OFSCは、これまで任意団体としてITをキーワードに外食産業の活性化を目指してきたが、去る3月19日に開催された2009年度全体会で法人化を決議、4月28日に一般社団法人化を果たした。OFSCは、ITの重要性を啓蒙するとともに、費用対効果の高い仕組みを外食企業が採用できるよう日々活動してきたが、今後は責任ある一般社団法人として生まれ変わり、活動をより活性化させる構えだ。今回は、 その全体会の内容を紹介するとともに、特別講師として招かれた、すかいらーく創業者の一人である横川竟(きわむ)氏の貴重な講演の内容をお伝えする。
これは、OFSC会則上の 「 大会 」 にあたるもので、以下の3議案について審議された。いずれの議案も過半数を超える賛成を得て承認決議されている。
【 1号議案 】 定款承認の件
2009年度第1回全大会で承認決議された、一般社団法人で「非営利型が徹底された法人」を選択し、一般社団法人設立後に体制が整い必要性等を見極めた後、公益社団法人への移行を目指すことを受け、公益社団法人に移行可能な定款(案)として作成したものを承認決議した。_なお、今承認後の軽微な変更は設立時理事に一任となる。
【 2号議案 】 設立役員選任の件
理事候補4名、幹事候補3名が選出され、いずれも賛成多数で承認決議された。
理事(50音順)
会田邦広 氏(ACネットワーク株式会社 代表取締役)
加藤秀雄 氏(加藤事務所代表、元日経レストラン編集長)
村上健一郎 氏(法政大学大学院 教授)
湯澤一比古 氏(出井商事株式会社)
監事 (50音順)
伊藤成美 氏(日本リテイルシステム株式会社 代表取締役)
冨山恭道 氏(公認会計士・税理士)
【 3号議案 】 今後の法人設立手続き・移行の件
■定款認証(公証役場) 代表会員が設立時社員
■一般社団法人設立登記申請
■一般社団法人成立
■会員の移行 任意団体OFSCから一般社団法人OFSCに移行することを承認し、その資産の承継も認める 「 移行承諾書 」 を会員が提出する。
■事務局を務める株式会社フォアサイトから資産等の移動、一般社団法人OFSC・株式会社フォアサイト間で必要な契約の締結
※ なお、同大会終了後の4月28日に、設立登記申請手続を行い、一般社団法人OFSCが成立している。
新規入会企業紹介
新会員として以下の4社が紹介された。
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社CSKシステムズ、インテル株式会社
経済産業省IT標準化委員会報告
経済産業省の指導のもとで推進している 「 外食産業向けITシステム・機器の接続規格の標準化委員会 」 に関しての活動報告がなされた。2009年度の活動成果として、外食業界ならびに企業が抱える現状課題5つがまとめられた。今後は、OFSC分科会でそれらを深堀して検討していくことになり、【1】外食業ITシステムの状況、
【2】外食企業の内部統制への対応については企業システム分科会が検討、【3】省エネルギーのためITと厨房設備の連携、【4】食の安全・安心、衛生管理、【5】店舗で利益を生むためのデータ活用については厨房システム分科会が検討していく。
ホテレス2010について
今年2月23日、24日に開催された展示会 「 ホテレス2010 」 にて、OFSCとして出展、店舗システム分科会・仮想店舗分科会の共同デモンストレーションを通じ、OFSCの活動成果を訴求したことが報告された。
店舗システム分科会
酒井敏成分科会長より、2月に開催された 「 ホテレス2010 」 での出展内容、並びにシステムの標準化の具体化を検討している 「 OFSC標準接続規格 実装ワークショップ 」 での内容が報告された。また、今後の活動として、厨房機器システム分科会と連動して厨房機器への標準の拡大、標準接続規格にもとづくシステム構築方法のサポートおよび普及活動を実施することも報告された。
厨房システム分科会
国方一郎分科会会長より、「 外食産業向けITシステム・機器の接続規格の標準化委員会 」 への報告書の概要が示された。09年度の厨房システムの課題としては、改正省エネ法の施行を背景に、省エネ実現に向けての “ 仕組み造り “ を検討した。また、オーダーエントリーシステム(OES)と厨房システムの連動メリットについての検討内容も報告された。OESと厨房機器は、店舗オペレーションの効率化が目的であったが、両者が連動することで、コストの削減やエコへの取り組みの具現化にも拡大する可能性がある。そのため、2010年度以降は、実店舗におけるデータ収集・作成、OES/キッチンコントローラ接続によるエネルギー消費削減シミュレーションの効果検証などを行っていくことが報告された。
※議題4.の横川竟氏による特別講演 「 外食産業のトレンドを読む 」 は次回掲載。
OFSC
OFSCは、外食産業のIT活用を更に促進するために活動している団体であり、外食企業並びに外食企業を支えるIT企業が、共に健全な成長をしていくことを目指している。
そのための理念として下記の2点を掲げている。
1.「 外食産業を支えるインフラとしてのITシステムの将来像 」 をつくりあげる
2.外食企業が直面する 「 日々の課題 」 に対しての解決策を検討・実行する
日々の活動は、課題ごとに分科会を設け、それに関連する会員が参画し検討・実行を行い、年3回行われる全体会議にてその成果を発表している。
■現在活動中の分科会
店舗システム分科会 企業システム分科会 仮想店舗分科会 マルチベンダー保守分科会 厨房システム分科会