世界各地で米国産ポテトの需要を拡大させるために、外食店向けのメニュー提案をはじめとするさまざまな販促やマーケティングを展開している米国ポテト協会。少子高齢化、健康志向が進む中でのメニュー開発、永遠の課題であるFLコストの削減など飲食店に求められる課題解決の一助のため、同協会では「Plus 1 Fry」を提案している。今回は、この「Plus 1 Fry」による売上&利益向上策についてお伝えしたい。
米国ポテト協会 日本代表事務所では、飲食店にとって、オペレーションの負担が軽く、メニュー開発も比較的簡単なメニューの一つであるフライドポテトに、もう1品グレードアップしたフライドポテトメニューを加えれば、売上や利益アップにつながるというメニュー戦略「Plus 1 Fry(プラス・ワン・フライ)」を提案していると述べてきた。
同協会では、フライドポテトメニューとアルコールドリンクとの親和性の良さに着眼し、「Plus 1 Fry」に加え、アルコールドリンクによる売上&利益アップを提案する。
まず、20代~40代の一般消費者300名に対し、アンケート調査を行った。
飲食店でお酒を飲む時に、ポテト料理を頼むかとの質問に対して、「絶対に頼む」(17%)、「頻繁に頼む」(45%)と6割以上の人がポテト料理を頼むと回答。次に、「ローディッド・フライ」を食べてみたいかとの質問に対しては、約9割の人が「食べてみたい」(「とても食べたい」+「食べてみたい」)と回答した。
回答者に、「ローディッド・フライ」に合うアルコールドリンクのランク付けをしてもらったところ、ダントツ1位が「ビール」で、2位「ハイボール」、3位「サワー・酎ハイ」は接戦と、いずれにしても炭酸系のアルコールドリンクが「ローディッド・フライ」には合うとの回答であった。さらに、「ローディッド・フライ」でお酒が進むと思うかとの質問に対し、約9割の人が「すすむ」(「とてもすすむ」+「すすむ」)と回答した。
以上のように、一般消費者は、お酒を飲む時によくポテト料理を一緒に楽しみ、さらに、「ローディッド・フライ」には炭酸系のアルコールドリンクが合うと期待していることがわかった。
この結果をもとに、米国ポテト協会は、6月12日~7月12日の1ヶ月間、炭酸系のアルコールドリンクの内、ハイボールに的を絞り、都内のバル、カフェや居酒屋10店舗の協力を得て、既存のフライドポテトに加え、「ローディッド・フライ+ハイボール」が売上&利益アップに貢献するかの検証を実施した。
その結果、ポテト料理に関しては、出数が平均52%増、最大で128%増を達成、利益も62%増といずれも増加。ハイボールに関しては、全店で出数が増加し、売上高は平均で18%増、最大では74%増となり、「ローディッド・フライ+ハイボール」が売上&利益アップに貢献することが実証された。
主な店舗の取り組みと、それに伴う数値結果は以下の通り。
ポテト204%
ハイボール166%
「スパイシーミートVSアボカドサワークリームのWチーズローデッド・ポテト」(750円)。濃厚なチーズと揚げ物のしっかりした味わいが、ハイボールの爽やかな炭酸感と相性抜群!
ポテト187%
ハイボール140%
「ラムタンミートソースのポテトフライ」と「チェダーチーズソースのポテトフライ」(各単品500円)をハイボールとセット(1,000円)で販売。新しいメニューのためセット売りで訴求した。
ポテト228%
ハイボール109%
「HOTチーズポテト」と「ポテトとコンビーフのオーブン焼き」(各単品780円)。2種類の味の異なるメニューで食べ比べによる相乗効果を狙った。
ポテト148%
ハイボール174%
「トリプルチーズとメキシカンミートのマウンテン・ローデッド・フライ」(980円)。ハイボールでさっぱりしながら食べ続けたくなるように、濃い味わいに仕立てた。
米国ポテト協会
【事業概要】
全米2,500を超えるポテト生産者を代表する非営利団体で、世界各国で米国産ポテトの普及、販促に努めている。日本代表事務所では、飲食店・ホテルはもとより、卸・小売、食品メーカーなど外食産業の各業態に応じたサポート・プログラムも提供。メニューやレシピの開発、技術的サポート、店内デモンストレーションの実施、POPツールの制作、企業協賛などを行っている。
世界のポテト料理「ポテトエアラインズ」
http://www.potatoairlines.com/
ポテト協会本部サイト
http://www.potatoesusa-japan.com/
取材協力:米国ポテト協会 日本代表事務所 プログラムマネージャー 友田理絵氏