エビス<樽生>など人気ブランドを持つ サッポロビール が、業界に先駆けて発売した新ジャンル(いわゆる “第3のビール”)の樽詰 「 麦とホップ 」。ビールと間違えるほどのうまさと評判の麦とホップが現在飲食マーケットではどのように受け入れられているのかを検証した。
今回は震災からの復興を目指す仙台市の 「 旅館的個室酒場 鍋屋兼臓 」 を経営する株式会社スタイルスヴォイスプロダクトの代表取締役佐々木浩史氏にお話をお伺いした。
-「 旅館的個室酒場 鍋屋兼臓 」 の概要をお聞かせください。
2010年9月のオープンですからまだ1年経っていない店です。業態としては居酒屋ですが、「 昭和の温泉旅館 」 をコンセプトにしたディティールづくりをしています。お越しになられたお客様には温泉宿の雰囲気のなかでホッとしていただけると思います。料理としては肉料理が中心で、特に内臓系をメインにしているメニュー構成ですが、ユッケ事件の影響もありまして、現在では海鮮物もお出ししています。私が石巻出身ということもありますが、なかなかいい魚介類です。名物になっているのは 「 ホルモン鍋 」 です。新鮮なホルモンとキャベツ、豆腐、にらが入った鍋料理です。1人前からご注文をお受けできます。
-麦とホップ樽詰を採用した理由をお聞かせください。
一つはリーズナブルなお値段でお出しできるという面ですね。ビール系は 「 ヱビス 」 と 「 麦とホップ 」 をお出ししているんですけれど、プレミアムビールの高級感とビールのように美味しいのに安いというお手軽感というバリエーションを持たせたいと思ったのが1点目です。
もう一つは仙台は昔から飲み放題の文化が根強い街なんです。全国的にも珍しい地域だと思うんですが、宴会のお客様だけではなく、フリーのお客様も飲み放題を頼まれるのです。一般的にフリーのお客様はショットで飲まれるのが普通なのですが、仙台ではお二人で来られても 「 飲み放題2つ!」 となるわけです。飲み放題がショットに比べて原価が高くなるのは仕方がないのですが、飲み放題のアイテムとして 「 麦とホップ 」 が導入しやすいというのが2点目ですね。
味に関しては問題ないですね。美味しいですからね。お客様から 「 これはビールじゃないじゃないか 」 などとクレームを付けられた記憶は全くないですから。
当店では、「 麦とホップ 」 の飲み放題を1300円、「 ヱビス 」 も飲めるプレミアム飲み放題を1800円でご提供していますが、ご注文としては 「 麦とホップ 」 が8割方を占めています。そういった面からも充分ご満足しているのではないかと思います。年代的には20代、30代の方が 「 麦とホップ 」 派ですね。こういう方々はできればトータルで2500円で済ませたいという人たちですね。
-麦とホップに合う料理とお勧めの料理をお教えください。
一番合うのは 「 ホルモン鍋 」 ですね。鍋というと秋とか冬のイメージが強いですが、当店では通年でお出ししています。暖かい時期でも結構出るのですが、これに「麦とホップ」は合うと思います。それとホルモン焼きと焼きとん系にも合うと思います。まあ、焼肉系とビールは相性がいいですから。
-サッポロビールに期待することがあればお教えください。
ビールはもちろんいいのですが、ビール以外でキラー商品を出して欲しいですね。最近のお酒を飲んでいるお客様の状況を見ているとビールならビールだけというようなオンリーワンの種類で飲まれる方よりも色々なバリエーションで飲まれる方が結構多いですね。例えばマッコリでもいいんですが、ちょっと甘めですから女性向けですね。この店は女性をもっと集客したいという思いがありますから、マッコリをベースに面白いカクテルを提案いただけるとかだといいですね。そう今以上に色々とご提案をいただけるとありがたいですね。
編集後記
取材の後、宮城大学の先生と待ち合わせをして 「 鍋屋兼臓 」 で食事をいただく予定であったが、残念ながら先生が体調不良のため、一人でいただくことになってしまった。名物 「 ホルモン鍋 」 を注文したが、確かに1人前から注文でき、しかも620円と非常にリーズナブルであった。贅沢な悩みだが量が多すぎるために 「 ホルモン焼き 」 「 焼きとん 」 といった肉系を頼むことができなかった・・・。
仙台の街中を見ると平時そのものであるが、地元の皆さんの心には大きな傷が残り、まだ癒されていないと感じた。
私にできることはほとんど無いが、「 がんばれ東北、がんばれ宮城 」 と心より応援させていただきたい。
旅館的個室酒場 鍋屋兼臓
http://www.styles-v.com/shop/nabeken/
住所:仙台市青葉区一番町4-10-14 定禅寺ビル3F
電話:022-713-7851
営業時間:17:00~01:00(L.O.24:00)
定休日:なし
店長:柿本樹氏
取材協力:株式会社スタイルスヴォイスプロダクト 代表取締役 佐々木浩史氏
文: 斎藤栄紀