飲食店に求められることは、売上高を増やすことはもちろんのこと、無駄な出費を減らしコストダウンを行うことである。特に個店の経営に際して、スケールメリットを享受してコストダウンを行うことは難しい。飲食店商店街は、個店を連合体としてスケールメリットを出し、コストダウンを実現することを目指している。今回は、飲食店商店街を運営する有限会社勝馬の代表取締役 宮川壮介氏に飲食店商店街の取組みを中心に話を伺った。
1店舗では力が弱すぎて、納品価格が高いままなら、そうした弱い1店を100店舗集めて安くしてもらおうとの考えから 「 飲食店商店街 」 の構想は始まりました。
まず始めたのが、業者さんとの交渉です。この考えを実現するためには、何よりも業者さんの協力無しには成し遂げることができません。「 1年以内に必ず100店舗集めますから100店舗分の価格でお願いします 」 と業者さん回りを始めました。最初は、酒、肉、野菜くらいしかなかったのですが、徐々に賛同を広げていきました。
もちろん、私一人の力では限りがありますから、参加飲食店(加盟店)のオーナーさんにもご協力を得ながら進めて行きました。つまり、加盟店のオーナーさんに営業マンとして業者さんと交渉して頂いたのです。もともと、飲食店にはアイドルタイムという空白の時間が存在しますが、まさに「飲食商店街」はアイドルタイムにできる仕事だったのです。
現在では、酒や生鮮3品の他、ほぼ全ての食材を網羅しています。その他にも、ゴミ回収やクレジットカード、クリーニング、レジスターなどの 「 経費関連 」、チラシ・POPや看板、ホームページ運営・管理などの 「 販売促進関連 」、物件紹介や家賃交渉、求人募集などの 「 経営・開業関連 」 等々、飲食店経営に関わるほぼ全ての領域をカバーできるようになりました。現在提携させて頂いている業者さんは首都圏を中心に120~130社、加盟店さんは約380社までになりました。
飲食業は、業態が幅広いだけではなく、客単価が1,000円台の低価格店と10,000円を超える店では使用する食材が違います。つまり、1つの業者さんだけでは賄いきれませんので、1コンテンツあたり5社ほどの業者さんと提携しています。これにより、数字を求めるお店には安さが得意の業者さん、アッパー層を求めるお店には有機栽培を得意とする業者さんを紹介するなどお店ごとのニーズに合った業者さんを提案できるようになりました。
「 飲食商店街 」 は、当社が実際の店舗経営で困難に直面した経験から、「 個人店や小規模店舗が街の商店街のように協力し合い、活気ある店づくりをしていこう 」 というコンセプトではじめましたが、実際に、小さい店でも結束することで、スケールメリットを生み出し、競争力のある仕入価格を実現できることを実証できました。現在では、これまでの経験を活かし、単に業者さんを紹介するだけでなく、経営に役立つ情報やアドバイスも提供させて頂いています。
「 飲食店商店街 」 の特徴は、「 実際の店舗運営実績に基づく売上・利益率アップのノウハウ 」 「 店舗の規模や立地条件に左右されない強力な仕入力と販売促進力 」 そして、「 経営者同士のコミュニティーづくり 」 ができることになります。
飲食店商店街
http://www.katsuma-support.com/
運営企業有限会社勝馬
本社東京都千代田区九段北4-2-11 第2星光ビル102
代表者代表取締役 宮川 壮介氏
事業内容コストダウン支援事業並びに飲食店の経営