IT用語で｢クラウド｣と言う単語が頻繁に聞かれるようになった。この技術は、飲食店のシステムにも大きく関わって来ている。高機能の飲食業向け本部システムを安価に、スピーディーに、そして場所を選ばす提供している株式会社富士通ゼネラルの事例をもとに、｢クラウド｣を使った飲食店システム最新動向をお伝えしたい。今回は、同社営業推進部専任部長の西口陵治氏とシステム部部長の藤垣誠氏に話を伺った。
昨今、｢ クラウド ｣ を耳にする機会が増えてきたが、ここであらためて 「 クラウド 」 について説明したい。
｢ クラウド ｣ とはクラウドコンピューティング（cloud computing）の略称で、インターネットをベースとしたシステムの利用形態である。例えば飲食企業が本部システムを導入する場合、従来は、店舗用のパソコンと専用ソフト、本部用にはサーバーとパソコンに専用ソフトを保有して、収集したデータ等は各社で管理していたのに対し、｢ クラウド ｣ では、店舗も本部もパソコンとネットワークの環境の整備をするだけで本部システムを使えるようになる。つまり 「 サービス利用者（店舗・本部）はインターネットの向こう側からサービス（本部システムの利用）を受け、その対価としてサービス利用料金を支払う 」 ということになる。
｢ クラウド ｣ を利用することにより、外食企業は、サーバーやソフトウェアの保有が不必要になるため、高額な開発費やメンテナンス費、システム部門の負荷から解放されることになる。
｢ CloudChef ｣ もこの｢クラウド｣の仕組みを活用して飲食業界向けに業務支援のソリューションを提供している。
『 ｢ CloudChef ｣ は、飲食店に関わる業務のバックヤードシステムです。クラウドの技術を使っていますので、お客様はパソコンとインターネットに繋げるネットワーク環境を整備していただくだけで、安価に、スピーディーにご導入いただけます。システム運用は当社にて一括管理しますので、システム管理者の負担は大幅に軽減できます 』 （藤垣氏）。
『 システムを運用している ｢ 富士通システムセンター ｣ は、最先端技術と高品質運用とともに、最新グリーンテクノロジーを搭載した、国内最高水準のデータセンターです。また、信頼性の高いセキュリティ、あらゆる災害に備えた堅牢なファシリティ（設備）と、 厳重なセキュリティ対策によりお客様システムをフルサポートする24時間365日ノンストップの運用管理体制をご提供しています 』 （西口氏）。
機能は、｢ 売上管理サービス ｣ ｢ 発注･仕入･棚卸管理サービス ｣ ｢ 勤怠管理サービス ｣ の3つ。これは、長年同社が飲食企業とともにビジネスを構築してきた実績に基づく飲食業界に特化したサービスである。
｢ 売上管理サービス ｣ は、売上入力・売上実績・売上速報など店舗や本部における各種業務をサポートするサービス。例えば、日報も店舗のみならず本部においてもリアルタイムで確認することができる。
｢ 発注･仕入･棚卸管理サービス ｣ は、店舗の発注・仕入・棚卸業務をサポートするサービス。例えば、店舗で食材の発注を行うと、仕入先では受注照会や出荷登録、そして本部では仕入先への支払い予定を確認することができる。
｢ 勤怠管理サービス ｣ は、店舗における打刻や勤務実績修正の業務をサポートするサービス。例えば、店舗では希望シフトや予算情報より、勤務シフトの作成を行なえる他に、打刻および勤務実績の修正も行なえる。また、本部では月度の勤怠実績を確認できる。
これに加えて、｢ 基本機能 ｣ は、POSやオーダリング機器のマスタメンテナンスの他、店舗では日報の入力および小口現金管理の登録など、本部では経営効率表やABC分析などの出力が行なえ、FC展開している企業には、FC請求情報の登録および提供が行なえる。
株式会社富士通ゼネラル
http://www.fujitsu-general.com/jp/
所在地 神奈川県川崎市高津区末長1116番地
代表者 代表取締役社長 村島純一氏
創立 1936年（昭和11年）1月15日
取材協力
（左）情報通信ネットワーク事業部 システム部 部長 藤垣誠氏
（右）情報通信システム営業統括部 営業推進部 専任部長 西口陵治氏
