日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

厳しい経営環境にある外食店で、求められているものは何であろうか。メニューの差別化、コスト面を含めた合理化、そして、ホスピタリティーの充実といったことが考えられるが、これらの要素を踏まえた上で日本の外食産業に向けて、新たなメニュー提案を実践しているのが米国ポテト協会である。米国ポテト協会は、レストランや企業などに対してアメリカ産ポテトに関する知識や情報を提供する非営利団体。「ジャガイモ」という普遍的な食材にいかなる新しい魅力を提供しようとしているのか。そのマーケティング施策とアメリカ産ポテトの真価に迫ってみる。

第3回 世界一のアメリカ産ポテトをそのまま冷凍、そのまま乾燥!

第3回 世界一のアメリカ産ポテトをそのまま冷凍、そのまま乾燥!

日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

肥沃な大地、高水準な栽培技術と農業技術に支えられたアメリカ産ポテトは、固形分が多く、きめ細やかで味・品質ともに世界一と評されている。そのなかから特に高品質なものだけを厳選して、加熱処理(ブランチング)した後に冷凍したものがフローズンポテトであり、乾燥製品に加工されたのがディハイポテトなのである。

アメリカ産フローズンポテトの最大の特徴は、ポテトが持っている本来の風味とおいしさ、新鮮さがそのまま冷凍保存されてパッケージ化されていることである。そして、洗浄、皮むき、カット、ボイルなどの下ごしらえの手間がなく、封を開けて必要な量を取り出すだけですぐに調理に入れる。また、生鮮ポテトに比べて賞味期限が長いので無駄も出ない。労働力やコスト、ゴミ処理などあらゆる節約に貢献してくれるのである。

米国ポテト協会 米国産フローズンポテト 製品紹介フローズンポテトにもいくつかの製品がある。まず、「 マッシュポテト 」 は、その名の通りにマッシュポテトやポテトサラダに便利な製品。板状とポーションタイプがあり、いずれも多少の味が付けられており、解凍してすぐに調理できるのがポイント。上記メニューの他に、コロッケ、スープのとろみ付け、パイやキッシュの中身、皿上のデコレーションなど調理素材として幅広く利用できる。なお、ポーションタイプは必要な分だけ解凍して使えるので、少量を調理するときに便利。

米国ポテト協会 米国産フローズンポテト 製品紹介「 ベイクドポテト 」 は、収穫したポテトを焼き上げ、そのまま急速冷凍しているので新鮮さが特徴。アメリカ産ポテトのほくほく感が生きており、イモとしての存在感を出すことができる。自然解凍またはレンジアップですぐに使えるのもポイント。サイズの大小があるので、付け合わせには小さめ、単品料理には大きめといった使い分けもできる。

米国産フローズンベイクドポテトのカンタンレシピ

ベイクドポテト&キーマカレーベイクドポテト&キーマカレー

【材料(1人分)】
米国産ベイクドポテト…1個
キーマカレー(市販品)…30g
冷凍グリンピース…3粒

【作り方】
[ 1 ] 米国産ベイクドポテトを電子レンジで解凍、十字に切れ目を入れて180度のオーブンで10分ほど加熱。
[ 2 ] キーマカレーを加熱。
[ 3 ] 冷凍グリンピースをゆでる。
[ 4 ] ベイクドポテトにカレーをかけ、グリンピースを散らして完成。

米国ポテト協会 米国産フローズンポテト 製品紹介「 IQFシュレッドポテト 」 は、皮むき、加熱処理、シュレッドしたポテトを急速個別冷凍(IQF)したもので、ハッシュブラウンのほかサラダやピザのトッピングに便利。この他には、サラダやトッピング、煮物、スープ類に便利な 「 スライスポテト 」、「 ダイス・キューブポテト 」 などもある。

一方のディハイポテトは、乾燥素材なので吸収性に優れており、一緒に使う食材の旨味を逃がさない、常温で長期保存できるといった特徴がある。そして、細かく粉砕されたタイプはベーカリー製品の原料として使えるなど、目的に応じて自由自在に調理できるのがポイントとなっている。

その他商品(米国ポテト協会ホームページへ)ディハイポテトの代表的な製品である 「 スタンダードポテトフレーク 」 は、マッシュポテトを作るのに使われるもので、明るい白色をしている。他にも、ポテトサラダ、コロッケ、製パン材料、スープやソースのとろみ付け、肉や練り製品のつなぎとしても使える。

より細かい粒子の 「 スタンダードポテトグラニュール 」 は、機械生産などでマッシュポテトを大量調理する時に適したもので、他の用途としてはスナック菓子の原料、冷凍食品、キッシュ生地、風味付けなどに用いられる。また、非常になめからかで製麺用材料としても使われている。ポテトの香りや風味が強く残っているのも魅力である。

次回からは、アメリカ産フローズンポテトとディハイポテトが、外食の現場でどのように使われて、いかなる成果を上げているのか、具体例をレポートしていく。  

米国産ディハイポテトのオススメレシピ

明太ポテトスープ明太ポテトスープ

【材料(6人分)】
米国産スタンダードポテトフレーク…80g ぬるま湯…240ml 玉ねぎ…250g 牛乳…600ml 生クリーム…60ml チキンコンソメパウダー…4g 明太子(ほぐしたもの)…80g 塩・こしょう…少々

【作り方】
[ 1 ] ボウルに米国産スタンダードポテトフレーク、ぬるま湯を入れてサッと混ぜ、フタをして3分ほどおいた後、混ぜ合わせる。
[ 2 ] 鍋にサラダ油、薄切りした玉ねぎを入れ、弱火でアメ色になるまで炒める。
[ 3 ] ミキサーに [ 2 ]、牛乳を入れて回し、鍋に戻す。
[ 4 ] [ 3 ] の鍋に、[ 1 ]、生クリーム、チキンコンソメパウダーを入れ5分ほど煮て、明太子を入れて混ぜ合わせ、塩・こしょうで味をととのえ冷やしておく。トッピングでオクラなど。



米国ポテト協会 友田理絵氏

米国ポテト協会

http://www.potatous-jp.com/

●団体概要 生産者の目線でアメリカ産ポテトのグローバルな発展を

コロラド州デンバーに本部を置く米国ポテト協会は、全米のポテト生産者を代表する非営利団体である。1971年の設立当初、「ポテトは太りやすい」といったマイナスイメージがアメリカ国内にあり、消費者に栄養価などに関する情報を提供することでそのマイナスイメージを払拭する目的で米国ポテト協会は設立された。その後、活動範囲を広げ、現在は、日本、韓国、中国、香港、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、メキシコ、コスタリカの12の国と地域に代表事務所をおき、アメリカ国内だけでなく世界各国でアメリカ産ポテトについての教育プログラムを展開している。

●米国ポテト協会のサポート・プログラム 米国ポテト協会は、サンプルの提供、メニューやレシピの開発、メニュー提案セミナーの開催や技術的サポート、店内デモンストレーションの実施、POPツールの制作、企業協賛、PR活動など、輸入および卸売、小売、食品メーカー、外食産業の各業態に応じたサポート・プログラムを提供しています。

●取材協力 米国ポテト協会 日本代表事務所 プログラムコーディネーター 友田理絵氏

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