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厨房機器の今と未来を知る ~厨房機器の進化と発展~ 株式会社シニリトル ジャパン 伊藤芳規氏

厨房機器の今と未来を知る 厨房機器の進化と発展第二章 フードサービス進化系に見る通信システム融合と考察

第7回 厨房内作業の管理で求められるものとは!

厨房内作業の管理で求められるものとは!

厨房内作業の管理で求められるものとは! 販売傾向と売り傾向を分析し情報の共有化を図る。
それは即ち、司厨者も販売予測を掌握できる環境となる。その為、時間帯毎に必要となる各調理品の必要食材と数量を予め準備できる厨房作業となる。現状の食材準備では、種類別に保管した小取出し食品保管庫からの取り出し作業が行われる。必要食材の管理が明確になる環境では、概念を変化させると、肉・魚等のアントレー、それに必要となる調味料やソース、添え物のガルニ、付け合せの野菜類、ドレッシング、あるメニューで必要となる食素材を種類毎パッキングや密閉コンテナーへ予測値を基本とした数量を準備し、保管する概念も検討できる。

厨房内作業の管理で求められるものとは! 保管場所では同一の庫内と考える。
冷凍や冷蔵帯の温度保管環境で考察が必要となるが、チルドや氷温帯で保管し、調理できる食材もある。炒め、揚げ、焼くと調理機器の配置分散は変わらないが、オーダー後の輻輳する取り出し作業や調理食材の数量管理では貢献すると考えられる。冷凍品をチルド状態へ解凍すると、一定時間外の再利用は難しい面はあるが、オペレーション改革面では一考有りかと思われる。

厨房内作業の管理で求められるものとは! >売り前予測数が明らかとなる環境では、各食材の欠損や提供前ラインの余剰在庫を低減させる。
これは提供遅延や食材の品質向上、食材廃棄ロスへ貢献する環境となる。特に、オーダーや販売前に加熱調理の準備をする調理品郡、盛り付け準備をする生鮮食品郡では、予測数値の違いは、そのまま廃棄や提供遅延の原因となる。加熱提供前の食材を予めポーショニング出きる調理品郡は、データ予測を元に保管庫へ準備。

図5厨房内作業の管理で求められるものとは! 同様に調理レシピや作業シナリオが整った環境では、熟練司厨者に頼る厨房作業から、ある程度技量のあるパート/アルバイトでも調理作業を任せられる環境が実現できる。
特に、提供前の必用食材準備と掌握では、下拵え作業の数量管理も同様に管理できる環境となる。野菜の荷捌きと洗浄やカット、冷凍品の荷捌きと解凍、チルド食品の容器移し替え、どの時間帯に幾つの数量を準備するのか掌握出来る環境となる。結果、時間帯別下拵え作業量の掌握では、無駄がない司厨者の配置構成へ貢献。労務コストの抑制へ貢献する環境となる。

加熱調理機器の作業管理と加熱調理機器の加熱パワー抑制

売り前予測が明らかとなる厨房環境では、その店の調理量の傾向を、厨房内司厨者が掌握出きる環境となる。その為、時間帯毎に変化する加熱調理の稼動状況がも同様に掌握できる環境となる。複数台の調理槽が分離するメンボイラーやフライヤー、多段式のコンベクション焼物機、加熱面を分割稼動できるグリドル等、調理繁忙とそれ以外の特性掌握は、常に複数台を調理準備状態にしなくてもよい時間帯が掌握できる。営業開始後、従来の調理機器起動開始と放置環境から、調理需要に則した稼動状態への変化は、エネルギー消費への抑制へ貢献できる。

加熱調理機器の作業管理と加熱調理機器の加熱パワー抑制 限定する調理工程中、調理加熱の特性(加熱温度と食材芯温・調理時間)を予め加熱機器へインプット出来る調理設備のシステム環境では、熟練司厨者でなくとも、調理を行える環境が構築できる。この場合。各調理機器は調理加熱の状態を司厨者へ伝達する手段が必要となる。伝達手段では、加熱中の食品温度、機器の加熱時間がデジタル伝達される。追加機能では調理中、調理終了時では、ブザーやランプ警報の装置により、完了通知を伴う事となる。関連するレジタルレシピの構築は、迅速なる飲食店舗の展開へ大いに貢献する考えとなる。

加熱調理機器の作業管理と加熱調理機器の加熱パワー抑制 調理繁忙時とそれ以外の時間帯を掌握できる環境では、上記加熱調理機器と連動する給気排気も同様、パワーの強弱を制御できる環境となる。特に電気式 IH調理器等では、調理時段階で ON/OFF を繰り返す機構となり、調理通電段階で、付属する給気排気設備が起動するシステムも検討できる。その場合、調理後の臭気拡散を考慮させ、調理停止後のタイムラグは必要となる。調理繁忙と連動する給排気設備の実現は、飲食設備環境の消費エネルルギー抑制へ大いに貢献する事となる。だが現在日本の給排気設備は、シロッコファン(天井裏設備)から必要ポイントへ分岐する工事方針であり、繁忙時とそれ以外に対応した給排気連動のダンパー制御システムは著しく施工例は少ない情況である。

まとめ

飲食業のサービス面を担うスタッフや調理場での司厨者サイドは日々の運営で培われた対応や技能習得、経験を積み重ねる中、大き な営業障害も無く、店舗運営は行われる。特に国内では言語共通化の作業環境であり、店舗管理や司厨者は日々の運営においては暗黙の了解の中、来店者の需要と供給を予測し、各種準備とサービス業務は行われる。任された業務は履行され、何ら過不足も咎められない飲食運営の日々がある。

まとめ一方、飲食経営者陣では、人件費や食品安全維持を含む食材費、水光熱の高騰、家賃、各種保険の適応。それに加え、店の信頼維持と来店客の確保、売り上げと戦略企画。収益確保へあらゆる対応と改善は繰り返され、飲食経営改善と利益確保は比例しない状況となっている。

しかし、飲食業における収益改善へのソリューションは本当に行われてきたのか。売り上げ分析で言うレジの管理 POS の各種集計と戦略、店舗告知でのウェブサイトの充実。厨房内では調理機器の各種開発とオートメーション制御の開発は行われて来たとも言える。だがサービスに対する対価を与えてくれるのは来店者であり、購買者である。特にPOSで管理する計時売り上げ推移と変化は、その店に来店、購買されるお客様の不満要素を含む微妙な顧客心理や無言の評価が表れている。

まとめ本当の改革とは、今ある経営管理ツールを読み解き、その店の評価となる喫食ニーズやウィークポイントを明らかにする。その分析ツールの代表例がPOSである。計時変化するニーズ分析は、次なる顧客確保への戦略となり、対応策となる。また最も重要な事は、分析結果はBOH司厨者サイドへも伝達し、情報を共有化させる事である。

フロントと厨房サイドは飲食業にとって表裏一体である。情報の共有化で生まれる新なソリューションとなり、本当の収益改善へと導かれると考える。しかし、味覚の追求と飲食サービスに不可欠であるホスピタリティー精神が欠如する場合は例外となる。



伊藤 芳規(いとう よしき)

1960年 福岡県出身。信州大学大学院(生命機能・ファイバー工学)。大光電気系列社にて店舗用照明デザインを学ぶ。北沢産業に入社、厨房関連設備設計に従事する。その後、大日本塗料照明部 ニッポ電機にて照明デザインに参加。88年ツカモト&アソーシエイツ事務所(T&A)に参加。多数の飲食施設プロジェクトに従事。92年エーエフディーコンサルタンツ(AFD)設立に参加後、98年(株)シニリトルジャパンに入社。現職に至る。

株式会社シニリトルジャパン

株式会社 シニリトル ジャパン

http://www.cljapan.com/

執行役員 / チーフコンサルタント
Cini・Little Japan、Inc.
Executive Officer FCSI (Food Service Consultants Society International) Professional Member
感性工学会 フードサービス研究部会 副会長
電化厨房フォーラム21 厨房設計部会 会長

著書、寄稿
・Vessel Sanitation Program (船舶サニテーションプログラム運用マニュアル) 翻訳 (日本外航客船協会) ・飲食店のキッチン計画・飲食店のオープンキッチン計画 (商店建築 共著) ・飲食店舗設計計画の設備改善(経済調査会)、建築設備と配管工事、月刊食堂、飲食店経営・月刊厨房寄稿、食品産業新聞、他多数。

第1章 北欧と米国そして日本の厨房機器思想と設備環境の動向

文 : 伊藤芳規

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