Coffee Bean & Tea Leaf で すこし休んで元気を取り戻した一行は Maryland Parkway を北 へ向かう。 2キロ ( 30分ほどか ) ほど歩いただろうか。
途中ターゲットというショッピングセンターで子供のお土産をゲットした私は、すっかり気分もリフレッシュし、またもこじつけのようだが、ファーストフード探訪の稿が、ラスベガスという土地のホスピタリティについて、そんなに無縁でないなあと書きながら思った。
所見は次回述べようと思う。
厨房システムの極小化で、圧倒的な出店数を実現したというTACOBELL。このようなロードサイド型はむしろ珍しい形なのか。
2440 S Maryland Pkwy Las Vegas, NV 89104, USA (702) 734-7161
TACOBELL と Arby's は、日本への上陸経験があるということと、非ハンバーガーという形なのが共通点であろうか。
ツアーそのものの順番がそうなったのはおそらく偶然だと思うが、良い比較になれば幸いと思う。
TACOBELL は当時のペプシコ・インクがどのような構想を持っていたかわからないが、多くの ( 日本への ) 外食進出組が、技術提携、合弁会社の形を取っているのに対し、100%子会社の日本ペプシコフードサービス ( 今はその名称は無いと思う ) の存在を利用し、そのままペプシコの資本によって、1988 年から展開している。今思えば特徴的だ。
調査不足で申し訳ないが、「 撤退 」 という表現は各所で見かけるが、正確にいつ撤退したかがどの資料をあさっても出てこない。出資主体の特異性があるかも知れないが。
外食ドットビズに聞こうかと思ったがやめた。そのことが重要でないからである。
今度だれかが教えてくれると勝手に信じて稿をすすめるが、まったく問題なしとする。
もともと 「 撤退 」 という表現は、軍制的な用語だ。
「 撤退 」 という選択肢がある企業というのは、恐ろしく戦略的で、タフである。
現にタコベルは、日本の米軍駐留基地内部では、各所で営業を続けている。
まあ、基地内は日本ではないが。
基地は各所によって違うが、開放されている期間がある。横須賀や福生にお住まいの方は一度試してみてはいかがかと。
そのまま、日本になじみが無いまま、現在はヤム・ブランド ( 元はペプシコ → トライコーングループの順で変遷 ) にて6000店舗以上を展開する TACOBELL へ立ち寄る。
もともと創業者はホットドッグスタンドを2~3店舗運営していた青年実業家きどりの若者だったとか。 ( 1978年にペプシコ・インクが完全買収 )
創業者にありがちなのだろうか、商品開発に凝ったらしく、南部のテイストを取り込んだホットドッグソースをいくつか試して、最終的に中身を通り越してパンの代わりにメキシコのトルティーヤへ行きつき、微妙にアメリカナイズドされたタコスを開発するにいたったらしい。
以前、米国の人口構成におけるヒスパニックの割合とその影響力について触れかかったが、いまだに明確ではない。
TEXMEX 趨勢については数年前から盛んだが、今後も米国においては注視すべき社会 ( フードサービスの? ) 動静だと思う。
残念ながらここでは、私は試食をあきらめた。
In-Out-Burger で完食してしまった私の顔色が優れなかったせいもあるが、米国滞在経験 のある編集長が率先して注文し、私の身代わりになっていただいたのである。
なにぶん先の In-Out-Burger では 半分しか食べていない 編集長だ。
当然である。
ブログ・バーでも公開されていたが、1$以下で食せるタコスを注文。
なんと編集長は、米国滞在時代は毎日タコベルで食事だったらしい。
私 「 ・・・・いやー。意外と清貧ですね。」
編集長 「 ・・・・。 」
しかも、「 値上げしとるわ! 」 と大騒ぎでした。まあ¢59が¢89になれば大変な値上げですな。(何年前の情報かは秘密)
創業当時の姿がホットドッグスタンドであるということは、値付けのセンスと無縁ではないだろう。
関係ないが、私も ただのラーメンを500円以上 で売る店は納得がいかない。
タコスのフライ加減が絶妙で、皮はパリッとした状態を保持している。
私がてっきりドリンク・バーと思い込んで 「 飲み物だけ 」 というと 「ペプシ?ペプシ?」 と店員が聞いてゆずらなかった訳も、いろいろ調べた結果ああそうかと解った次第である。
味のコメントがまったく無い状態でレポートというには忍びないのだが、TACOBELL は、この 「 トルティーヤではさむ 」 というバリエーションが好きで、一時期はビーフパティを使ったメキシカンチリ・テイストの商品開発を行ってリリースし、ハンバーガー陣営に対抗したらしい。
今後、アメリカ産 TEXMEX が本場の味へ再挑戦する姿も見られる可能性がある。
うまいことペプシで TACOBELL を切り抜けた私だが、いよいよ最後の視察店舗である Arby's を目指す。
ちょうど、先の TACOBELL から南へ戻る形で、また10分ほど歩く。
空気が乾燥していて、のどが渇く。 TACOBELL の前に寄ったターゲットで入手したミネラルウォーター 500ml が、帰りにはもう無くなっていた。
なんとなく 「 見たことがある 」 という諸氏もいるのでは。六本木では人気があったらしい。3901 S Maryland Pkwy Las Vegas, NV 89119, USA (702) 731-4786
「 BABEL 」 という映画で、子供が砂漠に取り残される恐ろしいシーンがあったが、本当に砂漠の日照りをなめてはいけない。
一本道の往復路を5Kmほどしか歩いていないのだが、私はこの間、「 ペプシ 」 3本とミネラルウォーター1本、およそ2リットルの水分を取っている。
Arby's は、技術提携という形で日本にお目見えした。ライセンシーは、かの 「 ニチイ 」 である。
1982年ごろの流通サービス業界を思い浮かべなければならない。
1973年施行の 「 大規模小売店舗立地法 」 ( 大店法 ) により、スーパーマーケット各社はその膨張の行方をフランチャイズ・ビジネスに求める動向が相次いだらしい。
そもそもこの大店法が皮肉にも効を奏してコンビニエンスストアの躍進があり、現在の大企業による小売市場寡占・中食の台頭がすすむのだが、そのころは目立たない。
海外資本の外食サービスへと触手を伸ばす企業も多かったと聞く。
繰り返し述べるが、今となっては TACOBELL のペプシコについては、得体がしれない。
当時は、「 技術提携 ( ライセンス供与 ) 」 か 「 合弁 」 による海外チェーンシステムの受け入れが活発であったと聞くが、今で言えばたとえば、スターバックスは 「 技術提携 」 という、ノウハウやブランドイメージを金で買った形態である。
いき詰まったというのは言い過ぎかも知れないが、先に述べた大店法対象者で外食店舗をライセンスし、曲がりなりにも 「 健康 」 な状態で現在も維持し続けているのは数えるほどである。
Arby's は、現在、特に食品添加物の使用について、完全な優等生であろうとしている。もちろんその分野はある種の肉類(鶏肉)の品質、特定の添加物の不使用という態度ではあるが、トルティーヤで対抗しようとする TACOBELL と、姿勢が似てなくもない。
というのも、これまで紹介してきたハンバーガーチェーンとは違い、カリフォルニアの影響を受けにくい東部オハイオ州でスタートであり、創業趣意として堂々と「ハンバーガー以外の文化を」と言い切っている。
年代はどちらかというとベビーブーマー以降、ジェネレーションXといっても良い位の世代に支持されているようだ。アンチ・フィフティーズという強い時代感の影響もあるだろう。( TACOBELL 同様、出自の時期はほぼ中間だが)
60年代の優等生気分の残滓かと思うのは私の考えすぎであろうか。
まあ、ここは、張り切って試食。
TACOBELLで一休みしたせいか、食欲回復。薄切りのローストビーフがぎょうさん詰まってます。
ここは、あまり店員さんの協力が得られない。単品で頼もうとするとしつこく 「 コンボ?コンボ? 」( 上記のペプシ?・・と同じか・・。 ) と進められて、屈してしまった。
仕方なく、コンボメニューを頼み、編集長と 「 仲良く 」 半分こである。
「 カットしてよ 」 と頼んだら、首を横にふり、無言でプラスチックのナイフを一本よこした。食べて見ると、ちょっとしょっぱいが、美味。歩きつかれたわれわれにはちょうどいい塩分である。
よくも悪くも「飽きない」味である。純粋塩味。
前回稿で述べたが、私はハンバーガーにはうるさい ( これは厳密にいうとハンバーガーでは無いが ) つもりである。
またも懐かしさがよぎったが、昔ハンバーガーショップで、ピクルスもトマトもなにも挟まないスタイルが一瞬流行った記憶がある。
パティとソースだけで、その分安い。
その当時、仲間うちで意味も解らず 「 ソーセージ 」 という名前で呼んでいた気がする。
長い1日をかみ締めながら、100 円で買えた 「 ソーセージ 」 を思い浮かべた。
ふと、ラスベガスという街が起こるときに、「 ハンバーガー 」 は 「 必要 」 だったのではないだろうかと、考えた。
以上で、視察中のオプション 「 チャレンジ!メリーランドパークウェイ・炎の FF 店舗視察 」 ツアーは終了。
ファーストフードでの試食コメントをひねり出す、というのはもともと食べ物の批評が苦手な私にとって、さらに残酷な体験であった。
それよりも次回、無理やり 「 ホスピタリティ 」 に関連付けてまとめなければならないのであるが、心配である。
福本 龍太郎
国内コンピュータ販社にて流通小売業界向けSI事業部門を担当し、外食店舗店舗システムにも関わる。
現在は有限会社ノーデックス代表取締役。
ネットビジネス黎明期より各種サービスプロバイダを経験し、業務システムへのネット技術の応用・普及につとめる。
有限会社ノーデックス 代表取締役
福本龍太郎の速報!FS/TEC・The NAFEM SHOW2007