外食事業における店舗経営の根幹と言われる“QSC”。飲食店を経営する方々は、様々な手法でQSCを管理していると推察する。厳しい経営環境が続く外食業界、今だからこそ、店舗のQSC力を高め、顧客満足度の向上と他店舗との差別化を図る必要があると考える。今回は、“QSCの見える化”を実現し、システムとして提供するNECの協力のもと、「QSC管理」のあるべき姿をひもといていきたい。
NECと外食業界の関わりは古い。1970年代に誕生した外食チェーンがまさに成長期であった80年代にPOSとオーダーエントリーシステムを核とした店舗ソリューションの提供を開始した。その後、ヒト・モノ・カネの管理をする販売管理システム、セントラルキッチンに関わるマーチャンダイジングや経理・財務・人事と言ったバックヤードソリューションまで手掛ける。その結果、すかいらーく、日本マクドナルド、ゼンショーなど 錚々 たる外食企業に同社のソリューションが導入されることとなった。
外食業界は、現在様々な課題をかかえている。その様な中、この業界に豊富な実績を持つ同社だからこそ、同業他社とは違った視点で、この課題に対する解決策を提供する。
先月、公益財団法人 食の安全・安心財団より平成24年度の外食産業市場規模の推計値が発表された。これによると昨年の外食産業市場規模は、23兆2386億円で前年比1.5%と5年ぶりの増加となった。しかしこれは、平成年間でみると、東日本大震災の影響で22兆9034億円であった平成23年度の次に低い数値となっている。つまり、外食産業の縮小傾向に歯止めがかかっていないと言えるのである。この背景として、景気低迷による消費者支出の抑制もあるが、中食業界やコンビニなどの異業種との競争が激化していることが上げられる。
この様な厳しい状況下で外食企業が生き残るためには、“ 外食 ” の強みを活かし、異業種との違いを明確にした魅力ある店舗づくりが必要となる。その一つが 「 居心地の良い空間と気持ちの良いサービス 」 の提供である。また、中国産食材や食品偽装問題、生肉食中毒など食に関わる不祥事が多発し、消費者の 「 食の安全と安心 」 に対して求めるレベルが高まった。これにより、外食企業は、今まで以上に 「 食の安全・安心 」 に対して真摯に取り組んでいく必要が生まれた。
以上のことから、「 食材品質、心地良いサービスと空間 」、いわゆる “ QSC ” が外食の強みであり、最も力を入れていく必要がある業務と言える。しかし現場を見渡すと、主担当である店長やエリアマネージャーなどの店舗管理者が他の業務に忙殺され、なかなか “ QSC ” まで手が回っていないのが現状である。
チェーン店舗経営においては、店舗側で注力すべきことは 「 QSCの高度な維持 」 と 「 FLコストの管理 」 の2点である。この“QSC”に関わる管理業務を、如何に効率良く、如何に短時間で実施できるかを追及し生み出されたのが、「 QSC管理サービス 」 や 「 勤務管理サービス 」 など4つのサービス機能を有するNECの 「 NeoSarf / FoodService 」 である。
このサービスの大きな特長は、アナログ的な業務である “ QSC 管理 ” に対し、 IT による “ 見える化 ” を図ったことで、最大のメリットは、クラウドサービス化することにより、 1 店舗あたり月額約 2,000 円という低価格で運用できるところにある。
次回は、NECが提供する「現場力」向上支援のサービスについて見ていく。
外食業クラウドサービス 「NeoSarf/ FoodService」
http://tr.webantenna.info/rd?waad=Qzj5TSE2&ga=WA8O62-1
日本電気株式会社
本社 東京都港区芝五丁目7番1号
創立 1899年(明治32年)7月17日
代表取締役 執行役員社長 遠藤信博
グループ主要事業 ITソリューション、キャリアネットワーク、社会インフラ、パーソナルソリューション
取材協力