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厨房機器の今と未来を知る ~厨房機器の進化と発展~ 株式会社シニリトル ジャパン 伊藤芳規氏

厨房機器の今と未来を知る 厨房機器の進化と発展第二章 フードサービス進化系に見る通信システム融合と考察

第6回 国内に求められる厨房環境と通信システム応用

国内に求められる厨房環境と通信システム応用
1. 飲食環境と POS の応用

諸外国の厨房作業と設備連動の融合化と研究が進む中、国内のキッチン環境への通信システムの応用も同様に検討する状況となった。特に大型施設(病院、給食、惣菜センター)等、ある一定規模以上の施設で標準化となる調理加熱工程T・T・T(Time temperature Tolerance)管理、HACCP調理作業工程の管理と履行。各作業ステップの各管理項目では、現時点から過去の危機阻害要因の履歴管理が中心となる。だが一般飲食業の事務管理(フロント)における有益なPOSデータを応用させ、各調理作業へ寄与するデータ応用の進化は見られない。

国内に求められる厨房環境と通信システム応用お客様へのサービスと対価における販売実績はそのお店の評価である。そこに見られる販売傾向はそのお店の地域特性が表れ、繁忙や閑散時の評価も明らかとなる。POS(Point of sale)販売履歴では、販売におけるPOS販売した時点の情報を管理する役目だと言われる。

また、POS導入の主目的では販売種、販売価格、数量、日時等の販売実績と情報管理である。そのPOS応用効果では何時、どの販売種が提供したか、または売れたか、数量実績も含め管理者サイドに売れ行き情況や傾向を掌握できる環境を目的とする。付加価値情報では利用者の性別や年齢層、天気も含め、履歴管理される。その売上げ傾向と販売量はBOH厨房内の各作業ボリュームとなり、作業シフトや調理戦略への基本情報となる。

国内に求められる厨房環境と通信システム応用
2. BOH 厨房環境と POS データの応用

冷凍、チルド食品等の洗浄、カット工程を経由した下処理済み食品が横行する中、従来の専門的調理技術や能力は不十分な飲食環境でも、各管理者の経験により、ある程度売上げ推移の予測を基に、調理前食材と数量準備は出来る環境となった。

国内に求められる厨房環境と通信システム応用特に、売上げに貢献するメニューでは、POSログ集計で管理と分析できる環境では大いに参考となるツールである。ファミリーレストランであれば、グリドル、チャーブロイラー、フライヤー加熱機器郡の下部に配置するドロワー冷凍/冷蔵食品庫へ加工食品を保管する。保管食材と保管数量はその店により各種異なる。また、保管数量では、昼食・夕食向けに、売上げ需要に対応した適正数量を感と経験値を基本に予測を行い、数量確保している。

予測根拠ではPOSによる売上げのグロス集計から導かれるが、欠如しているのは経過時間別の売りと出数傾向に関しては緩慢な数量管理で作業管理している情況となる。

国内に求められる厨房環境と通信システム応用
3. 求められるフロントの売上げ管理

国内に求められる厨房環境と通信システム応用下記に示すPOS情報と戦略内容では、既にコンビニエンスストア、ファストフード店等において応用される内容が含まれる。だが、多品種を調理、販売するチェーン店を含む一般飲食店ではPOS売上げ情報と厨房の作業連動では有意義な発展系は見られない。人件費、食材費、水光熱費、賃料と工夫、改善を徹底的に追及しても収益改善へ転換しない飲食業としては、POSという有意義な売上げ管理ツールを売上げ向上への戦略として考え直す時期ではないかと考える。

  1. 飲食店で日常活用となる売上げ管理データ(POS)を、従来の日売り総計から換算し、売り傾向を分類、従来の販売戦略を立てるのみでなく、時間帯別売り傾向の特性を分析することが重要である。そのデータは厨房内の各準備作業への有益なる情報となる。
  2. 同様に、営業開始後では何時にどのような商品群がオーダーされる特性があるのか、そのオーダーも数量傾向はどのような特性であったのか。POSデータでは、時間帯毎変化する売り傾向を分析する事により、その店の出数傾向は掌握出来る。
  3. 朝の食材準備は昼の各オーダー品の食材準備となる。昼過ぎの食材準備は夕刻の各オーダー品の食材準備となる。その有益な出数傾向を分析し、厨房作業の無駄のないオペレーション構築への資料とさせる。

<1、時間売り履歴予測> ⇒ <2、事前準備予測> ⇒ <3、実売り傾向との比較> ⇒ <4、準備差異の調整> ⇒ <5、売り実績の比較> ⇒ <1、時間売り履歴予測>



伊藤 芳規(いとう よしき)

1960年 福岡県出身。信州大学大学院(生命機能・ファイバー工学)。大光電気系列社にて店舗用照明デザインを学ぶ。北沢産業に入社、厨房関連設備設計に従事する。その後、大日本塗料照明部 ニッポ電機にて照明デザインに参加。88年ツカモト&アソーシエイツ事務所(T&A)に参加。多数の飲食施設プロジェクトに従事。92年エーエフディーコンサルタンツ(AFD)設立に参加後、98年(株)シニリトルジャパンに入社。現職に至る。

株式会社シニリトルジャパン

株式会社 シニリトル ジャパン

http://www.cljapan.com/

執行役員 / チーフコンサルタント
Cini・Little Japan、Inc.
Executive Officer FCSI (Food Service Consultants Society International) Professional Member
感性工学会 フードサービス研究部会 副会長
電化厨房フォーラム21 厨房設計部会 会長

著書、寄稿
・Vessel Sanitation Program (船舶サニテーションプログラム運用マニュアル) 翻訳 (日本外航客船協会) ・飲食店のキッチン計画・飲食店のオープンキッチン計画 (商店建築 共著) ・飲食店舗設計計画の設備改善(経済調査会)、建築設備と配管工事、月刊食堂、飲食店経営・月刊厨房寄稿、食品産業新聞、他多数。

第1章 北欧と米国そして日本の厨房機器思想と設備環境の動向

文 : 伊藤芳規

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