外食産業で本格普及期を迎えた電子マネーの課題と展望 ~FeliCa営業担当が語る電子マネーの今~

外食産業で本格普及期を迎えた電子マネーの課題と展望

飲食企業・情報システムベンダーおよび関連企業が協働し、飲食企業にとって導入効果の高いシステムの構築を目指すOFSC(オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム)研究会で実施された特別講演の模様をお送りします。外食産業の特性に則して電子マネーの現状や見通しに振れるなど、導入に際しての参考となる講演でしたので、OFSC研究会様、ソニー株式会社様のご協力により、当サイトにて特別に公開させていただきます。※本文中、敬称略とさせて頂きました。

第7回 現場の人間が肌で感じる電子マネーのこれから

【電子マネー普及に向けた今後の展望】
電子マネー普及に向けた今後の展望

これからの電子マネーの普及に欠かせないキーポイントは、「1.ICカード利用者の拡大」「2.ハンディターミナル市場への広がり」「3.サイバー市場の広がり」「4.決済以外のアプリケーションの充実」の4点だと考えています。

「 1.IC カード利用者の拡大 」

パスネットが PASMO になることも大きな要因ですが、今年 10 月から郵政省のカードも IC カード化されています。まだ、 Edy 対応だけですが、来年度には、 Suica が乗った郵政省のカードが発行されます。これによって、郵貯のキャッシュカードを使って、 Edy や Suica で決済するということが可能になります。郵政省では、 3 年半を掛けて 7000 万枚を IC カード化していく計画を公表しており、まさに全国津々浦々で、 Edy ・ Suica を持ったユーザーが増えていくことと予想されます。

「 2.ハンディターミナル市場への広がり 」

外食産業にとってはインパクトがあることかと思いますが、ハンディ型の決済端末の広がりもかなり進んでおります。例えば、宅配業者に自宅まで大きな荷物を取りにきてもらうような場合、現状は現金での支払いがほとんどだと思うんですが、これが非接触クレジットや Edy で決済するといったことが検討されております。近い将来には、ケータリングや飲食店においてのテーブル決済が可能になるでしょう。

【 スマートデジタルライフ推進プロジェクト 】
スマートデジタルライフ推進プロジェクト

「 3.サイバー市場の広がり 」

当社の VAIO 、 NEC の主要モデル、富士通などのビジネス機といったところで、 FeliCaポートと呼ばれるFeliCa リーダライタが内蔵されたものが多くなっています。これによって、例えば、あるお店のポイントを自宅で確認するとか、インターネットにつないで自宅でチャージする、残額を確認するといったことができるプラットホームが整いつつあります。 PC がお店で使う端末のプラットホームとして広まっていますので、 FeliCa カードを使う、おサイフケータイを使うといったことが、お店においても PC ベースでできるようになっていきます。

Intel 、ビットワレット、マイクロソフトが中心となって、 PC に FeliCa のリーダライタを搭載して、サービスを増やそう、使える場を作っていこうという「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」が今年 6 月に発足しています。私どももこれに参加して、 PC への搭載などを積極的に広げていきたいと思っております。

渡辺 圭一

渡辺 圭一

http://www.sony.co.jp/Products/felica/

ソニー株式会社 FeliCa 事業部門 営業部 統括部長

1981 株式会社第二精工舎(現セイコーインスツル(株))入社
研究開発部、時計設計部を経て外食産業向けオーダーエントリーシステムのSE業務等を担当。

1991 ソニー株式会社 入社
自社製業務用機器(コンピュータおよびAV機器)の法人向けシステム・セールス、営業推進を担当。

1997 非接触ICカード技術 FeliCa関連製品のセールスに携わり、現在に至る。

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