2002年の道路交通法改正による酒気帯び運転等の罰則強化以降ノンアルコール飲料は一躍脚光を浴びることになった。歓送迎会のシーズンを迎えるにあたって、アルコールが苦手な人ややむを得ず運転をしなければならない人を宴会に取り込んでいくかは、幹事のみならず飲食店の方々にも命題となるだろう。近年では、ビールテイスト、ワインテイスト、酎ハイテイストなどとノンアルコール飲料の種類も豊富になりつつある。このなかで宴会の乾杯には欠かせないビールテイストのノンアルコール飲料について取り上げさせていただく。
3月5日に住信SBIネット銀行が「ノンアルコール飲料に対するアンケート」を発表した。今回は、この結果をもとにノンアルコール飲料の動向を見て行きたい。
「 ノンアルコール飲料(アルコール1%未満の低アルコール飲料を含む)を飲んだことがありますか?」 という問いに対して、 「よく飲む」人から「たまに飲む」「これまでに1回~数回程度」まで含めると「飲んだことがある」人は80%に及んだ 。ここからノンアルコール飲料の認知が着実に広がっていることがわかる。
「 自宅では、どのくらいの頻度でノンアルコール飲料を飲んでいますか?」 という問いに対しても、「ほぼ毎日」飲む人から「月2、3日」「月1日以下」まで含めると8割近くの人が 「 自宅で飲んでいる 」 と回答している。ここからもノンアルコール飲料の需要が増えてきていると言えるだろう。
「 飲食店では、どのくらいの頻度でノンアルコール飲料を飲んでいますか?」 という問いに対しては、37.7%と1/3以上の人が 「 飲食店では飲まない 」 と回答している。これは、「飲む必要がない」「 飲みたくない 」という層 だけではなく、ノンアルコール飲料を取扱っている飲食店がまだ多くなく、「 飲みたくても飲めない 」 という潜在顧客層があると推察できる。ノンアルコール飲料を取扱うことで、飲食店にとっては、ビジネスチャンスが広がるのではないだろうか。
「 飲んだことのあるノンアルコール飲料の種類は何ですか?(※複数選択可)」 の問いに対しては、ビールテイストが圧倒的に多く68.9%で、続いてカクテルテイスト(酎ハイテイスト含む)が20.8%、ワインテイスト(スパークリング含む)が9.0%と続いている。ここから、飲食店のビジネスチャンスを広げるためにも、ビールテイストのみならず、カクテルテイストやワインテイストなどの品揃えも検討の余地があると考えられる。
「 ノンアルコール飲料を飲む理由(飲んだ理由)は何ですか?(※3つまで選択)」 の問いに対しては、「 運転する必要があるときに 」 が28.1%と最も多いが、「 お酒を飲んでいる雰囲気を味わいたいから 」 が11.8%、「 お酒があまり強くないから 」 が8.8%、「 休肝したいときに 」 が7.0%、「 昼間から飲むときに 」 が6.4%、「 健康を気遣って 」 が5.5%とノンアルコール飲料を飲む要因がかなり多様化していることがわかる。「健康」「休肝」などのワードを掲げたPOPやメニューブック、「昼会」や「女子会」などのメニューにノンアルコール飲料を使うことができるであろう。
「 ノンアルコール飲料を選ぶ基準は何ですか(※1つだけ選択)」 の問いに対しては、「 味・お酒らしさ 」 が68.1%と圧倒的に多かった。ここから、品揃えにあたって、ビールテイストであれば、よりビールの味に近い商品、ワインテイストであれば、よりワインに近い味の商品を選択していくことが必要であると言える。
(出典:「ノンアルコール飲料に対するアンケート」住信SBIネット銀行株式会社)
サッポロビール株式会社
1876年(明治9年)設立の開拓使麦酒醸造所で醸造された、北極星をマークとする冷製「札幌ビール」が社名の由来とされる。
1949年に大日本麦酒が分割された日本麦酒としてスタート。
1964年からは会社名もサッポロビール株式会社に変更。
2003年の持株会社制導入に伴い、新たにサッポロビール株式会社として設立。
代表者 代表取締役社長 寺坂 史明氏