エビス<樽生>など人気ブランドを持つ サッポロビール が、業界に先駆けて発売した新ジャンル( いわゆる “第3のビール” )の樽詰 「 麦とホップ 」。発売から半年たった今、マーケットではどのように受け入れられているのかを検証した。
今回は飲食店の激戦区大阪・天満で今年の1月22日に新規オープンした 「 黒毛和牛焼肉 犇屋 天満店 」 を経営する 株式会社RETOWN の松本篤社長にお話をお伺いした。
− 「 黒毛和牛焼肉 犇屋 」 の概要をお聞かせください。
【 松本社長 】 会社創業以来、30数軒のお店を出させていただいておりますが、唯一一軒だけ撤退したお店があるんです。それが兵庫の三田市に出した焼肉屋さんだったんです。それ以来リベンジしたいなと常に考えていました。けれど関西は、問屋さんやメーカーさんが直営店を出すような激戦区で安易な価格競争をしたら厳しいとなかなか踏ん切りがつかなかったのです。
そのような時に元々焼肉チェーンの役員をしていた小池部長から牧場との直取引の話を聞きました。二人で美味い牛肉の生産者を探しているうちに、遂に岡山県新見市にある哲多和牛牧場から、A4、A5といった高品質な牛肉を仕入れられるようになったのです。タイミング良く、天満に割安な焼肉屋の居抜き物件が見つかったので、すぐに出店を決めました。天満には安くて美味しいお店がたくさんあり、お隣は繁盛老舗焼肉店の玉一さんという厳しい立地条件。一等地ではありませんでしたが、ここで勝てば次の展開もしやすくなるとの信念で出店しました。
“ 犇屋は、高品質なお肉を食べ放題と同じ価格で食べていただく ” というコンセプトで、A4、A5といったご家庭ではなかなか食べられないようなお肉をお安く食べていただこうと出したお店です。お陰さまでブログに取り上げられたり、お客様のリピート率も高く推移したりと順調に来ています。
− 「 麦とホップ 樽詰 」 を採用した理由をお聞かせください。
【 松本社長 】 麦とホップについては、一般消費者向けの商品として、田村正和のテレビCMで知っていましたし、それまでにも僕自身何度も飲んだことがあって、発泡酒よりビールに近い味だなと言う感じはしていました。
サッポロビールの営業マンの方からも 「 実は、原材料に関してはむしろ発泡酒やビールよりも贅沢な使い方をしているんです。クオリティには凄く自信があるんですよ。」 とお聞きして、ますます美味しく感じるようになって(笑)、お肉にもドリンクにもクオリティを求めようと。純粋に麦とホップは美味しいなと思いましたので、サッポロビールさんにお願いしました。
− 「 麦とホップ 樽詰 」 に対するお客様の評価をお聞かせください。
【 松本社長 】 当店は、ドリンク類が280円均一で、サッポロ生ビールを400mlジョッキ、麦とホップ 樽詰を520mlの大ジョッキでご提供しているのですが、沢山飲めるので、お客様にとってお得感を感じていただけているようです。
また、他のお店ではビールと発泡酒を使っていたのですが、まれに 「 やっぱりビールとは味が違うね 」 と言うお客様がいらっしゃたのですが、麦とホップに替えてからそういう声は聞かなくなりましたから、お客様の満足を得ることができているのではないかと思います。
【 小池部長 】 焼肉業態ということもあって、ビール類が一番多くご注文いただけるのですが、麦とホップに関しては 「 なんでこんなに味がビールに近いの? 」 とお客様に言われることがあります。逆に 「 美味しくないね 」 と言われることもないですし、量も良く出ています。
− 「麦とホップ 樽詰」に合う料理をお教えください。
【 小池部長 】 (当店の)お肉は、全部、麦とホップに合うと思いますよ(笑)。
− では、お店のお勧めメニューをお教えください。
【 小池部長 】 まずは、希少部位の “みすじ” ですね。ヘレ、リブロース、霜降りロースなどもお勧めですね。お徳なのは特選盛合せですね。ハネシタロース、サーロインやヘレといった自慢の品々がセットになっています。このロースで550円(税抜)、こちらの壷漬けは450円(税抜)ですから自信を持ってお勧めできます。
− 最後にサッポロビールに期待することがあればお教えください。
【 松本社長 】 サッポロビールさんとは、 「 ちんどん 」 の1号店を出した時からのお付き合いで、担当の方は僕以上に当社のお店に行ってくれていると思います。そういう意味では戦友みたいな感じですね。
新商品が出たり、ドリンクメニューを組み替える時なども、まずサッポロさんから提案を頂いて、そこから僕たちも落とし込んでいくと言う形でやっていますからドリンクメニューに関してはそれこそ二人三脚でやっています。いわばドリンクの商品開発に関しては、サッポロさんにアウトソーシングをしているようなイメージですよね。
そういう意味では、僕たちにとって欠かせない存在なので、これからも末永くいい関係を作って行きたいと思います。
編集後記
取材の翌日愚息の入学祝いを兼ねて家族5人で犇屋を早速訪れた。義父は長く外食企業で購買をやっていたため、肉の品質に厳しい人間である。その義父にお店の冷蔵ショーケースに並べられたブロック肉をみて 「 これはええ肉を使こうとる 」 と言わしめるほど良い肉を仕入れていた。
578円のロース、カルビは勿論のこと、368円の切り落としカルビでさえ柔らかく美味しかった。義父いわく 「 本当に質の高い肉を安い値段で出しとる 」 とうならせていた。特に希少部位である三角バラ(1134円)は絶品だそうである。
お値段はと言うと5人で14,550円。一人当たり2,900円という食べ放題の店に匹敵するほどの安さであった。家族全員満足したのはいうまでもない。
もちろん、ドリンクは280円で大ジョッキというお得感のある “ 麦とホップ ” をいただいた(笑)。
写真右:代表取締役 松本篤氏
写真左:店舗開発部 部長 小池暢一氏
黒毛和牛焼肉 犇屋(ひしめきや) 天満店
「 高品質な焼肉を食べ放題と同じ価格で食べていただく 」 をコンセプトに、今年の1月22日に新規オープン。A4、A5といった高品質の肉を350円(税抜)~ というリーズナブルな価格で提供する。
ドリンクもアルコール類が280円(税抜き)均一、ソフトドリンク類が100円(税抜き)均一という価格設定である。
住所:大阪府大阪市北区池田町17-5
電話:06-6352-4129
営業時間:平日 17:00~24:00(ラストオーダー23:30) / 土・日・祝 16:00~24:00 (ラストオーダー23:30)
文: 斎藤栄紀