日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

厳しい経営環境にある外食店で、求められているものは何であろうか。メニューの差別化、コスト面を含めた合理化、そして、ホスピタリティーの充実といったことが考えられるが、これらの要素を踏まえた上で日本の外食産業に向けて、新たなメニュー提案を実践しているのが米国ポテト協会である。米国ポテト協会は、レストランや企業などに対してアメリカ産ポテトに関する知識や情報を提供する非営利団体。「ジャガイモ」という普遍的な食材にいかなる新しい魅力を提供しようとしているのか。そのマーケティング施策とアメリカ産ポテトの真価に迫ってみる。

第2回 ヘルシーなポテトで手間を省いてコストも削減

第2回 ヘルシーなポテトで手間を省いてコストも削減

日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

アメリカのポテト生産州のトップ3は、1位が日本でもおなじみのアイダホ州、2位がワシントン州、3位がウィスコンシン州となっている。一般的に、ジャガイモは昼夜の寒暖の差が大きい場所でおいしく育つと言われている。アメリカのポテトは、この条件を十分に満たしていることに加え、火山灰を含んだやわからい土壌で育っているため、表面にキズがつきにくく、より大きく育つという特徴がある。恵まれた環境で育っているために、固形分が多く、きめも細やかで、味・品質ともに世界一と評価されているのである。

日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫るこのポテトを原料にして、最新の技術と衛生的な設備を備え、適正製造基準(GMP)をクリアした工場で加工されているのが、アメリカ産フローズンポテトであり、ディハイ(乾燥)ポテトなのである。フローズンポテトは、ポテト本来の風味とおいしさ、新鮮さをそのまま冷凍保存でパッケージしたもの。ディハイポテトは、その味と風味を損なうことなく乾燥製品に加工したもの。米国ポテト協会が日本市場での利用拡大を図っているこの2製品は、外食店舗の食材としてどのような点が優れているのだろうか。

日本代表事務所 プログラムコーディネーター 友田理絵氏によると、店舗のメリットは、 「 コストパフォーマンスのよさ 」 に集約されるという。まず、フローズンポテトもディハイポテトも、パッケージ化された商品であるため、[ 1 ] ジャガイモを買ってくる、[ 2 ] 使えるものを選別する、[ 3 ] 洗う、[ 4 ] 皮をむく、[ 5 ] カットするという下ごしらえの作業がまったくいらないのである。このような手間が省けるフローズンポテトとディハイポテトから、コストパフォーマンスのよいメニューができるという。また、下ごしらえが不要ということは無駄なゴミも出ないのである。

米国産フローズンポテトと生鮮じゃがいもの比較結果
日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る 日本の厨房にヘルシーなアメリカ食文化を!-米国ポテト協会の開拓精神に迫る

ジャガイモそのものを購入してみたら、すでに芽が出ていて使えないという問題もあるだろう。当然のことながら、アメリカ産フローズンポテトとディハイポテトにはその心配がなく、食材のロスが発生しないのもコスト削減につながり、大きなメリットになる。また、ジャガイモから大量にマッシュポテトをつくろうと思ったら、スタッフの誰かが作業にかかりきりになるだろう。それが、解凍するだけ、お湯で戻すだけなので、なんとも手軽な製品である。

「 アメリカ産フローズンポテトとディハイポテトは、生鮮ポテトに比べて賞味期限も長いですし、必要な分量だけすぐに使えるのも便利です。人件費・光熱費まで含めてトータル的にコストダウンできると思います。さらに、これひとつもっていれば、パンもマッシュポテトもデザートもつくれるという汎用性の高さもあります。料理人のアイデア次第で何でもできるのも特徴だと思います 」 (友田氏)

米国産ディハイポテトと生鮮じゃがいもの比較結果
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製品の種類が豊富というのも外食店にとっては大きなメリットになるだろう。たとえば、フローズンポテトにもディハイポテトにも、千切りになったシュレッドや、グラタンなどに便利なスライス、カレーやシチュー向けのダイスといった形状がある。それぞれ同じ大きさに手作業でカットするのは大変だが、均一サイズに加工してあるので、オペレーションの合理化・簡素化になる。アメリカ産フローズンポテトあるいはディハイポテトを使用した外食店舗から、「 一度使うと手放せなくなる 」 という声が多く聞かれるのもわかるような気がする。次回は、フローズンポテト、ディハイポテト、それぞれの製品特徴とおすすめレシピを紹介する。



米国ポテト協会 友田理絵氏

米国ポテト協会

http://www.potatous-jp.com/

●団体概要 生産者の目線でアメリカ産ポテトのグローバルな発展を

コロラド州デンバーに本部を置く米国ポテト協会は、全米のポテト生産者を代表する非営利団体である。1971年の設立当初、「ポテトは太りやすい」といったマイナスイメージがアメリカ国内にあり、消費者に栄養価などに関する情報を提供することでそのマイナスイメージを払拭する目的で米国ポテト協会は設立された。その後、活動範囲を広げ、現在は、日本、韓国、中国、香港、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、メキシコ、コスタリカの12の国と地域に代表事務所をおき、アメリカ国内だけでなく世界各国でアメリカ産ポテトについての教育プログラムを展開している。

●米国ポテト協会のサポート・プログラム 米国ポテト協会は、サンプルの提供、メニューやレシピの開発、メニュー提案セミナーの開催や技術的サポート、店内デモンストレーションの実施、POPツールの制作、企業協賛、PR活動など、輸入および卸売、小売、食品メーカー、外食産業の各業態に応じたサポート・プログラムを提供しています。

●取材協力 米国ポテト協会 日本代表事務所 プログラムコーディネーター 友田理絵氏

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