新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み ~ ”こだわり”の食材を全国に~

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み こだわりの食材を全国に

昨年の大河ドラマ「天地人」で一躍脚光を浴びた越後の国新潟県。三条市は米どころ新潟県のほぼ中央部に位置する包丁など金物で有名な県下有数の工業都市でもある。隣接する燕市はフォーク・ナイフなどのいわゆるカトラリー製品では世界有数の生産量を誇ることもありこの地域では「食」への関心は非常に高い。
こだわりのものづくりを行っている三条市の若手農業家が中心となり、自治体である三条市がサポートを行っている取り組みについてレポートする。

第1回 BUONA ESPERIENZA DI SANJO -豊穣の三条(1)

第1回 BUONA ESPERIENZA DI SANJO 豊穣の三条(1)

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国に昨年の11月21日(土)、目黒区にあるイタリアンレストラン・グーストにおいて食のイベントが開催された。

BUONA ESPERIENZA DI SANJOと銘打たれたこのイベントは三条商工会議所の若手リーダー達の発案により、國定市長をはじめとした三条市が全面的にバックアップして三条市の農産物を食材として使用したイタリア料理を体験するものであった。

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国に開会に当たって、本イベントの実行委員長のブドウ農園を営む岡村直道氏よりウイットに富んだ挨拶があった。

「 三条市は、新潟県では浮いた存在です。県内では珍しく自己主張が強い土地柄なのです。これは昔から金属加工など物作りが盛んでその職人さん方のプライドの影響かと思われます。その中でも唯一お淑やか(おしとやか)に自己主張をしてこなかったのが本日皆様にお食べいただく三条市の食材たちです。このイベントから三条の食材たちが全国に向けて自己主張ができるようにして参りたいと思います。本日は三条の食材を使ったお料理をごゆっくりとお楽しみください。 」

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国にまず、豊富な前菜類をご紹介したいと思う。

最初に登場したのが、三条市で取れた野菜を使った 「 野菜チップス 」 と 「 金子農園の米粉パンのパニーノ 」 である。

レンコン、紫イモやサツマイモなどで作られたチップスはほんのりと甘みがありさくさくした食感が美味しさを引き出していた。

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国に

次が 「 車麩のパッパアルポモドーロ 」 「 カブのスープ 」 「 伊部農園の枝豆のスープ 」 のズッパトレコローリ3種類のスープであった。

門前町であった三条では、かつて寺の僧坊内作られていた車麩が庶民に広がり親しまれたとのことである。特徴は全国的にも珍しい4回巻きで、添加物を一切使わないヘルシー食品として海外への輸出も好調だそうである。

「 モーツアルトを聴いたル レクチェとスカモルツァチーズ 」 「 紅東のチャンホッタサンマのコンフェ添え 」

モーツアルトを聴いた洋梨?これに関しては次項であらためてご紹介したいと思う。

 

「下田(しただ)産和牛のほほ肉の白ワイン煮込み」 「下田産豚トロの煮込み、菊イモのピューレと春菊、アサリ」

 

「フォアグラを詰めた睦農園の金時のクロケッタ」

 

「鶴巻さんちのうみたて卵のトルティーリア アンティグアとモデルナ」

 

「下田産豚モモのフリット パプリカ風味」

 

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国に前菜類を足早にご紹介してきたが、いよいよ次が最後の2品である。

「 三条縄文ドジョウのカルピオーネ 」 「 下田産豚肉を詰めたリガトーニ、根菜のラグー 」

三条のドジョウは、不純物を含まない山の真土と山の沢からとった清涼な水を使うという安心・安全にこだわった養殖魚である。天然ものや他産地に比べてぬめりが少なく、泥臭くなく、肉厚で骨まで柔らかなため 「 奇跡のドジョウ 」 と呼ばれているそうである。うなぎの9倍ものカルシウム量を持つことも特徴の一つである。

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国に「 西潟農園のサツマイモとムカゴのリゾット グアンチャーレ添え 」

ここで究極の営業マン、國定勇人三条市長の登場である。

実は、それまでシェフと思い込んでいたため、三条市長であることをこの時初めて知った次第である。確かに調理場に行かず、ずっとホールに出っ放しであったので、おかしいとは思っていたが・・・。

新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み~”こだわり”の食材を全国に「 このサツマイモもお米も下田(しただ)産です。特にお米は、下田の中でも上流域にある北五百川(いもがわ)の棚田でとれたお米です。” 水田 ” という言葉が示すとおりお米には水が非常に重要な要素となっております。この棚田に流れ込んできている水は、コップですくってそのまま飲むことができるくらい綺麗なのです。

ちなみに皆様にご賞味いただいている 「 千年悠水 」 は一つ沢が離れていますが、ほぼ同じエリアで取れている水です。日本のミネラルウォーターの中で一番カルシウムが少ない超軟水です。その様な水で育てられているお米ですので味がやわらかく美味しいと思います。 」

パスタ、メイン、ドルチェの品々は次回ご紹介させていただきたいと思う。



新潟県三条市の若手農業家たちの取り組み こだわりの食材を全国に

國定勇人 三条市長(写真左)
1972年 東京都出身
1997年 一橋大学商学部卒業後郵政省(当時)に入省
2003年 総務省から三条市に出向 総務省参事兼情報政策課長
2005年 三条市総合政策部長
2006年 三条市長当選(当時日本最年少の市長) 現在に至る

小松岳史 RESTAURANT GUSTO(イタリアンレストラン グースト)オーナーシェフ(写真右)
1971年 三条市出身 東京のイタリアンで4年、その後イタリアで半年、スペインで2年修行後、帰国。
小笠原伯爵邸を経て、札幌市内のレストランでシェフを務め、2006年独立。

三条市経済部営業戦略室
新潟県三条市旭町2-3-1 TEL;0256-34-5511 FAX:0256-36-5111

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