原油の高騰、食料の高騰そして人件費の高騰と外食産業を取り巻く経済環境は日々厳しさを増している。更に乳製品、菓子などの賞味期限切れ食品、牛肉、鶏肉、うなぎなどの生産地偽装食材などといった消費者の期待を裏切る不祥事が社会問題化するなど飲食業従事者に逆風は吹き止まない。
外食産業の活性化のため、外食ドットビズは関係者の方々の考えを中心に、この様な厳しい環境下で飲食業に携わる方々に少しでもお役に立つ情報を発信していく事を目的に『シリーズ 食の危機を乗越える』と題し、不定期に掲載していく。
小麦、大豆などの穀物をはじめとした食料価格の上昇が、日本の台所を直撃している。特に穀物の価格の推移をみると、2年前に比べてとうもろこしや大豆は約2倍、小麦にいたっては何と約3倍にまで高騰をしている。今後の価格の見通しでもここ近年の記録的な高値よりはやや下がるものの、高止まりの状況は続くと見られている。
また、食料価格が高騰している理由には、新興国の経済成長や人口増加による消費増のほか、過去の食料危機の局面にはなかった原油価格高騰との連動や、気候変動、バイオ燃料の需要増、穀物市場への投機マネーの流入など複合的な要因が考えられている。
こういった状況を鑑み、本シリーズの第2弾は、フードプランナーとしてメニュープロデュース企画、店舗プロデュース企画などで飲食店に関わられている有限会社フード企画・141の石井千秋代表にメニュー開発の観点からこの食材高騰の時代(とき)を飲食店がどのように対応していくべきかお伺いした。
石井 千秋(いしい ちあき)
1982年 明治大学卒業後 株式会社柴田書店入社
編集・広告企画業務に携わる
1991年 企画フードハウス設立
2005年 有限会社フード企画・141設立
有限会社フード企画・141
http://www.foodkikaku-141.co.jp/
各種飲食店・宿泊施設のメニュープロデュース企画、店舗プロデュース企画、食品メーカーの販促及び営業戦略企画を主な業務としている。
大手FFSのメニュー開発等外食企業、中食惣菜企業、料理道具・備品メーカーのメニュー・商品開発コンサルなど多くの実務実績を持つ。