【企画特集】店頭集客で繁盛店 Vol.2 看板やPOPの改善で新規客を店内に誘引 ~「30m集客」で繁盛店を生み出す

企画特集 店頭集客で繁盛店 Vol.2 看板やPOPの改善で新規客を店内に誘引 「30m集客」で繁盛店を生み出す

店頭による販促活動について、前回は、店頭における食品サンプルの持つ力について述べさせていただいた。第2回となる今回は、“離れたところからでも既に販促は始まっている”との観点から、「30メートル集客」についてご紹介したいと思う。これは、通行人目線での看板やPOPの改善を行うことで、入店率を向上させ、新顧客を獲得するサービスである。「30メートル集客」の概要について シュウイチ デザイングループ の高橋秀一氏、事例について「花びし」を運営する有限会社勝馬 代表取締役の宮川壮介氏に話を伺った。

第2回 新規のお客様を1日2組増やしたい -「30メートル集客」に期待するところ

第2回 新規のお客様を1日2組増やしたい-「30メートル集客」に期待するところ

店頭集客で繁盛店 Vol.2 看板やPOPの改善で新規客を店内に誘引 ~「30m集客」で繁盛店を生み出す「 花びし 」 は、2003年3月に東京・市ヶ谷にオープンした居酒屋と割烹の中間をイメージしてつくられた和食業態の店である。料理は、四季に応じて旬の食材を使った季節感のある料理を提供するために、年4回のグランドメニュー改定を行う。各季節の旬の魚と、春には山菜、夏にはすっぽん、秋にはきのこ類、冬にはすっぽん鍋などを中心とした料理を提供する。内装は、和の雰囲気を醸し出すために、壁には全て漆喰を用いるなどのこだわりを見せ、掘り炬燵のある広めのスペースで宴会需要を取り込むなどの工夫を凝らす。

同店は、場所柄、男性客を中心にリピーターが多いため、もう少し新規客を増やすために 「 30メートル集客 」 の導入を決めたという。

ここからは、同店を運営する有限会社勝馬 代表取締役 宮川壮介氏に話しを伺っていく。

代表取締役 宮川壮介氏- 「 30メートル集客 」 導入までの経緯をお教え下さい。

まず、市ヶ谷という土地柄もあるのでしょうが、ご来店されるお客様は、圧倒的に男性サラリーマンが多く、年代も40~60代と高めです。特に、ディナータイムの客層をみると75%が男性という状況でした。また、リピーターの方と一見さんの割合も 9:1 と圧倒的にリピーターの方が多いという状況でした。この様な運営状況から、もう少し新規客や女性客を増やしたいなと考えていました。

店頭集客で繁盛店 Vol.2 看板やPOPの改善で新規客を店内に誘引 ~「30m集客」で繁盛店を生み出す常連のお客様から、「 僕たちは好きなスタイルの店だけれど、なんだか入りづらい雰囲気があるよね 」 と何度か言われた事がありました。そんなある日、50~60代のお客様が店頭に置いてあるメニューブックを見られてから外装をご覧になって、「 高そうで怖いな 」 と仰られて帰って行かれたのです。確かに当店は、“ 和 ” にこだわり、内外装とも漆喰を用いた店構えをしていますが、価格表示があるにも関わらず 「 高そうで怖い 」 とのお言葉でしたのでショックでした。これは何か手を打たねばと考え、高橋さんに相談したのです。

10m程度手前からでも気づき難い- 「 30メートル集客 」 導入までの流れをお教え下さい。

導入前に期待していたことは、1日に2組ほどの新しいお客様を増やしたいということでした。一度お越しくだされば、絶対に常連さんになって頂く自信がございますので。

最初は、高橋さんによる現地調査でした。店前や道路の反対側の歩道の通行人数や、通行人目線でどの様に店先が見えるか、それも日中と夕方、夜間の違いなど細やかにマーケティングをして頂きました。それを元に提案をして頂きました。

代表取締役 宮川壮介氏それから私もあらためて高橋さんとお客様目線に立った現地調査をしました。そうすると店側が考える看板などのファサードのつくり方と高橋さんによるお客様目線でのご提案ではかなり乖離があることがわかりました。高橋さんと一緒に現地調査を行うことで、課題解決への一筋の光が明確になり、ご提案を是非実行すべきとの確信が深められ決断に至ったのです。

それからは、基本的に高橋さんによる作業がメインでしたが、現場の料理長やホール長などを交えて 「 デザイン設計会議 」 を2~3回行いました。ここでは、店の強みは何か、お客様が求められているのは何かなどを話し合うのですが、オーナーが気付かないことが沢山現場のスタッフから活発に意見が出るなど素晴らしい場でしたね。ここで出た意見を参考に、POPやイーゼル、タペストリーなどの制作に繋げてもらいました。

次回は、導入後の効果について、具体的な数値を交えて宮川社長に語って頂く。



design producer 髙橋 秀一 Shuichi Takahashi

30メートル集客 × Shuichi Design Group

design producer
髙橋 秀一(Shuichi Takahashi)

飲食・小売店のFC加盟店企業時代に、看板POPの威力に気付き、チェーン中ほぼ最下位だった店舗を4ヶ月連続で、売上伸び率全国1位まで押し上げた。これが30メートル集客の原点となる。その後IT企業入社。新規事業で飲食店がメイン顧客となったため30メートル集客を復活提供すると、導入店舗で売上昨年対比115%やランチ3回転するなど効果実績を出した。

現在は、顧客の強い要望によりShuichi Design Groupを設立し、支援店舗は400店に達した。徹底した歩行者視点での店舗検証を行い、見込み客から店舗がどう思われているのか、どうすればもっと安心して入店してもらえるのか 「 30メートル集客 」 でその店舗の良さを引き出す手法は好評を博している。

文:齋藤栄紀
ページのトップへ戻る