視察2日目、早朝からまたもや興味深い出来事が連発したがここは我慢してレポートを忠実に。
初日に下見を行い、各パビリオンの配置、これは伝えたほうが良いと感じたところをピックアップしておいたのだが、正直にいうと広すぎてテーマを探すのに苦労した。
なにしろ会場のマコーミックプレイスが広すぎる。
展示場有効面積が204,600平方メートルというから東京ビッグサイトの80,660平方メートルの約2.5倍。この数字を最初から知っていたらシカゴに来なかったと思うほどである。
Northホール・Southホールの2会場を擁し、だいたい1対3の割合でSouthホールが広い。
最近ではラスベガスとこの手の展示会・興行の争奪戦になっているというが、ラスベガスを知らないのでこれも比較のしようが無い・・・。
幕張と東京ビッグサイトの争いかなぐらいで、非常にスケールの小さい思考になってきた。
会場周辺のこと
2日目で睡眠もままならないのだが、精神的に落ち着きが見えてきたので周辺のことを少し書こうと。
これもほとんどアメリカという国を知らないので比較が難しいが、非常に美しい町である。ガイドによると「イリノイ州北東部ミシガン湖に臨むアメリカ第三の都市で、中西部の商業、工業、交通の中心」とある。
・・・知らなかった。
・・・・・。
別にここでシカゴのガイドをするつもりは無いのでそういうことはまったく問題無しということにした。
我々が泊まったホテルはベスト・ウエスタングランドパーク、中央警察署におそらく近い。
ホテルの看板と玄関口あたりの風景。夜はさみしい。
そこからからタクシーで5分。乗り物等の手配や交渉ごとはすべてOFSC事務局の方々、および石田さんにまかせっきりで全然自分の国際経験になっていないのであるがこれもまったく問題無し。
わずか5分であるが、道が広く作られており、ソルジャーフィールド、バーンハム公園を横目に見ながら車窓を「映画のようだ」と思う。
展示会開催中はなにかとホテル側やタクシー運転手、地下鉄のスタッフともどもなれた感じでこのような訪問者に対応する準備ができているようで、うまいこと周囲の人々が無視してくれるのも気持ちが良い。
2日間のパターンは行きはホテルからタクシー、帰りは会場から徒歩0分で乗れる地下鉄でダウンタウンまで行き、店舗視察を終えて帰るというパターンで、ほぼ南北を行ったりきたりする。
地下鉄はほんとに会場徒歩0分。10分ほどでダウンタウンに到着する。
この分なら何事もなく過ごせるだろうと、変な自信がついてきた。
というわけでまた突然話を戻して、バイリンガル石田さんを装備した(させていただいてる)私は一路会場へ臨む。
演出はむしろシンプル。必要なことを真剣に考えて伝えるという演出。
午前中は下見の続きを行うことにし、また駆け足で会場を散策。
展示会を表現するにふさわしいモデルを思案するうち、途中で発見したKIOSK端末を紹介しているブースで、演出力というものに接したので紹介する。
手前がキャッシャ兼オーダー機。奥が通常の無人オーダー機。
デモブースが端末の配置された店舗を模してあり、もちろんハンズオンで操作説明が受けられる。担当者の説明も非常に丁寧。時々私でも少々聞き取れるぐらいのはっきりした表現を使ってくれている。(もっともこれは個人の能力かもしれないが)
コンタクト方法など本格的なアプローチはしなかったが一例として。
サンダースおじさんが動くのである。うるさい気がする・・・。
デモブースのテーマであるKIOSK端末は、対面式の画面構造をもったマスタ機器が2台、(これはキャッシャーとしても動作する。)顧客オーダー画面しか持たない端末が2台の構成で展示されていた。(実際の店舗とまったく同じかどうかは確認していないが、店舗のミニチュアで十分に表現されていた。)
カスタマが見るオーダー画面は実に楽しげなアニメーション効果を使い、わかりやすく遷移させてある。
ミニチュアで店舗設置イメージを再現。ミニカーがすごく精巧である。(重要)
実例(KFCでは~という方法で。実際にKFCで導入されているらしい。)では、まず、最初の操作は対面から店員が操作説明を行うとのことで、KIOSK端末での無人オーダーをできるだけスムーズに顧客に広めているようだ。
ここでは、無人オーダーが意味するものといったことは書かないが、端末そのものの出来(もちろん出来はよく、導入に主眼が置かれた動きだと思った。)より、成功例の具体的な提示は他を圧倒していたと感じる。
これは定着すると感じさせるデモンストレーションであったと思う。IT分野でこのような生々しい展示に出会ったのは初めてだ。
続いてまた散策。前述の通り広すぎて、あいかわらず配置の意味もよくわからない。
各パビリオンを一通り「通った」という段階で、ようやくテーマを絞る。
あとからまとめるが、非常に有用でかつ世界最大規模の展示会であるが、やはり見に来るのであれば事前にテーマが必要である。漠然と会場をあるくと演出に圧倒されて終わるような気がする。
日本の会場のようななんの関係も無い大音量の解説とか、コンパニオンとか、必要以上のノベルティに圧倒されるという意味ではなく、冷静に考えたら全然すごくないんじゃないのこれ、というものも、すごく見えてしまうという意味である。
むしろ会場はがやがやした感じのみで、何でがやがやしているかといえば一部の企業を除いて出展企業・来場者がこの場においてものすごく真剣に言葉を発しているのである。
(まあ、試供品のワインの飲みすぎで酔っ払っている人たちの喧騒もしばしば見かける)
真剣。時々来場者を笑わせたりする。この雰囲気は日本では絶対に無い。
そうなのである。素人目もあると十分認識しているが、出展されている内容のほとんどは、新しい取組みといったものでは無く(有るけど)、自分たちの商品を前にして、
「具体的にこのように利用されている。いい。だからお前も使え(または食え?)」
というストレートなトークが行われているようだ。「魅力的なマーケットプレース」という言葉を思い出した。本当の意味でチャンスをつかむという「場」「空気」が見事に作られている気がする。
下見を終えて、石田さんと合流。テーマを「Kitchen Innovations」パビリオンに決めた。イノベーション=革新である。先進的な厨房環境のデモンストレーションが募っているらしい。どんなことになっているのか見て伝えるべし。
やっと具体的なレポートになろうとしているが、ここらでまた休憩。
明日は Kitchen Innovations にいた個性的な人物や、未来思考の厨房機器の紹介にはいれると思う。
ご期待。
福本 龍太郎
国内コンピュータ販社にて流通小売業界向けSI事業部門を担当し、外食店舗店舗システムにも関わる。
現在は有限会社ノーデックス代表取締役。
ネットビジネス黎明期より各種サービスプロバイダを経験し、業務システムへのネット技術の応用・普及につとめる。