沖縄ブームによって全国的に認知されるようになった「泡盛」。独特の香りを持つ沖縄の酒と知られているが、実は、焼酎などの蒸留酒は泡盛がルーツとされており、日本の酒文化の源流でもあるのだ。今回は、沖縄唯一の総合酒造メーカーであるヘリオス酒造の協力により、泡盛の魅力や味わい方を改めて学び、外食店で効果的に活用する工夫をお届けしたいと思う。
「 泡盛 」 という呼称は、今や全国区となった感がある。しかし、こと飲食店舗での利用状況を鑑みると、泡盛をその源流とする焼酎など他の酒類に比べると広がりは限定的である。ヘリオス酒造でも、まだまだ泡盛への理解度が低いとみており、これをメーカーの責任と捉え、分かりやすく伝えていくことが課題と考えている。
ヘリオス酒造では、その一環として、マスメディアを利用したマスマーケティングだけではなく、顧客ごとにターゲットを絞ったダイレクトマーケティング、いわゆるワントゥワンマーケティングを積極的に展開している。その必要性の背景には、「 泡盛 」 の多様性がある。 「 泡盛 」 と一言でいっても、その熟成方法や熟成期間によって全く味わいの違った酒となる。そのため、商品ごとに合う食材やメニューも違ってくることになる。
具体的には、外食店などに直接提案をすべく、顧客ごとに提案書や差込メニュー(左画像参照)を作成し、飲み方やメニューの提案、レシピと組み合わせながら泡盛を 紹介するなど、1軒1軒の店舗を訪問する営業活動を行っている。差込メニューやPOP(右画像参照)などによって、酒のイメージを具現化して、それに合う食材やメニューの提案はもとより、その酒を楽しむ雰囲気作りにいたるまで提案営業を行っている。
ヘリオス酒造としては、実際に泡盛を飲んでいただくことはもちろんのことであるが、それ以上にポスター作成や泡盛にあう料理の紹介など、飲食店の顧客がより商品を手に取りやすいようなアイデア提案を行っている。
店舗で泡盛のメニュー化をお考えの方は、下記へ問い合わせいただきたい。
問合せ先 : ヘリオス酒造株式会社 マーケティング本部
電話番号 : 045-640-1332
email : mailto@helios-syuzo.co.jp
泡盛マイスターの資質向上と知識向上を目的として設立された 『 社団法人泡盛マイスター協会 ( AWAMORI MEiSTER ASSCIATION 略称:A・M・A ) 』 が泡盛普及の一旦を担っている。
A・M・A は、2003年(平成15年)4月に設立され、2005年(平成17年)3月に沖縄県知事より公益法人:社団法人の認可を受けた、那覇市に拠点のある協会である。
酒類には、ワインの 「 ソムリエ 」 等の呼称資格があり、それぞれの研究と広報活動により、その商品の認知度向上及び販売促進に一役買っている。A・M・Aでは、銘柄ごとの味の違いや歴史、料理との相性やテイスティング、製造方法や医学的効果、酒類全般などに精通した総合的なアドバイザーを目指す 「 泡盛マイスター 」 という資格制度を創設した。2007年(平成19年)4月より沖縄県泡盛マイスター認証制度が沖縄県知事より認可され、日本初の公式資格認定となった。
この他、A・M・Aでは、泡盛に関する各種研修会・セミナー・講演会の開催、「 泡盛カクテルコンテスト 」 など各種コンテストの開催などにより泡盛の新しい楽しみ方を提案し、泡盛の普及に尽力をしている。
ヘリオス酒造も同協会の趣旨に賛同すると共に協力するために、本年(2008年)より、関東地区で開催される同協会主催の研修会やセミナーを同社東京支社で開催することとした。
なお、研修会やセミナーへの参加は随時募集されている。興味のある方は、下記へ問い合わせいただきたい。
問合せ先 : 社団法人泡盛マイスター協会
住所 : 沖縄県那覇市牧志1-1-4 高良ビル3F
電話番号 : 098-861-5403
問い合わせフォームはこちら
ヘリオス酒造株式会社
http://www.helios-syuzo.co.jp/
1961年に沖縄の基幹作物であるさとうきびを使ったラム造りからスタートした沖縄唯一の総合酒造メーカー。'79年から泡盛の製造を開始、'91年にはラム造りで培った技術を活かした樽熟成泡盛「くら」を発売、沖縄県内はもとより全国的な人気を得ている。マーケティングリサーチを重視した姿勢により、時代のニーズや生活者マインドに適した商品開発や販売促進を推進している。
取材協力 ヘリオス酒造株式会社 マーケティング本部 取締役本部長 松田あすか氏
文: 貝田知明 写真(人物):トヨサキジュン