外食ドットビズでは、本年最初の特集で、「飲食店におけるリスクとその対策」という観点で、総合保険内容について掲載いたしました。今後も企業コンプライアンス CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)といったことが重要視されて来ることは間違いありません。
そこで今回は、ブログ・バーのアクセス数 NO.1 の≪お助けマンが行く!≫でお馴染みだけではなく、企業のリスクマネジメント分野でもご活躍中の宮本健さんに、「飲食店におけるリスクマネジメントの導入編」について語っていただきました。
外食店舗において最も重要なリスクマネジメントは衛生管理です。プロとしてお客様に美味しい物を食べていただくこととともに、安全なものを食べていただくことは当たり前のことです。
衛生管理の基本は 手洗いです。どこの外食店舗でも「手洗いの励行」はルール化されていますが、守られていない店舗が割と多いことを経験上知っています。
何故守られていないのか? これはスタッフの怠慢と片付けてしまうこともできるのですが、最大の原因は「手の汚れは目に見えない」からだと思うのです。
私は外食チェーン企業で衛生管理の責任者をしており、スタッフに手洗いの重要性を知ってもらうためにある実験をしました。
目に見えない手の汚れを化学的に「見える化」したのです。
まず、手洗い前の手を細菌数を調べるスタンプで拭き取り、次にルール通りに手洗いをした後の手をスタンプで拭き取ります。それぞれのスタンプにどれだけの細菌がついているか、ビジュアル的に分かりやすく比較したのです。
この比較結果は衝撃的です。普段の手は目に見えなくとも細菌ウヨウヨな状態であることと、手洗い後には綺麗な手であることが明確に現れます。
この後はご想像通り、スタッフの手洗いの意識は格段に向上しました。
「手洗いのルール」をつくることよりも「なぜ手洗いをするのか」を教えることの方が重要なのです。
このやり方はとても多くのケースで役立ちます。
ルールはあるけど、守られてないことってイロイロありますよね。守る理由がわからなければ人は動きません。
さて、今回の本題に入ります。
今回は、外食店舗で実際に起こりうるトラブルとその対応策についてです。
まさか、その女性に対して、「白いスカートをはいてうちの様な店に来ないでください。」と言う方はいらっしゃらないと思いますが、 対応策としてパッと以下のことが思い付く状況にしてほしいものです。
全ての対応を思い浮かべた方はリスクマネジメントのスキルが高い人です。
これらのことを実践する為には、普段からの危機を予知・予測することと、トラブルが起きたときの対応策についてルールを決めておき、その重要性を話し合っておくことが必要なのです。
さて、今回のケースで大切なことは、
ことをしっかりと理解して下さい。
ついつい衣類などの「モノ」の対応を優先しがちですが、お身体が最優先です。
さらに、これらの対応 ▽ までできれば、リスクマネジメント上級者です。
ここで重要なことは、
ということです。
次回も他の事例でご説明していきたいと思います。
宮本 健(ミヤモト タケシ)
トヨタ系列の自動車製造会社で「カンバン方式」や「安全管理」「品質監理」、建築・店舗設計事務所にて「店舗設計・工事監理」を体得。
その後、外食産業にて、「店舗設計」「危機管理・リスクマネジメント」「運用ルール作成・改善」「衛生ルール構築」「内部監査部門の設立」「交渉業務」等、多岐にわたる業務を行う。
現在は、≪アットエイド有限会社≫の代表として、ビジネス番組出演や、企業のCS(顧客満足度向上)講師等も行う。
宮本氏ブログ お助けマンが行く!