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厨房機器の今と未来を知る ~厨房機器の進化と発展~ 株式会社シニリトル ジャパン 伊藤芳規氏

厨房機器の今と未来を知る 厨房機器の進化と発展第二章 フードサービス進化系に見る通信システム融合と考察

第5回 諸外国に見る飲食環境と通信応用-米国

諸外国に見る飲食環境と通信応用 - 米国

一方、米国ではNAFEM(北米フードサービス機器協会)がリードするON-Line-Kitchen(OLK) がコンセプトである。

図3これは、各社独自に開発している単品機器の制御基板通信のプロトコルへ通信規約を定める。そして、あるオープンネットワーク上で共通のインターフェイスを各機器に接続、各種発信する調理情報の一元化を図るシステムとなる。

特にQSR系(クイックサービス)ファストフードチェーンでは、作業工程が明確であり、売上げに伴う厨房作業の変化と作業の管理では有効となる。この場合、POSレジを中心とし、厨房の設備や各種空調、スタッフの労務シフト、在庫の管理と発注を一元化し、無駄のない販売と生産の管理を行う発想。

( OLK 管理におけるシステム管理例予測)

  1. POS販売履歴での繁忙、閑散時特性を分析(エリア、地域、ロケーション別)
  2. 地域別販売ボリュームの合わせた労働シフトを組む
  3. 繁忙時間帯に合わせた調理設備と関連設備の稼動モードの環境を維持
  4. 繁忙時以外の時間帯に合わせた調理設備と関連設備の稼動モードの環境を維持
  5. POS販売量に伴う店舗内食材及び関連パーツ材の在庫量の管理
  6. 販売量と在庫減に伴う食材及び関連資材の発注システムの一元化と適正在庫量の維持

食材自動発注("R"リアルタイム情報 と "A"履歴 の分析で活用) ⇔ (POS打ち込み = 売上げ時) ⇒ (R)BOHへ生産指示 ⇒ 画面内部管理では食材パーツの情報と調理の指示(例:クラウン1、ヒール1、パティ2、トッピング材等のカウント計算) ⇒ フライセクション/ポテトカウント(提供予測を元にバスケットでフライ/出数予測とリンクさせる) ⇒ ビバレッジセクション(飲料出数カウント) ⇒ <各種売上げに推移した在庫個数減の管理> ⇒ ドリンクではシロップカーボネーター原液残量管理 ⇒ ポテト類では出数/バスケットフライ回数/二次冷凍庫保管バッチ数の減管理/一次保管冷凍庫の在庫減数管理 ⇒ 適正在庫数が減少した時点での自動発注。


図4<A履歴特性分析での活用予測> ⇒ POS売上げ時の履歴(売り種、出数、客層、気候、人数) ⇒ 時間帯別売り種傾向(単位10分?) ⇒ BOH労務ボリューム検証(加熱機器の稼動、作業員負荷、給排気稼動、温熱環境) ⇒ 繁忙時予測を基本とした調理機器パワー準備 ⇒ 機器稼動と給排気稼動パワー制御 ⇒ 調理/サービススタッフの適正人員配備計画 ⇔ 湿度温度の制御 ⇒ 閑散時予測における機器パワーオフ(同機複数台時) ⇒ 閑散時における適正人員計画


諸外国に見る飲食環境と通信応用 - 米国BOH厨房内(Back of house)の各機器、関連設備へ作業情況に合わせた環境構築と起動を行なう。これは、調理稼働状況と売上げ推移、POSレジデータと設備稼働、設備稼働と空調消費制御、設備稼働と食材パーツの消費特性、食材消費と受発注との連動がPOSの各種データとプロトコル通信の応用により可能となる構想である。

でも、現状では、各QSR業態では独自の作業管理で起動する為、運営と通信シナリオに関連する情報では閉塞性があり、オープンシステムでありながら、運営と制御通信ソフトに関しては各社独自路線の傾向となっている。結果、米国、欧州圏のシステム方向性は、無駄のない作業環境と収益性を生み出す設備の構築、そして安全なる調理工程の確実化を目指すものであり、経営者の視線に立ったシステム構築だと言える。



伊藤 芳規(いとう よしき)

1960年 福岡県出身。信州大学大学院(生命機能・ファイバー工学)。大光電気系列社にて店舗用照明デザインを学ぶ。北沢産業に入社、厨房関連設備設計に従事する。その後、大日本塗料照明部 ニッポ電機にて照明デザインに参加。88年ツカモト&アソーシエイツ事務所(T&A)に参加。多数の飲食施設プロジェクトに従事。92年エーエフディーコンサルタンツ(AFD)設立に参加後、98年(株)シニリトルジャパンに入社。現職に至る。

株式会社シニリトルジャパン

株式会社 シニリトル ジャパン

http://www.cljapan.com/

執行役員 / チーフコンサルタント
Cini・Little Japan、Inc.
Executive Officer FCSI (Food Service Consultants Society International) Professional Member
感性工学会 フードサービス研究部会 副会長
電化厨房フォーラム21 厨房設計部会 会長

著書、寄稿
・Vessel Sanitation Program (船舶サニテーションプログラム運用マニュアル) 翻訳 (日本外航客船協会) ・飲食店のキッチン計画・飲食店のオープンキッチン計画 (商店建築 共著) ・飲食店舗設計計画の設備改善(経済調査会)、建築設備と配管工事、月刊食堂、飲食店経営・月刊厨房寄稿、食品産業新聞、他多数。

第1章 北欧と米国そして日本の厨房機器思想と設備環境の動向

文 : 伊藤芳規

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