外食ドットビズでは、本年最初の特集で、「飲食店におけるリスクとその対策」という観点で、総合保険内容について掲載いたしました。今後も企業コンプライアンス CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)といったことが重要視されて来ることは間違いありません。
そこで今回は、ブログ・バーのアクセス数 NO.1 の≪お助けマンが行く!≫でお馴染みだけではなく、企業のリスクマネジメント分野でもご活躍中の宮本健さんに、「飲食店におけるリスクマネジメントの導入編」について語っていただきました。
今回はリスクマネジメントについてのまとめです。
第3回目以降、飲食店で実際に起こりうるトラブルの具体例をお話ししました。
トラブルはどいうわけか忙しいときに起こり、しかもその対応は全ての業務に優先させなければなりません。
トラブルは突然襲いかかってくるものと思われがちですが、実は多くの場合で予知、予測が可能です。つまり、「事前準備」が可能なのです。想定できるトラブルの芽を事前に摘み取り、起こりにくい環境をつくることこそ優れたリスクマネジメントです。
それでも人間はミスを犯します。万全を期してもトラブルは起ってしまいます。
ですが、心構えができていれば、とっさの対応もうまくいくものです。また、一度起きたことは二度と起こさない。これまでの繰り返しお話ししてきた 【 再発防止策を皆で考える 】 ことこそリスクをマネジメントすることです。
できる限り事故から時間を置かずに、多くのスタッフで再発防止策を話し合ってください。体温が高いうちに話し合わないと、対策はボヤけてしまいます。
リスクマネジメントとは 【 トラブルを予測し事前に対応策を立て、被害を最小限にとどめ、再発を防止する 】 ことなのです。
リスクマネジメントを図示してみます。
A:危機を回避する (起こさない努力、常につま先立つ)
B:被害を最小化する (発生時の正しい対応)
C:二度と再発させない (体温が高いうちに対策を考える)
この様に、A ⇒ B ⇒ C ⇒ A・・・とサイクルをまわしていくことが必要なのです。私はこれをリスクマネジメントサイクルと呼んでいます。
『 安全第一 』 は、工事現場だけのスローガンではありません。 『 店舗 』 も同じなのです。
トラブルの多くはミスそのものよりも、その後の対応のまずさが問題を大きくします。
謝罪は全身全霊、誠心誠意。心からのお詫びの気持ちが伝われば、お客様は許してくださります。
再び、店舗に襲いかかるリスクあれこれ・・・
自然災害 障害 |
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食の安全 |
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顧客トラブ |
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社内トラブル |
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さあ、皆さんの店舗では、これらのリスク対策をお考えでしょうか?
備えあれば、憂いなしです。ぜひ皆さんで話し合ってください。
日常業務に 『 慣れ 』 てしまい、潜むリスクが見えなくなっている状態はとても危険です。
次回は、いよいよ最終回です。
飲食店経営リスクマネジメントの根幹である 「 店舗出店 」 についてです。
宮本 健(ミヤモト タケシ)
トヨタ系列の自動車製造会社で「カンバン方式」や「安全管理」「品質監理」、建築・店舗設計事務所にて「店舗設計・工事監理」を体得。
その後、外食産業にて、「店舗設計」「危機管理・リスクマネジメント」「運用ルール作成・改善」「衛生ルール構築」「内部監査部門の設立」「交渉業務」等、多岐にわたる業務を行う。
現在は、≪アットエイド有限会社≫の代表として、ビジネス番組出演や、企業のCS(顧客満足度向上)講師等も行う。
宮本氏ブログ お助けマンが行く!