IT用語で「クラウド」と言う単語が頻繁に聞かれるようになった。この技術は、飲食店のシステムにも大きく関わって来ている。高機能の飲食業向け本部システムを安価に、スピーディーに、そして場所を選ばす提供している株式会社富士通ゼネラルの事例をもとに、「クラウド」を使った飲食店システム最新動向をお伝えしたい。今回は、同社営業推進部専任部長の西口陵治氏とシステム部部長の藤垣誠氏に話を伺った。
「 CloudChef 」 は飲食店の動向を見据えながら、必要な機能を追加していくなど、常に進化させていくという。最後に今後、同社が 「 CloudChef 」 に対してどの様な取組みを考えているか見て行きたい。
飲食店に関わる最近の動向として、iPhoneなどのスマートフォンやiPadなどの携帯型スマート端末の拡がりがあげられる。この様なモバイル端末の高機能化により、外出先で業務の遂行が可能となるのである。
『 複数の店舗を見ている社長やエリアマネージャーが、外出先でリアルタイムに管轄店舗の売上状況などを把握して、「 ビラを撒きなさい 」 と指示をするなどリアルタイムに対策を取りたいという要望が大きくなっています。この様なことからモバイル端末対応は早急にしたいと考えています 』 (藤垣氏)。
「 CloudChef 」 は 「 クラウド 」 の特性を活かし既にリアルタイム対応になっている。また同様に 「 TeamStoreF 」 もリアルタイム対応ができている。この強みを活かす上でもモバイル端末の小さい画面に表示できるようにするなどの対応を行うのは不可欠であろう。
もうひとつの動向としてあげられるのが、飲食企業の海外進出である。国内市場が飽和状態になりつつあり、さらに景気の低迷により、企業規模の大小を問わず海外に活路を見出そうとしている飲食企業は多い。
『 当社のお客様でも海外展開を積極的に行われています。中国、香港、韓国、マレーシア、シンガポールと中国を中心にアジア圏で多く出店されています 』 (西口氏)。
これに伴い、海外の店舗動向を国内で把握したいという要望が大きくなっている。ここで活きて来るのが 「 クラウド 」 のハードウェアに依存しないところである。大企業であっても日本のメーカーが中国にPCを輸出して、かつ広大な中国全土でアフターサービスを行うのは非常に難しい。
『 飲食企業様とは日本での契約となります。海外で使用できるライセンスの付与という形で、お客様に現地でパソコンとネットワークのご準備をいただければ「CloudChef」がすぐにお使いいただけるのです 』 (西口氏)。
つまり、サービスとして機能を提供する「クラウド」を技術を使っているが故にこの問題が解決できるのである。
『 各国の課税や言語に対応したインターナショナル版を出します。中国語も北京を中心に使われる簡体字と香港や台湾で使われる繁体字に対応させる予定です 』 (藤垣氏)。
今回の取組では、海外企業のPOSメーカーと連携することにより、海外店舗の売上や勤怠の情報を日本国内の本部で把握できるようにする。
別の取組としては、『 現状の 「 CloudChef 」 の機能は、基本的に業務効率をあげたり、コストダウンを図ることが中心となっています。今後は自社でできない部分は他社とアライアンスを組んで機能追加するなど、もう少し飲食店様の売上向上に貢献できる方向にも進めて行きたいと考えています 』 と藤垣氏は語る。
クラウド技術の進歩により、飲食企業が享受できるメリットは少なくない。今回は本部システムにおける活用事例を見てきたが、今後も様々な業務支援に使われるクラウドを利用したソリューションを追求して行きたいと考える。
株式会社富士通ゼネラル
http://www.fujitsu-general.com/jp/
所在地 神奈川県川崎市高津区末長1116番地
代表者 代表取締役社長 村島純一氏
創立 1936年(昭和11年)1月15日
取材協力
(左)情報通信ネットワーク事業部 システム部 部長 藤垣誠氏
(右)情報通信システム営業統括部 営業推進部 専任部長 西口陵治氏