フードサービスビジネスの視点を知る ~外食応援団 新業態提案の現場から~

フードサービスビジネスの視点を知る レポート by 前城幸代 外食応援団体 新業態提案の現場から

市場規模24兆円強といわれる巨大な日本のフードサービス業界を側面から支援する企業・団体は数多く存在する。日本のフードサービス企業の多くは、その経営理念に『「食」を通じて、消費者の生活の中に“豊かさ”や“楽しみ”を提供するとともに“健康”や“安全・安心”を提供する』と謳っているが、側面から支援する企業や団体も同じ目的を持って日々活動していると信じたい。
外食ドットビズでは、日本のフードサービス業界を側面から支援する企業や団体の活動の実態をきっちりと見た上で、皆様に情報提供をして行きたいと考えている。今回は、その第1弾として、「創・食Club」による新業態提案セミナーの様子を外食ドットビズ編集部の紅一点(?)前城幸代がお届けする。

第2回 試食コーナーより愛を込めて~イタリアンバール・メニュー編~

第2回 試食コーナーより愛を込めて~イタリアンバール・メニュー編~

いよいよ、試食コーナーで「実食」となるわけですが、その前に渡辺シェフによるイタリアンバールメニューの調理実演があります。紹介していただくメニューは、“ ローズマリーと岩塩のフォカッチャ ” “ モツァレラとトマトのオープンサンド ” “ パスタオムレツ ” の3品です。

イタリアンバールをやる場合、シェフレスはもちろんのこと、コックレスでも運営が可能なのだそうです。それは、例えばフォカッチャにしても、お店で焼いて作る必要はなく、冷凍で美味しいフォカッチャシートを使えば本格的なバールメニューが作ることができるからだそうです。本当に冷凍のフォカッチャシートが美味しいのかどうかは、後ほど試食コーナーからお伝えしたいと思います、はい。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~まずは、 “ ローズマリーと岩塩のフォカッチャ ” 。渡辺シェフの軽快なトークに合わせるように、指先もリズム良く動いていました。フォカッチャシートにオリーブオイルを塗って、その上に岩塩をふりかけ、乾燥ローズマリーをパラパラとかけて、オーブンで 3分ほど焼けばできあがりです。って、それだけですか? こんなに簡単で良いのでしょうか? パルテノペでも毎日同じようなものを出されて好評と言われていたので美味しいに違いない…。これも後で確かめましょう。

続いては、“ モツァレラとトマトのオープンサンド ” です。デュエリオロールというデュラム小麦 100%のパンを使っているそうです。デュラム小麦というのは、普通パスタに用いるものだと思っていましたが、イタリアではパンに使うことも珍しくないのだそうです。中はモチモチッとしていて、外側がジャリッというような独特の食感があるそうです。聞いているだけで、よだれが出てきます、はい。作り方は、1cm程の厚さに切って、オーブンで軽くさっと焼いたデュエリオロールの上にトマトとモツァレラチーズを乗せて、その上にジェノヴァペーストというバジルペーストを乗っけて、岩塩をぱらっとひとつまみ。う~ん、これも簡単だ。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~調理実演の最後は “ パスタオムレツ ” です。パスタオムレツって、パスタを玉子で包んだもの? オムソバみたいなものですか?「?」だらけの私の頭を見透かしたように、シェフは「パスタオムレツと言ってもパスタを玉子で包むものではありません。パスタに玉子をからめて焼いたものです。イメージ的にはおやきみたいなものですかね」というタイミングの良いお話が。講演もプロなんですね。もともとパスタオムレツは、パスタの残り物を利用した料理なのだそうです。日本で残ったご飯をお茶漬けや炒飯にするように、イタリアではお昼に残ったトマトパスタをパスタオムレツにするそう。食材廃棄問題にも役立ちそうな食文化だ!

作り方は、ボウルに卵 2個を軽く溶いて、その中にパルメザンチーズを少しふりかけたトマトパスタを入れてからめる。そして、オリーブオイルをひいたフライパンで両面をしっかり焼くだけと、これまたお手軽です。お伝えできないのが、もどかしいですが、香ばしい良い匂いがしてきました。

渡辺シェフの 「 それでは、試食をしていただきます。 」 の合図というか、号砲?とともに試食コーナーにネコまっしぐらではなく、ワタシまっしぐらでした。食べさせていたただいたメニューの数々をご紹介します。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~1.生ベーコン巻きグリッシーニ
グリッシーニ? 生ハムじゃなくて生ベーコン? 初めて聞く食材に馴染のない食べ物が巻かれているという名前でした。見た目は、細長いパンに生ハムを巻いたような感じ…、と思ったらグリッシーニはデュラム小麦を使ったパンとのこと。食べてみると、美味しい !! 生ベーコンの塩味とパンが絶妙の味わいっす。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~2.ローズマリーと岩塩のフォカッチャ
調理方法だけでなく、見た感じも非常にシンプルなメニューです。さて、冷凍フォカッチャの実力を試させてもらいましょうか。口に含んだ瞬間、ほのかに漂うローズマリーの香り…。そして、岩塩の力強いしょっぱさとフォカッチャの微妙な甘さ…、う~ん美味い。冷凍パン、侮れじです。私にも作れそうな手順で、このレベルはすばらしいです。“ トマトソースとセミドライトマトのフォカッチャ ” もありましたが、ほかのものが食べられないといけないので、後ろ髪を引かれつつ次へ進みます。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~3.モツァレラとトマトのオープンサンド
デュラム小麦のパンとやらをいただいてみましょうか。パンではさんだサンドイッチタイプではなく、カナッペタイプなので一口でいけますね。確かにこのパンは不思議な食感ですね。これはいけます。ここももう一品“生ハムとルッコラのオープンサンド”があったのですが、これも断念です。ギャル曽根にはなれません、申し訳ないです。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~4.パスタオムレツ
先ほどの強烈な香ばしい芳香がよみがえってきました。表面はこんがりと焼けていて、確かに見た感じはおやきです。でも、中身は確かにトマトスパゲッティです。不思議な感じですが、とりあえず一口。まわりはカリッと、中はモチッとしていて、これまた美味しいじゃあないですかぁ。これからは、残ったパスタはレンチンするのではく、オムレツにして食べることに決めましょう。マジでオススメです。
ここまで来るとさすがにお腹に溜まってきましたが、私も年頃の女です( ^^;)。デザートは別腹と言い張って最後の一品を試食します。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~5.おばあちゃんのタルト
なんとホンワカした平和なネーミングなのでしょう。タルトの上にレーズン入りのカスタードを乗せ、松の実を散りばめただけのシンプルなお菓子です。一口でいただいてみますと…、おっ!甘くない!甘さがかなり抑えられていて美味しいですね。名前の通り、イタリアの片田舎でおばあちゃんが遊びに来た孫たちに作ってあげるお菓子なんだそうです。イタリア人のおばあちゃんがいたら、毎日遊びに行ったのに…

お伝えしてきたように、イタリアンバールで出されているメニューは、調理法は非常に簡単なのですが、それぞれが独特の味わいを持っています。それに、日本人でも本当に美味しいと感じる味わいだと思いました。今回は、コーヒー以外のバールメニューというセミナーでしたので、コーヒーを飲むことはできませんでしたが、コーヒーと一緒に食べたら、また違う美味しさになっていたのではないでしょうか。

フードサービスビジネスの視点を知る ~レポート by 前城幸代 外食応援団 新業態提案の現場から~というわけで、試食の最後として 「 コーヒーに代わる飲物を… 」 と探していましたら、今回はキリンビール株式会社さまが協力企業として来られていました。冷えたところを1杯(いっぱいではないです)いただきながら、次回に続きます。



前城幸代

前城幸代

19○○年 沖縄県出身
1993年から7年間、某パブチェーンで飲食店に勤務。浜松町のお店ではマネージャーを経験。
その後、ソフトウェアハウスでWEBサイトに関わる仕事に従事。
2007年より外食ドットビズの制作担当。

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