のおススメメニューを、目の前で調理し、対面販売を活かした接客で提供するなど、ファミリー層のみならず年配客にも支持されている。
本格志向のニーズに応えるために誕生した高級回転寿司「千両」では、鮮度にこだわった市場直送品を店内で調理し、熟練の寿司職人が握っている。寿司づくりの確かな技術とノウハウを、国内のみならず、海外の店舗に向けて技術発信を行うなど、グループ全体の寿司づくりの技術に磨きをかける役割も担っている。
次回は、キャッシュレスと販売促進を実現するプリペイドカード「SushiCa」についてお伝えする。